イレイザーヘッド 完全版 [DVD]

監督 : デヴィッド・リンチ 
出演 : ジャック・ナンス 
  • ハピネット・ピクチャーズ
3.58
  • (34)
  • (49)
  • (61)
  • (10)
  • (7)
本棚登録 : 277
感想 : 61
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4947127505024

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • これも今さらようやく観れたぁ・・・!
    って感じで、嬉しかったです。

    特に、やっぱりピーター・アイヴァースの歌が最高・・・!
    10数年前ぐらいですけど、ピーター・アイヴァースの
    『ターミナル・ラヴ』っていう名盤中の名盤があるんですが、
    それを買って、ずーっと聴いてましたねー大好きでした。
    因みに坂本慎太郎の影響です。
    あとメイヨ・トンプソン御大の『Corky's Debt to His Father』とかも。
    今だとようつべとかで簡単に聴けるんでいいすよね。

    ピーター・アイヴァースは以前から好きなのに
    『イレイザーヘッド』の方は観てなかったという・・・
    まずそこらへんから、いつもどおりのうぜえ自分語りでもしますか・・・

    デヴィッド・リンチの映画をちゃんと観始めたのはつい最近です。
    2年前ぐらいかなあ、急に『ツイン・ピークス』をちゃんと全話観たくなって。
    子どもの頃、'90年代初頭ですけどすごいブームで
    ビデオに録って観てたんだけど、前半の記憶しかなくて。
    それと『デューン』の砂漠用スーツがすっごいカッコいいぞ、っていう
    話を聞いたので、そこからでした。

    『ツイン・ピークス』はキャラ萌えドラマなんですけど、
    前半すっごい面白いんだけど2nd.シーズンはリンチが離れるんで
    やっぱりぐだぐだでつまらない。
    けど、最終話とかでリンチが帰ってきて・・・
    もうこの最終話がですね、最高に面白かったんですよ。
    エヴァの最終話ってこれなんすかねえ。

    で、『デューン』は『デューン』でしたw
    あれはキャストもデザインもカッコよくて最高なんですけど・・・。
    『エレファントマン』は高校生の頃に『ロリータ』と同時期に観たんで
    ふたつが記憶の中で完全にごっちゃになってるような・・・。


    そしてようやく今回『イレイザーヘッド』・・・
    これ置いてないレンタル店なんて信じられないよ!
    あと『インランド・エンパイア』を残すのみ。

    あまりに観たかったので、内容を若干知ってから観ました。
    なのでそんなに難解ではなくて・・・
    胎児とか妊娠に対する恐怖の話。
    これ、すっごいわかるなあ・・・男性の方がわかるのかも。

    キャストを見たらわかるとおり、主人公はリンチそっくりですよね。
    タレ目でさ。これリンチ本人の分身ですよね。
    子育てってとにかく、経済力がいるじゃないですか。
    でさ、序盤でやたらと彼女の両親から「仕事は何してんの?」って
    訊かれるという・・・これ辛いよね、切ないですよ。

    だってリンチって長編映画撮ったのこの時まだ一作目ですよ。
    全然うだつがあがらない時ですよね。
    そんな時に彼女が妊娠して・・・とかなったら、ねえ・・・。

    まあそんな感じのホラー?なんですけど、
    リンチは元々画家で、今も画家っていうか絵は描いてるんですが
    そういう映画だと思って観るといいと思います。

    あの、「映画」って「ストーリーがあって当然」とかって普通思いますよね。
    「セリフがあって当然」とか。
    なくていいんですよ。何でもアリなんです。
    だって、絵を観た時に「これは難解だ・・・」「わからない・・・」ってならないでしょ?

    あ、なるか・・・抽象画だとw
    なるけど、わからないなりにわからないなりでいいんですよ。
    正解があると思って観るからダメなんじゃないですかね。
    もちろんそれに近いものはありますけど、
    観た人が色々感じるってことが大事なのでは。
    リンチさんって絵描きなので、最初からそこがシームレスというか
    絵画と映画の隔たりがないんです。

    だから「アート系映画」っていう言葉を僕が好きじゃないのはそこで、
    そう言うと一番わかりやすいんだけど、
    映画は最初っからアートだろ!って思っちゃう。
    「ポップパンク」も同様、パンクは最初っからポップだろ!ってw


    基本のストーリーは先に書いたとおりなんですけど、
    僕が今回初めて観て思ったことを書きますと・・・
    なんか、丸いやつ出てくるじゃないですか。脳みたいなの。
    あれって脳だけど卵子なんじゃないかなあ。
    で、消しゴムのカスが精子で・・・みたいな・・・
    こすったらいっぱい出るし・・・(下ネタか!)
    冒頭の、光に向かって洞窟みたいなのをくぐるのは
    産道を通って出ることなんだろうけど。

    他の部分だと、リンチの後の作品に出てくる要素が詰まってますね。
    胎児は『デューン』のあれっぽいし、そもそも奇形が『エレファントマン』だし
    箱は『マルホランド・ドライヴ』にも出るし、
    ステージで歌う女の子は『ブルー・ベルベット』『ツイン・ピークス』だと
    ジュリー・クルーズがその役割を果たしてる。
    それとエレベーター前の床の模様とソファも一緒。

    そういえばエンドテロップにシシー・スペイセクの名前が出るんだけど
    この頃から交流あったんだろうか。
    『ストレイト・ストーリー』には出てたけど・・・。


    そんなふうに、絵画を鑑賞するような気持ちでだらーっと
    深夜おなか減ったんで、ポップコーンムービーさながら
    お菓子を食べながら観てたんですが
    途中で後悔しました・・・ぐろい・・・。

  • シュール過ぎて理解できない。

  • 絶妙に気持ち悪かった。
    よく分かんなかったから、眠かった。
    でも、こんな感じの訳分からん心の動きを抱えて、みんな生きてんのかなみたいなことは思った。

    多分、赤ん坊はあの人自身なんだろうな。
    半魚人とステージの女は心の闇と希望なんだろうな。
    くらいのことしか分かんない。

    あと、仮の頭が鉛筆の頭の消しゴム程度の価値がないってのは人間の知性なんてそんなもんよって言われてる感じあった。

  • あらゆる生活音が拡声されて聞こえてくる。また随所にノイズのようなものが入る。これはヘンリーの頭の中で聞こえるいわゆるオフの音なのかな?或いはヘンリーには生活音がこう聞こえるのか。いずれにしても、絶えず吹き続ける強風の音、ヘンリーの赤ちゃんが口をパクパクさせるときのぬちゃぬちゃっとした咀嚼音や泣き声を聞いているとかなり不安で追い詰められた気持ちになってくる。処女作にしてリンチの猟奇趣味が垣間見える。

    7月10日追記:町山智浩は『ブレードランナーの未来世紀』で、このノイズを耳を塞いだときに聞こえる「自分の頭の中の音」のようなものだと言っていて、なるほどなとうなずかされる。久し振りに耳を塞いだら確かに聞こえてきたよ。

  • B。マルホランドドライブやツインピークスなどに通じるモチーフがちりばめられている。全体の「なんか夢見そうな」感じも通じるものがある。

  • 頭部のようなものがある軟体動物?生命体?、生まれ出た赤ん坊、登場人物、すべてがグロテスクな異形、異形、異形。

    なんというか、すべてをここまで異形化して映像化せずにいられないほどデヴィッド・リンチ本人にとって、子供ができて育てていかなくてはいけないという現実は、青天の霹靂でおそろしいまさに究極のアイデンティティ・クライシスだったのだな、と・・。

    とにかく無茶ぶりのように場面が展開していき、余計な説明シーンはない(そもそも低予算だし)から、見る側が意味を構成していくことになる。でもメタファーめいたものはリンチの十八番というかちょいちょい出てきて、謎解きに誘われる。

    幸い、今はインターネット社会。他に見た人がどう謎解きしているかを確認できるようになった。それも、この作品をはじめリンチの作品の二次的な楽しみ方のひとつかもしれない。

  • ノイズ、暗い映像、鬱陶しいキャラクター、険悪な人間関係、赤ちゃんの化け物、密閉された空間、緩慢な進行、不気味で不条理な展開、我慢大会のような映画。概ね全てのシーンで五感を通じた何らかの醜悪さや悪意が表現されているところが逆に凄い。お前の表現したかったことはこれかとリンチ監督に突っ込みたくなる。ただ、役者の迫真の演技や、七面鳥や赤ん坊の化け物の常軌を逸した作り込みに、執念にも似た丁寧さも感じる。フェリーニのどこかほんわかした夢と比べて、こっちは嫌がらせに近い悪夢、真夏の夜の淫夢といったところか。鉄棒をくるくる回してるちん毛の首が取れて、中から胎児が生えてきて野獣の咆哮あげるシーンほんとすこ。最後、おもむろに赤ちゃん殺すシーン大草原。

  • ERASERHEAD
    1977年(1993年) アメリカ
    監督:デヴィッド・リンチ
    出演:ジャック・ナンス

    ツイン・ピークスが流行った影響でデヴィッド・リンチのデビュー作が完全版で上映。もじゃもじゃ頭の男が、カノジョと結婚するも、奇形の赤ん坊により新婚生活は破綻、次第に奇妙な幻想と妄想に悩まされるようになる。モノクロームの不条理劇。終始、空調の低い音がブーーーーンと響いていたのを妙に覚えている。

    (1993/11~)シネマライズ渋谷

  • 叔父が私に与えてくれて出会った衝撃作。
    メインビジュアルの男を中心に、リンチ氏特有の狂っていて、でも癖になる独特で難解な世界が展開される。
    刺激に弱い人にとってはトラウマにしかならないだろうが、耐性のある人にとっては私のように、事あるごとに頭の中で映像が思い出される程、はまってしまうこと請け合いである。

  • 微睡んで観るのが心地よい。あの赤子ホンマなんなんやろ。

    くぅちゃんのコントはリンチみたいやと。おぎさんうまいことゆう。

全61件中 1 - 10件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×