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- / ISBN・EAN: 4933364710086
感想・レビュー・書評
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ビクトル・エリセの映画って、家族でも家族じゃないみたい。人それぞれが、家族にさえ届かない内奥を持っていることをすごく伝えてくる。私にはそれが怖い。
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スペインの内戦などの歴史背景の知識は全くなく、単純に娘と父親を巡る物語として鑑賞。最初から最後まで静謐な雰囲気の映画だった。音楽も雰囲気に馴染んでいてよかった。映画のひとつひとつのシーンが絵画みたいできれい。父親はどこか陰のある、物憂げな雰囲気。映画終盤で父親と娘がレストランで会話をするシーンは、なんだか父親がとても寂しそうだった。娘が成長して、父親だけが過去にぽつんと取り残されているような。父親の孤独が伝わってきた。繊細な人なんだな。少女の成長とともに、時間も経過していって、家が古びて、薔薇のアーチが枯れていたり自転車が壊れていたり、そういう描写が寂しい。とてもうつくしくて繊細な映画。主人公の女の子がずっと薬指にしていた星の指輪には何か意味があるのかな。初聖体拝領のシーンが幻想的だった。
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「ミツバチのささやき」よりも本作の方が好きでした。
小さい女の子の目をを通してかかれた一人の男の人生(父親)の謎を追いかけて行く様が独特の静寂な時の流れの中で淡々と語られる。映画館へ父を追いかけて行くところが好きです。
この淡々としながらも心温まる感じが良いです。
画面がとにかく綺麗。匂いや気温が1つの画面内に絵画的に収まっています。
ビクトル・エリセ監督も作品は一般的なスペインのイメージと違うのは北のカトリックヨーロッパ的な雰囲気を色濃く映し出しているからでしょうか?
エリセ監督から見る‘南’のスペインは同じスペインながらも異国なのかなと思います。 -
丁寧に静かに紡がれる、父と娘の物語。
光と闇をこんなに美しく撮れる方はそういらっしゃらないんじゃないかしら。
使っている俳優陣も良かったし、画も音も美しかった。
表情が良かったです。
ミツバチ~は思わず息をひそめるような静かさをもった映画だけどこの作品はそっと見守りたくなる感じ。 -
寡作な映画監督ビクトル・エリセの2作目。
父と子の生活を静かに映してるだけなのに本当に映像が綺麗で退屈せずに見てられる。やがて知る父の秘密と、その時成長した少女の取る行動、そしてラストがまた余韻を残す -
EL SUR
1983年 スペイン
監督:ビクトル・エリセ
出演:オメロ・アントヌッティ/ソンソレス・アラングーレン/イシアル・ボリャン
「ミツバチのささやき」と二本立てでリバイバル上映したときにシャンテで鑑賞。個人的には「ミツバチのささやき」のほうが好きなので、こちらは地味目の佳作という印象。
昔の恋人をいつまでも思っている父親と、それを見つめる娘。たぶん父と娘という関係性に自分は思い入れがない=感情移入や共感をしづらいから、深く入り込めなかったのだと思う。
(1993/2)シャンテシネ -
レンブラントの絵のような光と影の演出が美しい。ミラグロスみたいな存在がわたしにもいたらいいのに。
ストーリーは原作のほうが好き。女の子が父から受け継いでいる性質と二人の絆が濃く強く表現されていたから。 -
最期、枕の下の振り子、お父さんなりの愛情だったと思う