デッドマン・ウォーキング [DVD]

監督 : ティム・ロビンス 
出演 : スーザン・サランドン  ショーン・ペン  ロバート・プロスキー 
  • パイオニアLDC
3.67
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102716417

感想・レビュー・書評

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  • ショーシャンクのティムロビンスの初監督作品。主演は、ティムの妻スーザンサランドンとショーンペン。
    死刑廃止論者である修道女ヘレン・プレジャンのノン・フィクション作品を映画化。
    難しい題材を軸に、囚人カウンセラーと死刑囚の交流を、ただ観る作品。エンタメ性など全く無い。宗教感が強く、宗教をなぞれる。こう面白いと、また原作を読みたくなる。

    「デッドマンウォーキング」。まず、表題の意味さえ知らなかったのが逆に良かった、この台詞が出て意味を知った時のショック、ゾワゾワとした居た堪れない、何かが千切れそうな、名前のつけがたい感情との邂逅。堪らん。

    「最も悪しき行いをしても人間には価値がある」
    イエスも、最初は反逆者と呼ばれたのよね。でも結果、愛は世の中を変えていった。

    死刑制度の是非云々では無く、シスターヘレンの愛の示し方。
    最初、嫌がっててんよね。何で、周りに叩かれながら、凶悪犯の死刑囚の味方をしてるんやろ?って。

    好きな事ばかりじゃなく、嫌々ながらも何かをするということ。は、やっぱり必要だなと思った。

    本作で、スーザンサランドンはアカデミー主演女優賞を獲得、文句なしの完全な演技。
    しかし、ショーンペーンは何者にでもなれるね。オムツしててもセクシーなんて悍ましい。
    肉迫したカメラワークに負けぬ表情のみの演技。その演技力とオーラが輝きたるや。

  • (1)主題
     信仰よりも身近な誰か
    (2)示唆
     死刑直前、死刑囚が罪を告白するシーンが山場。「神を感じても聖人になれる人間は少ない」とあるように、心を開いたのは、信仰の結果ではなくシスターとの交流の結果だ。わずかだがシスターの罪(動物の虐待)の回想シーンがあり、当時の罪の意識や他者との触れ合いが、シスターという職業選択に影響したとわかる。最終的に自分を支え変えてくれるのは、宗教や信仰などではなく信じてくれる身近な誰かなのだろう。
    (3)行動
     どんなときも自分を信じてくれる身近な誰かがいる。その人を大切に。週に1度は、家族にメールしよう。
      
                           以上

  •  アメリカの死刑制度を題材にしたノン・フィクションの映画化。主演はショーン・ペン。『イントゥ・ザ・ワイルド』の監督でもある。奇しくも『ミスティック・リバー』では、娘を殺されて復讐に取り付かれる男性を演じている。
     死刑に賛成か反対かと言えば、賛成ではある。意見はこの映画を見た後も変わらない。大学の講義でこの映画の一部を見た後も意見は変わらなかった。しかし死んで当然とまでは思わない。仕方のないことなのだ。例えば、現代日本では受刑者の高齢化が問題になっていると聞く。中には自分が何の罪で服役しているのか忘れ始めている者もいるという。受刑者にとって、より重い罰を与えるべきなのか、より人道的な罰を与えるべきなのかは分からない。だが重罪人にとって、死刑と終身刑、無期懲役に大きな差があるとは思えない。飼い殺しと大差ないからだ。死刑は嬲り殺しと大差ない。実際に暴力を振るう訳ではない。だが受刑者を追い詰めていく点は変わらない。殺される現実を自覚させながら殺しているのだ。だが終身刑や無期懲役が死刑と差があるほど人道的とは思えない。ボケが始まって何故自分が受刑しているのかを忘れた者、忘れていない者でさえも、気の遠くなるような長い日々を償わせるのは、一種の暴力に過ぎないと思うからだ。もし違いがないのであれば、わざわざ死刑を無くす必要はないと思う。どちらも十二分に重罪に相応しい刑罰である。ならば人々が死刑を必要とする限りは、存在せざるを得ない。『ミスティック・リバー』のジミーやこの映画の被害者の遺族が憎しみを抱く以上、死刑は存在しなければならないのだろう。受刑者には憎しみを受け止める義務と責任がある。生者と正義の傲慢だったとしても、死刑制度は必要だ。死神だとしても、人を統べる神は必要なのだ。

  • 冤罪が逆転したりとかいう派手な展開のある映画ではありません。静かだけどエモーションがみなぎっている。そんな映画。

    主人公である修道尼の視点での死刑反対意見、被害者の家族の視点での死刑肯定意見をバランスよく描き、「そして、あなたはどう考えるの?」と問いかけてくる。なかなかキツいです。ショーン・ペンの死刑シーンはリアルすぎて(薬剤投与による安楽死)、これ見たら落ち込むこと間違いなし。

    死刑囚のショーン・ペンの、反省してるんだか開き直ってるんだかわからない煮え切らない態度にはイライラさせられますが、死の恐怖に直面して揺れまくっている男の姿としては、これが「リアル」なんでしょう。そもそも彼を助けようとするスーザン・サランドンだって、自分の行いが正しいのか揺れまくっている。彼の死刑が正しかったのか、すぱっと割り切れる答えもありません。これもまた「リアル」なんでしょう。

  • ショーン・ペンが若い。今のショーン・ペンと声が全然違う。

  • 死刑囚と尼の心境の変化が描写され、登場人物それぞれの立場だったら自分はどうするかと想像を巡らせる良作。

  • シバニーウィーバー主演の死刑制度の是非を映画化した作品。被害者と被告その両方の視点から物語をみせられ、死刑判決に至るまでを映画にしています。これをみると死刑が正しいのかどうか考えさせられます。安易に死刑反対や安易に死刑容認という人が見てどのような反応をするか聞いてみたい

  • 制作年:1996年
    監 督:ティム・ロビンス
    主 演:スーザン・サランドン、ショーン・ペン、ロバート・プロスキー、レイモンド・J・バリー
    時 間:128分
    音 声:英:ステレオ、日:ステレオ


    ルイジアナ州ニュー・オーリンズ。セント・トマスの希望の家で働くシスター・ヘレンは死刑囚、マシュー・ポンスレットから何度か手紙を受け取る。
    マシューは相棒と二人でカップルを惨殺し、州立刑務所に収監されていた。
    死刑囚と会うのは初めての経験だったが、ヘレンはマシューの求めに応じ刑務所を訪れ、彼と面会する。
    傲慢で冷酷そうなマシューは印象こそ悪かったが、共犯者が無期懲役なのに、不利な証拠が重なって彼だけ死刑が確定したという事実に彼女は疑問を持つ。
    しばらく後、マシューから死刑執行の日が決まったという焦りの電話を受けて、ヘレンは特赦審問会請求のため弁護士ヒルトン・バーバーに協力を依頼。
    ヒルトンの説得により、彼らはマシューの母親を審問会で証言させ、万座の同情を得ようとしたが、努力も空しく嘆願は却下。
    残る手段は知事への直談判だけとなり、ヘレンは彼の精神アドヴァイザーとなることを承諾。
    ところが彼女はそこで、居合わせた被害者の遺族から非難を受ける。
    ショックを受けたヘレンは、殺されたカップルの青年ウォルターの父親デラクロワ氏、娘ホープ・パーシーの両親を相次いで訪問。
    愛する家族を惨殺され、怒りと悲しみをあらわにする彼らを前に、彼女には言葉がない。
    そんな執行の日が近づく中、ヘレンはマシューの精神アドヴァイザーとして、彼と毎日数時間をすごし、彼の心に少しでも近づこうと努力を続ける。マシューは人種差別発言や犯行否認を相変わらず繰り返し、ヘレンを憤慨させたりしたが、そんな彼も家族には思いやりをみせ、ヘレンには心を開きはじめていた。
    死刑当日。
    刑の執行の午前0時まで、知事への嘆願の返事を待ち続ける二人。
    結局、上訴審は却下。
    死にゆくマシューに勇気を与えられんことを…と、ヘレンは神にひとり祈る。
    最後の面会。マシューはヘレンからあずかった聖書に名前と日付を入れ、彼女に渡す。マシューはヘレンに、犯行の事実を告白した。
    「ウォルターを撃って殺したのは自分だ。レイプは自分もしたが、ホープを刺したのは相棒だ。今は二人の死に責任を感じる。昨夜は二人のために祈った」
    と。
    午前0時数分前。
    マシューは迫りくる死の恐怖のためかすすり泣いた。
    そしてついにその時が。
    ヘレンは護送されるマシューの肩に手をかけ、最後まで付き添う。
    処刑台に縛られたマシューの最後の言葉は、処刑に立ちあった被害者の遺族への謝罪だった。
    マシューの葬儀。
    彼はヘレンらの教会の墓地に葬られた。

  • マシューの言動にリアリティーを感じない。

    自分の家族を思いやれる人に、見ず知らずの人を殺せるものだろうか。

    死刑囚として過ごした6年間で、人が変わったって事かな。

  • 裁判で有罪無罪を問うこと、その量刑を量ることは、事件の真相の究明や、罪をあがなうこととは別のことである。特に、死刑の周りにおいてはそれが顕著かも知れない。生と死と、極刑か否かの、けして折合いの付かない状況では、加害者も、被害者も、共にその罪と向き合うことの難しいだろう。故に、刑が執行されてなお、罪は罪としてそこにあり、当事者たちを苛み続けるのだ。

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