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- / ISBN・EAN: 4988101096565
感想・レビュー・書評
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ステイホームで、多くの芸能人が自宅から様々発信してくれています。
今日観た中村倫也さんの「中村さんちの自宅から。2」
その中で、中村倫也さんが好きな映画としてまず最初に挙げていた作品です。
わたしと同世代の中村さん。間違いなく窪塚世代だ。彼のカリスマ性といったら。
やっぱり窪塚の演技はすごいですね。すぐに引き込まれて、あっと言う間に2時間経ってました。
最初の窪塚のキックで「ヒミズ」を思い出しました。
ところで、最近わたしが邦画を見ると、なぜ必ずと言っていいほど新井さんが出てくるのでしょう。
わたしの知人にも在日韓国人の方がおり、彼女のことは大好きだ。とても。彼女といる時に、特に彼女を在日韓国人と意識したこともないし、国籍が違うからなんなのだ、と思う。だから、作品を観ながら「わたしも国籍とか気にしないけどな」って、そんな風に思って観ていたのだけれど、もっと、根深い、自分が想像すらしていなかったものが横たわっていた。わたしはきちんと、歴史を理解していない。無知な自分を恥じた。「国籍なんて関係ない、気にしない」、確かにそうかもしれない。でも、それが本当は何を意味するのか。戦争が憎い。歴史が、こんなにも個々の人間関係に影を落とす。「国籍なんて関係ない」、言うことは簡単だ。でも、この作品を観て、また、歴史を振り返って、「関係ない、気にしない」と発していい側の人間なんだろうか、とそんなことも思った。
わたしは生粋の日本人だ。国籍とか、制度とか、日本が決めた制度については、日本人であることを証明しなくても(例えば、住民票発行に日本人証明書は必要ない)、制度を利用することができる。それは自分たちが自分たちの国に、しっかりと守られている証だ。
国籍というのは、アイデンティティを形成する、その一番根っこにあるものだ。そこを揺るがされるということ。それを理由に傷つけられるとしたら。「殴られる前に殴るのは、知性」。作中に出てきたこの台詞が、最後まで観ると、ずっしりとのしかかる。
暴力は、罪だ。
でも、無知と偏見だって、罪に等しい。いや、罪だ。
そして、人間である以上、その人の意思・選択・自由・尊厳を、誰かが奪うことは、決してあってはならない。
※このレビューを観て下さる方の中にも、様々な背景があるはずで、その中には国籍や名前などにコンプレックスを持っている方もいらっしゃると思います。このレビューを、すごく不快に思う方がいらっしゃるかもしれない。それはわたしの想像力・言葉にする力が足りていないだけです。嫌な思いをしてしまったらすみません。そしてどうか、そうした思いをお持ちになりましたら、教えていただけますと幸いです。 -
山崎努と大竹しのぶの夫婦の仲がいい塩梅。
在日って言葉が「いつか日本を出て行くよそ者」って意味合いを持つことが意識したことないことだったから、当たり前のように使う言葉の意味合いを考えるのって大事だと思った。
日本人同士でも伝えたいことの半分も伝わってないことは普通にある。普通に会話できて意思疎通できてるって思ってても伝わってない。齟齬がある。
国籍も人種も関係なくただ単に人と人が心を通わせられたらそれだけで奇跡みたいなものだと思う。
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劇場公開以来久々の視聴。ちょうど在日韓国人のことを勉強していた頃だったので、えらく感銘を受けて原作まで読んだのでした。
青春映画としても十分面白いんですよ。父親との対立、進路の悩み、恋人との悩み。青春映画のコンテンツとしてはどれも定番ですけれど、そのどれもに在日コリアンとしての出自が影を落とす。在日コリアン1世と2世、韓国籍と朝鮮籍、それぞれのメンタリティや抱えている課題などの違いに言及しているところも見逃せない。この袋小路の中でどう主人公が突き抜けていくのかが本作の見所。
それにしても十数年ぶりに見るとなると、いろいろな発見がありますね。窪塚洋介の演技はびっくりするほど拙いけど、エネルギーとカリスマに溢れています。柴咲コウもびっくりするほど魅力があります。通りがかりの巡査(萩原聖人)とのやりとりが意外と印象に残り、新井浩文を認識したのは本作が最初だな、と。ジョンイルが助けた女子生徒が水川あさみだったことにも驚き。
「GO」(小説)
http://booklog.jp/users/myjmnbr/archives/1/4062100541 -
民族学校
総括
自己批判
日本語禁止
労働者
「僕らは国なんて持ったことありません」
待ち合わせ場所は国会
指紋押捺制度
「あくまで恋愛映画です」
複雑でデリケートな問題を恋愛映画にのせて
校門を軽々と飛び越える
最後は少し引っかかる
白線の上だけを通り
たどりついたのは純日本人の家 -
レンタル/国境、差別と偏見。そして恋。自分が何人でどこに住もうがやっぱり自分は自分でしかなくて、どうせこの世界の枠組みの中で生きるならそこに重点を置きたいなと、向き合わないと と、改めて思いました。何度でも何度でも観たい作品。それから、他人に受け止めてもらいたい気持ちが強くなった。。なんかわかんないけどとても人恋しくなる。
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映画化して原作よりよくなることはすくないけど、これは原作に肩を並べる数少ない映画だと思う。
大事なのは、短い時間しかない映画のなかで、何をすくいとって強調するか、そして何を省くのか。
この映画は、在日韓国人というテーマを最小限にとどめて、恋愛に焦点をあてていて、それがよかったと思う。
これはあくまで「僕の恋愛に関する物語」で、たまたま主人公が在日韓国人で、たまたま日本の女の子と恋に落ちてしまったというだけ。
在日問題に対するその無知さ、向こう見ずさが、観客と同じ視点になって、主人公と同世代の若い世代に響いたのかな、と感じました。
だから、人生論というか、自分の考え方に影響を与えてくれるのは原作なんだけど、
杉原と桜井の描写は、映画のほうが文句なしによかった。
目と目が合ったピリピリした空気
ぎこちない距離のつめかた
国会議事堂で待ち合わせるデート
白線をたどるだけの散歩
あー杉原とデートしたいなぁ。こんなひと、どこかに落ちてないのかな…。
IWGPのキングもいいけど、やっぱり窪塚洋介はこれが最高。
オープニングが何度見てもしびれます。 -
偶然観た。
在日外国人の現状を、歴史とかを交えず若者の感覚で描いてある。
本編で窪塚も言ってたようにこれは「恋愛映画」
だから窪塚カッコイイィ~って思っちゃったし、恋がしたい~って思った。
偏見は教育でつくられる
生まれたときは誰も誰に対しても偏見なんて持たずに生まれてくる。
国籍だけじゃなく、全部全部全部偏見をなくせたらいいなと思う。
輪の中から出て自分の拳で突き破ってやる
そういう気持ちを少し取り戻せた。
あぁ、それにしても恋がしたいね -
窪塚の最盛。これは熱かったし、彼はかっこよかった。在日の底なしの不安定さがテーマなんだけど、結局は俺は俺なんだよって事がメッセージでしょうか。でもこれは当人からすれば深刻ですよ。自分がうまれたくて生まれた訳じゃない。人間いつだってそうだけど、差別を受ける側に生まれついたのなら脱却のための叫びも必ず必要だと思う。暴力で抜け出せるほど簡単じゃないし、権利を主張してもそれがどうしたって事になるし。この映画はそういう視点を覗かせてくれ、かつスタイリッシュな良作。ルーキーの頃の柴崎コウにも注目。
こんにちは、はじめまして!
コメントありがとうございます!
中学生の頃にこの作品に触れていらっしゃるとは…素...
こんにちは、はじめまして!
コメントありがとうございます!
中学生の頃にこの作品に触れていらっしゃるとは…素晴らしいですね。とても多感な時期です。
Keita A.さんがおっしゃる通りで、今の黒人差別問題や、単純な「差別はいけない」だけではない複雑性を含んでいます。いかに自分が上っ面しか見ていないか、そういった問題にも目を向けさせられました。
深みのある、素敵なコメントありがとうございました^^
これからもよろしくお願いします♪
こんにちは^^コメントありがとうございます!
とても嬉しいお言葉を、ありがとうございます。わたしも「無知と偏見は罪に...
こんにちは^^コメントありがとうございます!
とても嬉しいお言葉を、ありがとうございます。わたしも「無知と偏見は罪に等しい」と言っておきながら、相手のことを知りもしないのに知ったような態度を取っていることや、知らずに心無い言葉をかけていることがあるのでは、と日々反省ばかりです。そのような態度をとる前、言葉をかける前に気がつけばよいのですが、なかなか難しいもので…わたしはどうしても自分が傷つきたくなくて自分をわかってほしい、という気持ちが前面に出がちです。creerさんはそれに加えて、他者をわかろうとする努力をされているので、素晴らしいなと思いました^^わたしもcreerさんを尊敬します!!
他者の理解はとても難しいですよね。
大切な気付きをいただきました。ありがとうございました!