網走番外地 [DVD]

監督 : 石井輝男 
出演 : 高倉健  丹波哲郎  南原宏治  嵐寛寿郎 
  • 東映ビデオ
3.47
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988101096664

感想・レビュー・書評

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  • 今さら観て、あまりの面白さとテーマの深さに震えがきた。この歳になってもまだそんなことあるんだなあと自分でもびっくりしました。

    この『網走番外地』という映画について、任侠映画、ヤクザ映画、バイオレンス映画だと多くの人が勘違いしてるんじゃないかなあと思う。私もちゃんと観るまでは若干勘違いしてた部分がありました。(事前情報として、1は白黒で脱獄ものだということだけ知ってた)

    ジャンルで言うと、この作品は「アクション・ドラマ映画」です。
    1965年公開なので、もう54年も前の映画。私の父親が高校生の頃です。そんなに前の映画なのに、映像や撮り方が全く古くなってない!ここが恐ろしいところ。非常に現代的な作品。(50年代と違って、この頃の白黒映画って非常にキレイです)

    この映画の面白い点。

    ひとつは先ほども書いたアクションの娯楽性。
    これはもう観てみたらわかるとしか言えません。これ観たら、『インディジョーンズ』がもうほんとガキの遊びにしか思えなくなってきます。

    ふたつめはドラマ性。
    これ実は『ダークナイト』みたいなテーマになってる作品だと思う。外部サイトとか色々探してみたけど、そういう事言ってる人がほとんどいなかった……ので、私が言います。

    元ネタはアメリカの『手錠のままの脱獄』っていう映画だそう。これは観たことないけど、黒人と白人の囚人が手錠で繋がれたままで……という話らしい。石井輝男監督がこの部分のアイデアをそのままパクった、頂いちゃったのが後半の部分。

    こちらは「黒人と白人」というのが重要なのに対して、日本なので人種の話ではなくなる。
    ではどういう話になってるかというと。主人公の健さんと、鎖で繋がれてるもうひとりの囚人(南原宏治)って裏表の関係。同じ人間の光と闇、善と悪。(物語の冒頭とラストがそういう構造になってる)

    健さんは主人公だから善と一応書いたけど、この人は罪人なので完全な善人ではない。心が弱い人間なんです。
    これは観ている我々と同じで、「弱いところもある普通の人間」。この映画の前の、任侠映画の健さんは「耐え忍ぶヒーロー」。特撮で言うとサナギマン&イナズマンみたいな。
    『網走番外地』って、健さんをカッコいいヒーローとして描いてません。そこがポイント。

    南原宏治は健さんをそそのかす蛇や悪魔のような存在。「お前も本当はこうしたいんだろ?」と。脱獄したり、酒飲んだり、劇中ではカットされてるけど、強姦したりと、欲望のまま動く。要するに、ひとりの人間の中での相剋、葛藤する話。
    健さんはとあるシーンで、この欲望に負けそうになる。賭けみたいになるんだけど、そこで皮肉にも……という展開。

    石井監督がここまでのテーマ性を狙って作ったのか、たまたまそうなっただけなのかは私にはわかりません。ただ、この部分があるからこそ、私はこの映画に対して単なる娯楽映画以上のものを感じます。だからグッとくる。

    もうひとつの要素はコメディ部分と、囚人たちのキャラクターの面白さ。
    田中邦衛、安部徹、潮健児、そしてアラカンさん。ここのキャスティングが絶妙。潮健児さんは地獄大使のイメージしかなくて(一応メフィストもあるか)、メイクしてかぶり物してるから今までわからなかったけど、顔が長くて阿藤海みたいで面白い。


    東映の映画に対して先入観で誤解してたり、誤解ゆえの偏見がある人、苦手意識を持ってる人ってけっこういると思う。それはわからないでもなくて、まずこのDVDのパッケージのデザインとか見ると、そういうイメージにどうしてもなるよねと。
    でも実際に観てみると全然違うし、いま女性が観てもめちゃくちゃ面白いと思う。

    健さん主演作だと、私が観た中だと一番のおすすめは『網走番外地』と『野生の証明』。
    『野生の証明』はどちらかというとやはり男性におすすめって感じ。女性だと『遥かなる山の呼び声』と『幸せの黄色いハンカチ』かなと。この山田洋次の二本は私も好きではあるけど、若干納得できない部分があるので、ベスト1作品にはならないですけど。

  • 耳なじみのあるこのタイトルですが未見。
    ただの先入観として
    高倉健が出てて・・・
    網走刑務所に入って・・・
    何か悪い奴らがごにょごにょとして・・・
    斬った張ったの捕り物があって・・・

    タイトルだけでこんなイメージのまま
    今日の今日まで参りました。
    北野映画とイメージ重なる感じ。
    しかしながら全く別物でした。

    ビックリ。
    コミカルで人情物語でアクションシーンもはさみつつ
    さっくりとしたエンタメ映画でした。
    健さんの魅力は人間味。
    義理人情に厚いところにグッときます。

    昭和の映画全盛期の頃の映画を知らずにいるのは勿体無い。
    今でもけっこう楽しめますね。

  • トロッコ列車でのチェイスシーンが割にスタイリッシュで面食らう。

  • 時間があれば

  • 制作年:1965年
    監 督:石井輝男
    主 演:高倉健、南原宏治、待田京介、田中邦衛、安部徹、嵐寛寿郎、丹波哲郎
    時 間:92分
    音 声:日:ドルビーデジタルモノラル


    網走刑務所に二人一組の手錠につながれた新入りの囚人たちがやってきた。
    そのなかの一組に橘真一と権田権三の二人がいた。
    貧農の生れの橘は、義父・国造との仲がうまくいかず家をとびだし、やくざの世界に足を踏みいれ、親分のための傷害事件で懲役三年を言い渡されたのだった。
    一方、権田は前科五犯のしたたかものだ。
    二人が入れられた雑居房には桑原、依田の古参囚人に混り初老の阿久田がいた。
    依田は殺人鬼・鬼寅の弟分と称して房内を牛耳っていた。
    こんな依田に権田は共鳴し、橘はことごとく反抗した。
    そんなある夜、依田と権田がしめしあわせて橘に襲いかかり、乱闘騒ぎが看守に発見されて三人はそれぞれ懲役房に入れられた。
    そんなとき、妹の手紙が舞いこみ、橘は母が義父・国造の虐待で病床に倒れたことを知った。
    橘は国造への怒りを森林伐採の斧にたくして懸命に働いた。
    そんな橘に、以前は同じみちをたどったことのある保護司・妻木は親身の世話をしてやるのだった。
    が、そのころ雑居房では依田、桑原、権田の三人を中心に脱獄計画が進められていた。
    だが決行寸前、阿久田の裏切りで脱獄計画は崩れ去った。
    殺気だつ房内で阿久田は自分の正体をあかした。
    以外にも阿久田こそ、殺人鬼として恐れられた鬼寅だったのだ。
    数日後、山奥に作業に出た囚人たちは、護送トラックから飛び降り脱走を計った。
    橘も権田に引きずられて路上に叩きつけられた。
    二人は手錠でつながれたまま雷の中をひた走った。
    一方、妻木は橘に裏切られた怒りを胸に二人を追った。
    汽笛を聞いた二人は線路に手錠の鎖をのせ汽車に鎖を切らせた。
    しかし権田は反動で谷間に落ちた。
    はそんな権田を捨てきれず、追ってきた妻木と共に重傷の権田を助けて病院に犬橇を走らせるのだった。

  • 言葉として知っている「網走番外地」。こういう映画だったのか。時代かなあ、これが受けたんだ。セリフのしゃべりかたとかとても古い感じがした。刑務所は全部個室にすべきじゃないかと思った。

    1965
    2018.6.26wowwowプライム

  • 真っ白な大雪原の大脱走はモノクロでこそ良かったと思う

    キャラ配置と人情話からの大脱走劇のスペクタルを構成した脚本が面白かったー
    特に嵐寛寿郎の大立ち回りにはグっと心つかまれ
    クライマクッスの脱走劇は本気で命がけでドキドキハラハラ怖いんだけど目が離せなかった

    田中邦衛さんのキャラクターはどの映画でも面白いなー

  • あんな悲惨なところから、あんな良さげな展開(撃たれた看守除く)になるなんて、ハッピーエンド力高すぎ。
    丹波哲郎が、実は高倉健の母親の体が良くなったというハガキを読んだあと、高倉健の傷害罪の書類を持ち上げるところの繋ぎ方が気持ちいい。

  • まぁまぁ

  • 高倉健 若い

    その名~も 網走~番外~地~♪

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