昭和歌謡大全集 [DVD]

監督 : 篠原哲雄 
出演 : 松田龍平  池内博之  斉藤陽一郎  村田充  近藤公園  安藤政信  樋口可南子 
  • バンダイビジュアル
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  • / ISBN・EAN: 4934569618986

感想・レビュー・書評

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  • 2003年 日本 112分
    監督:篠原哲雄
    原作:村上龍『昭和歌謡大全集』
    出演:松田龍平/安藤政信/池内博之/岸本加世子/樋口可南子/鈴木砂羽/市川実和子/古田新太/原田芳雄

    なんとなく知り合い、なんとなくつるんでいる、イシハラ(松田龍平)スギオカ(安藤政信)ら6人の若者たち(池内博之、斉藤陽一郎、村田充、近藤公園)いきがっていつもナイフを持ち歩いているスギオカは、ある日擦れ違いざまにぶつかって謝らなかったオバサン(内田春菊)の後をつけ、ナンパするが言い争いになり、思わずナイフで切りつけてしまう。彼女=ヤナギの遺体を、仲良しのヘンミ(岸本加世子)が発見。現場でみつけたバッヂを手掛かりに、ヘンミら「ミドリ会」(全員名前がミドリでバツイチ)のメンバー(樋口可南子、鈴木砂羽、森尾由美、細川ふみえ)はヤナギ殺害者への復讐を決意し…。

    原作は村上龍、1994年の作品。6人の若者と、6人のオバサンが復讐に復讐を重ねて殺し合いを繰り広げるバトルロワイヤル。警察は何やってんだ、なんてツッコミを入れるのは野暮というもの。殺し合いというと凄惨な感じだが、作品全体に漂うのはコミカルな空気、若者もオバサンもそれぞれの苦悩を抱えつつ、いたってあっけらかんとしており、罪悪感とは無縁。ゆえに起こっている事象はあまり深刻に受け止めず、ブラックコメディだと思って観ればなかなか楽しかった。

    タイトル通り、随所に歌がちりばめられている。コスプレして昭和歌謡を歌うのが趣味の謎の若者6人組は、のっけから「恋の季節」を歌って踊る。棒読みならぬ棒歌いとでもいうのか、無表情な松田龍平がピンキーのコスプレ&メイクで歌う姿のシュールさ。その後も章ごとに歌のタイトル、そしてカラオケから鼻歌まで、各所で登場人物たちの歌が差しはさまれる。

    さてミドリ会仲間の内田春菊が殺されたあと、岸本加世子らは犯人がどうやら安藤政信であることを突き止める。作戦を練り、バイクに乗れる鈴木砂羽が、ダスキンモップの先にナイフを括り付けて、立ちションする安藤政信を一突き、颯爽と走り去る。

    安藤政信は仲間たちに内田春菊を殺したことを自慢しており、仲間たちはきっと安藤政信を殺したのはオバサンの仲間たちだと見当をつける。殺害現場近くの女子寮に住む、霊感があるらしき変な女子大生スガコ(市川実和子)の目撃証言などから、手を下したのは鈴木砂羽だとわかり、若者たちは、復讐に使うトカレフを買うため、埼玉と茨城の県境にある金物屋にむかう。

    金物屋の店主(原田芳雄)は、オバサンと戦っている彼らと意気投合し、彼らにトカレフを売る。この原田芳雄が、なぜかオバサンという人種に恨みがあるらしく、ミソジニー発言を繰り広げるが、「人類が滅亡してもゴキブリは生き残ると言われているが、あれは嘘だ。生き残るのはオバサンだ」というセリフなど、むしろ褒め言葉と受け取っておく(笑)

    その頃オバサンたちは、復讐成功を祝いホストクラブで打ち上げをしているが、イケメンホスト(内田朝陽)と良い雰囲気になった鈴木砂羽が、服を脱がされた途端に、背中に貼っているピップエレキバンがバレて振られてしまう。落ち込んで一人帰り道、夜の神社で泣いていた彼女を、トカレフを持った若者の一人が撃ち殺す。

    ピップエレキバンのシーンは大変切ないのだけど、この後彼女の死亡を伝える新聞などに33歳とありビックリ。まあキャスティングみた時点である程度そうかなと思ってたけど、オバサンと言いつつ彼女ら、実はせいぜい30代。2020年現在なら、おそらくそれほどオバサンよばわりはされない年齢だ。現に映画の中の鈴木砂羽はスタイル良くセクシー、元アイドル森尾由美、元グラビア細川ふみえは、疲れて見せているが十分可愛いし、最年長・樋口可南子は年齢に関係なく常にクールビューティ。いわゆる「おばさん」感が出てるのは岸本加代子くらい。でも90年代前半くらいは、25歳過ぎたらクリスマスケーキ呼ばわり、30代で即おばさんよばわりされる空気が確かにあった。

    さて、またしても仲間を一人殺されたオバサンたちは、さらなる報復を加えるべく、元自衛隊関係者(古田新太)から、ロケットランチャーを手に入れ、残る5人の若者を一挙殲滅しようと計画。深夜にまたコスプレで歌っていた彼らを襲撃、車で留守番していた松田龍平以外の4人を片づける。ただ一人生き残った松田龍平は、再び原田芳雄に相談して、なんと今度は核兵器を製造し…。

    前述したように、オバサンたちは実はそれほどオバサン年齢ではないが、すでにチヤホヤと若い女性のような扱いはされないのに、中途半端に性的な目では見られ、一発やらせてなどと軽々しく言い寄ってくる男たちの軽視や蔑視に耐えなくてはならない、悲哀はとてもよく描かれていた。図太くなくては生きられない。しっかりオバチャン年齢になった今の自分にはとてもよくわかる。

    彼女らの悲哀に比べたら、若者たちはただただ夢がなく目的もなくふわふわしていて、まあそんなもんなのかなと。若者VSオバサンという構図だけれど、男VS女にはなっていなかったので、そこは良かった。随所にちりばめられたギャグっぽいセリフも意外とちゃんと笑える。若かりし日の松田龍平と安藤政信も見れるし、総じて意外と面白く見れました。

  • 安藤政信が出てるから・・と観たんだけど、タイトルからドタバタコメディーかなって勝手に想像してて。
    そしたら若者とおばさんの殺し合いでびっくり。
    殺し合いのスケールも笑った。
    あまりにも非日常で最初は世界観に入り込めなかったけど役者陣がよかったせいか、どんどんその世界観にはまったわ。
    おばさんが害みたいな扱いは、おばさんとしてちょっと悲しくなったけどね(笑)
    あと安藤政信出演が最初の方だけだったのも悲しい(笑)

  • 原作読んでません。
    面白かったかは別として、スゴく過激で印象に残る映画です。展開も速くてついていくのが大変でした。日本映画の中でこれ程印象的なものはないんじゃないかと思います。「骨まで愛して」を聞くたびに怖いです。

  • 序盤の展開はかなりアツくて、これは期待できるんじゃないですかね!となるわけですよ。この狂気感はちょっと藤原竜也向けじゃねーかと思ったけど、松田龍平かぁ。時代は変わった。
    ともあれ、ダスキンの先にナイフくっつけて原チャリで突き刺すのとかは悪くない。現代の騎馬武者じゃ。利根川を渡ると、そこは群馬だった、というのも、まぁそれもまた良し。
    なんだけど、終盤から微妙にシリアスになって、最終的には、はいここから松田龍平さんの時間です、てな感じでねぇ。
    いやもう一歩なんだけども、残念。

  • 面白かったです。
    原作よりかなりまとも。映像はここまでか…!
    若者vsおばさん、昔は若者にわかる…となっていたけど、今やおばさんたちに共感します。
    というか、おばさんおばさん言ってるけど、ミドリ会は30代設定…辛い。
    「進化を止めると誰でもおばさんになる」は今も胆に命じています。

    イシハラの松田龍平さんもノブエの池内博之さんも若い。安藤政信さんは顔がいい。
    村田充さんの安定したヤバイやつ感。。でもボンテージ姿はさすがでした。
    ミドリ会のヘンミミドリの岸本加世子さん絶妙な可愛さ。スズキミドリの樋口可南子さんかっこいい。「ごきげんよう」と武器を発射するの、イイね!となりました。おふたり、上手い女優さんでよかった。
    市川実和子さんの女子大生、原作ではかなりひどい外見描写のキャラなのですが市川さんめっちゃ可愛くて好きでした。

    原作エピソードはかなり削られてて(細かい事やってたら収拾つかなくなるのはわかります、偏執的なので)、なんなら生き残るのはイシ君だけではないので、原作また読みます。
    狂っている文章が好きで、句読点あまり無いので読み始めると止まらなくて危険なのですが。

    しかしほんと、何故これを映画に出来てしまったんだろうか。すごい。
    原作も大変ですが、更に大変な続編があって、こっちはさすがに映像化は無理だと思います。これこそ。。国際問題です。

  • 退屈な毎日に飽き飽きしていたオバサンと無気力大学生が殺し合いを始めて生きる活力を見出していくというブラックコメディ。シュール過ぎるラストに度肝抜かれたw 村上龍原作らしいけどこれを映像化した監督制作スタッフ凄いと思う(笑)見所はopのピンキーとキラーズの恋の季節の龍平のつけ睫毛と安藤政信の放尿しながら惨殺されるシーンwww必見(笑)

  • 2010/

  • 村上龍の同名小説が原作。主演に松田龍平、共演に安藤政信や池内博之など当時はまだ若手の俳優陣を起用している。

    “とある若者が通りすがりのオバサンを刺殺したことから、彼らが属する若者集団とオバサン集団の間で報復殺人合戦が展開、ついには自衛隊から武器を調達するなどエスカレートしていく・・”

    予備知識はほぼ無しで観たがブラックコメディーで面白かった。副題はガキvsオバサン、オバサン(ガキ)をぶっ殺せ!といったところ。

    内容はただの復讐合戦なんだけど、とにかく復讐の手段がえげつないw 元はといえば安藤政信演じるスギオカが偶発的?計画的?に何の罪も無いヤナギを殺してしまうところから始まるんだけど、とにかく“死”の扱いが軽い。仲間が死んだということよりもどう復讐するかという部分に焦点が当たっており、次はどう殺す?何で殺す?って劇中のミドリ会の面々と同様にその部分にしか目が行かない。

    復讐の無意味さとかそういうことを説いているのかとも思ったけど、最後の殺傷兵器でもうこの映画は単純に殺すことを楽しむ映画なんだと解釈しました(笑) 全編に渡って使われる昭和の名曲もある種バカバカしさに彩りを加えていると思った。

    何年かしたらまた観たくなりそうな不思議な魅力のある作品。安藤政信ファンはいろんな意味で観といて損は無し!

  • シュールだったw

  • りゅうへいさんの何とも言えない歌声が聴けるレア映画。

    しかし中身はブラックジョークというか、グロいというか。


    好き嫌いが相当分かれるけど、あらすじ読めば大体分かるよね。

    変態的で独創的でワガママな映画です。

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