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- / ISBN・EAN: 4988135549600
感想・レビュー・書評
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トロイ戦争というより、トロイ戦争を通してアキレスが精神的に変化していく様子を描いていて、アキレス周辺はすごくおもしろい。特にヘクトルとの対比がきれいきまっていたり、ブリセウスや部下との関わりによる心の動きが国語の物語文かってくらい理解しやすい。もう教科書に飽きたらこの映画で授業すれば良いレベル。あとギリシア神話における「半神」というアキレスの立ち位置を、アキレス自身に運命を選ばせることで表現しているのもいい。
一方でパリスがでてきて愛がどうのと語る度に、急ブレーキがかかって現実に連れ戻されてしまう。もう少しヘレネとの関係に重みを与えることはできなかったのかな。そういう原作ではあるのだけど。
そしお約束の弱点の攻撃シーンは毎回フフッとしてしまう。大好きな作品です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イリアスの記述と違って神々が出てこないが、まああまりそういうことを気にしなければ迫力のある戦争映画になっている。ヘクトルもアキレスも格好良い。C
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2017/12/28
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高校1年生の時に映画館で。懐かしい。
ロード・オブ・ザ・リングでオーランド・ブルーム人気絶頂だった頃で
「オーランドまた弓矢?!」って爆笑していた。
作品自体は神話を映画化しているのだけど、本当にあったお話なんじゃないか?っていう位に全てリアルに描かれている。
アキレスとヘクトルの一騎打ちのシーンは映画館で観るとゾクゾク。
トロイの木馬も見どころだけど、木馬が登場してから一斉に戦い始めるシーンは迫力満点で鳥肌。
アキレスを演じたブラピの肉体改造も目を見張るものがあったな。 -
Troy
2004年 アメリカ
監督:ウォルフガング・ペーターゼン
出演:ブラッド・ピット/エリック・バナ/オーランド・ブルーム/ショーン・ビーン
ひとえにオーランドブルームのパリス観たさに映画館へ。その後DVDも購入。いやもう駄目な子ほど可愛いっていうかね…パリスっていう役は、彼が今まで演じたエルフの王子様とか海賊鍛冶屋さんとかと違って、男らしくもなければ不死身でも無敵でもなく、基本的にはルックスだけが取り柄の色男、駄目駄目で足手まといで役立たずで傍迷惑なことこの上ないんですが、あえてああいう「アンチヒーロー(オーリ談)」を彼が演じることに意義があったのではないかと親バカ的贔屓目で思いました。
しかし弓を引くシーンだけはさすがでしたね。「いよっ!レゴラス!」って思わず掛け声してあげたくなりました。エルフの王子様はガードが固かったですが、トロイの王子様は出血大サービスの露出度の高さなのでそこもポイント高し(笑)
ブラピのアキレスはかっこよかったです。個人的には『カリフォルニア』とか『トゥルーロマンス』とかの頃の小汚いジャンキー役が似合ってた頃がいちばん好きだったので、最近の彼にそんなに興味はなかったんですが、やっぱりこう、普通にかっこいいですよね。原作のアキレウスは傲岸不遜でなんかちょっと苦手なんですが、ブラピのアキレスは傲岸な中にも繊細さというか母性本能くすぐるような孤独とか宿業とかをきちんと表現してて、憎めないキャラクターに仕上がっていたと思います。6つに割れた腹筋も素敵だった(笑)
タイプとしてはヘクトルのほうが断然好きで、まあ正当派といえば正当派なんですが、個人の感情や欲望じゃなくあくまで国と妻子を守るために戦う彼の潔癖な姿勢が好きなのかも。エリックバナって『ハルク』とか観てないので全然知らない役者さんだったんですけど、ちょっと惚れました。
あとは指輪ファンにはハズせない、ショーンビーンのオデッセウスですが!思ってたよりすっごい出番が多くて、しかもアキレスの親友設定だったのでかなりおいしいかったですよ。知将オデッセウスっぷりがすっかりサマになっててカッコ良かった…!
女優陣は、ヘレン役のダイアンクルーガーはとても美しかったです。人間的にも掘り下げたキャラクターになってたし。ただヘレンが美しすぎるあまり、他の女性が美しくなさすぎるのはどうかという感じでした。ヘレンが美しくなかったら困りますが、彼女はあくまでパリスの恋人で、ヒロインではないので…。ヒロインであるところのブリセウスに共感できないというのは、ちょっと映画的にものたりないというか、説得力がないかも。演技は上手いと思うんだけど…魅力が感じられない。ので、ロマンスの部分ではちょっと薄っぺらくなってしまった印象。
キャストの話ばかりになりましたが、映画としてはまあ、ああ大作…って感じのセットとか衣装とか美術とかはさすがに壮大で美しく、古代ギリシャをよくぞここまで、という感動はありました。
ただなんか映画としてのテーマは絞り切れていない感じで、多彩な登場人物も個々は上手く演じてるなと思うし、印象的な美しい場面もいくつもあるのですが、ストーリーとしてまとめきれていないし、誰の視点にターゲットを合わせていいのかわからない。なので、結局どこかしら散漫な印象しか残りませんでした。こと涙もろい私が、しかも思い入れたっぷりで観ているにも関わらず、全くといっていいほど泣けなかったというのはむしろ珍しいかもしれません。
基本的にはミーハー気分で、それだけれ充分楽しめます。長さは気にならなかったし退屈もしなかったので、そういう意味では良くできた映画だと思う。目の保養度は抜群です!
(2004.06.09) -
GyaO!で。イーリアスの内容が中心だが、女神テティスの息子アキレスが人間的に描かれ、ブリセウスとの悲恋が中心。決闘のシーンは迫力があった。
有名な木馬のシーンより、アキレスに息子ヘクトルを殺されたプリアモスが、息子を手厚く葬りたいから遺体を返してくれ、黄泉の川の渡し銭をまぶたに置かせてくれ、と懇願しに深夜訪れるシーンが印象的だった。
諸悪の根元パリスにアキレスのかかとを射抜かれたのはどうも釈然としない。神話と違ってアキレスはかかと以外にも矢を受け絶命した。