妄想代理人(1) [DVD]

監督 : 今敏 
出演 : 能登麻美子  飯塚昭三  関俊彦  内海賢二 
  • アスミック・エース
3.65
  • (55)
  • (67)
  • (124)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 450
感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988126202064

感想・レビュー・書評

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  • 金色のローラーブレードを履いた
    『少年バット』という謎の通り魔が人々を次々と襲うサイコサスペンスです。


    様々な技工を詰め込んだ
    美しいアニメーション。

    練り込まれた脚本に
    張り巡らされた伏線の妙。


    普通の人々が持つ
    ダークサイドをテーマにした
    さすが今監督と
    うなった作品です♪


    映画化された今監督の作品より
    かなり実験的で
    毒っ気があるので
    精神的に不安定な人は避けた方がいいかも(汗)



    社会現象になった
    癒し系キャラの「マロミ」を生み出しながらも、
    周りからの嫉妬や
    プレッシャーに押し潰されそうな日々を送る
    鷺(さぎ)月子。


    少年バットとして疑われたことで
    学校でイジメにあう
    クールでナルシストな小学生・
    鯛良(たいら)優一。


    昼は大学の研究生、
    夜はホテトル嬢として生活する
    解離性同一性障害の
    蝶野晴美。


    裏では情報を流しヤクザとつるみ、
    表向きは念願のマイホームを建て
    家族想いの警察官を装う
    蛭川雅美。



    誰もが持つストレスが溜まりに溜まった結果、
    それが狂気の妄想を呼び、
    いつしか少年バットが現れる。


    1人の人間の妄想が狂気を呼ぶ展開に、
    一度観ただけでは
    理解し難い難解な部分もあります。


    しかしながら緻密な伏線と、
    平沢進による魅力的な音楽、

    謎が謎を呼ぶ構成に
    一度観てしまえば
    誰もが目が離せなくなる
    中毒性があります。
    (興味がある人はOPムービーだけでも観て下さい!You Tubeで観れます)


    現実から逃げだしたいという思いや、
    自我を守る言い訳が
    幻想となって
    人々を感染・連鎖していく様は、
    誰もが自分自身の
    深層心理を見ているようで
    胸が衝かれるハズ(>_<)



    現代社会が産み出した
    人間の闇と狂気を描いた
    異色の傑作です。


    13話でDVDなら全6巻。


    8月には待望の
    ブルーレイBOXも出ます!!

  • 全体的にサイコで変態チックでミステリーな感じが好き。
    時間的に余裕があったりすると何回も観直したりしそう。
    そんな余裕はないので、そこまでして観る気はしません。

    キャラクターが癖があるんだけど、それが実際の人間に「いる、こういう人」と思わせられる感じが好き。
    ゲームの「ペルソナ」シリーズに近いものを感じる。

  • 【1~13話鑑賞】(まとめての感想)

    かの有名な映画『パプリカ』の監督を務めた鬼才、今敏原作のアニメ作品。平沢進の不気味すぎるオープニングから始まる今作『妄想代理人』は、やはりどの話もすばらしいイマージュで、観ていて本当に面白かったです。平衡感覚がめちゃめちゃ失われるので、物語後半を観ていた時のあのなんとも言えぬ不思議な感じ、癖になります(笑)

    序盤こそ掴めていた展開が進むにつれて見せる、あからさまな瓦解。しかし支離滅裂なわけではなく、どこか説得力のある圧巻の展開力。現代社会におけるコミュニケーションやアニメ業界への皮肉。どこまでが現でどこまでがまやかし? 後半は攻殻機動隊っぽいなとも思いましたし、文学なら中井英夫の幻想小説に近しいものを感じました。

    途中、笑ってしまうくらい意味わからん展開ばっかりだったのですが、なんだかんだで最終回でうるっと来てしまいました。なんなんでしょうねこれ。結局何もわからなかったようで感じるこの感覚は。それにラストにも鳥肌……!!

    どことなく『serial experiments lain』みを感じるのも、この作品が私に刺さった理由の一つです。

  • 想像力

    最後の畳み方に、パプリカの既視感が。そこまで大風呂敷を広げる必要があったのかな。個々の小話は面白かったし、少年バットが生まれる背景やその描写も良かったけど。

    人間臭さがよく現れている。そこに不気味さ(妄想)を掛け合わせて、生まれる化け物はこんな具合。テンポ良く話は進む。ミステリー調はまた、起承転結がわかりやすくていい。途中まで、そうだな、少年バットは人の心が逼迫したときに現れることが明らかになりつつあって、小話を挟んで事実固めしていくあたりまでは良かった。

    後半、少年バットが少年ではない描写が混じり始めたあたりから、きな臭くなった。よく都市伝説をネタにするのと同じように、噂が噂を呼び、伝説自体が増幅膨張を繰り返して強大になるのは別にいい。しかし、尺の短さに対して強大になりすぎたが故に、強引な畳み方しか取れなかった?例えば初期の、重傷で済んでいたような人達が、各々の少年バットという存在を受け入れることで、少年バット自体が弱っていって、最後に創造者本人が過去の過ちを認めて未来あるエンドにするとか、そういうことをしようにも尺がないからエイやと畳んだ印象(これもまた妄想)。

    結局あの方程式はなんなのだろうか。=512?とか=1とか、一番最後は=で止まったし……おじいちゃんも昔、聖戦士として戦っていたんか?

    一話目から?マロミが動き出して、AKIRAを思い出した。だいたい愛らしい人形が動き出したら物語は不穏な方向に舵を切るんだよ。

    オープニングの雰囲気が他の追随を許さぬ不気味さで好き。

  • 1話~6話
    最初は推理ありのミステリーかと思ったら
    あっさり捕まった犯人はでも違ってて…
    毎回、いろんな切り口を見せてくれるので楽しい

  • 1話2話。優一君の思考が「良い子」を演じ運動以外自分と境遇が同じであったため、深く突き刺さる。

  • 今監督作品で唯一のTVシリーズ。これもうね、大好きなんですよ。私がTVシリーズで最も好きな作品の一つです。

    月子の話と優一君の話を収録。
    カワズのクズの極みとしか言いようのない厭らしさ、優一君の誇大妄想的な全能感がもう、堪らなく胸糞悪くなりますね。あんな計算高い小学生いないようにも思うけど、「一緒にするな!」とかところどころで、あ、あるわそれってなるところあり。

    妄想代理人に出てくる刑事コンビもうほんと好きですね。「パプリカ」の刑事よりはこっちの方が好き。

  • 妄想代理人はopからもうドツボでした。少し雰囲気は怖い作品でしたが気がついたら泣いてる場面も多々あり、今でも大好きなアニメです。監督のご冥福を心からお祈りします。

  • 今監督の作品は本当によく作りこまれています。
    全作品通して何度見ても新たな発見がある。
    過去の自責や逃避、後悔や現実を受け入れられずに拒否し妄想と現実の区別がつかなくなる。東京壊滅と復興。希望。

  • 今敏さんの作品はパプリカ、パーフェクトブルー、東京ゴッドファーザーズは見たことあったがこれはなかった。

    作品の随所に考えさせる部分があり全部理解するのは難しいけど、それがいい。

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著者プロフィール

今 敏(こん さとし)
1963年10月12日生まれ。北海道出身。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒。漫画家、アニメーション監督。大学在学中の1985年、ちばてつや賞を受賞し、漫画家としてデビュー。漫画作品としては『海帰線』、『ワールド・アパートメント・ホラー』、短編集『夢の化石 -今 敏全短篇』(以上 講談社・刊)、『OPUS』上・下巻、『セラフィム 2億6661万3336の翼』(以上 徳間書店/復刊ドットコム・刊)がある。
1990年以後、劇場用作品を中心に、美術設定やレイアウト担当としてアニメーションの世界でも活躍。1998年には、映画『パーフェクトブルー』で初監督。その後、2002年『千年女優』、2003年『東京ゴッドファーザーズ』、2006年『パプリカ』を発表し、世界各国の映画賞を受賞。また、2004年には、TVアニメ『妄想代理人』を、2007年には短編アニメ『オハヨウ』を制作。
2010年8月24日逝去。享年46歳。

「2023年 『今 敏 MANGA選集 3 海帰線 [ワイド版・生原稿ver.] KAIKISEN』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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