はなれ瞽女おりん [DVD]

監督 : 篠田正浩 
出演 : 岩下志麻  樹木希林  原田芳雄  奈良岡朋子 
  • 東宝
3.79
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本棚登録 : 51
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104032669

感想・レビュー・書評

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  • 篠田正浩&岩下志麻 渾身の傑作邦画です。北陸の集落や自然の厳しいけど美しい風景描写(ロケハンに3年半!)や素朴で明るいおりんを演じる(三味線と歌も凄い!) 岩下の鳥肌ものの女優魂。堪能しました。盲目ゆえに芸で身を立てる瞽女といい貧しさゆえに徴兵を免れなかった脱走兵など社会的弱者が辿る過酷な人生は、ネアカな生き様を見せれば見せるほど、陰影が深まり身につまされました。奈良岡朋子をはじめ他の俳優陣も申し分のない演技でした。

    • nejidonさん
      myjstyleさん、とても嬉しいです!
      私もこの映画が大好きなんですよ。
      岩下志摩さんの迫真の演技と美しい自然。忘れられません。
      瞽...
      myjstyleさん、とても嬉しいです!
      私もこの映画が大好きなんですよ。
      岩下志摩さんの迫真の演技と美しい自然。忘れられません。
      瞽女という存在さえ知らない頃だったので、この映画から歴史を調べました。
      全てが懐かしいです。
      ありがとうございます!
      2020/10/10
    • myjstyleさん
      nejidonnさん 
      コメントありがとうございます。

      心に残る作品ですね。
      今では、もう、あの景色は見れない気がしますね。

      ...
      nejidonnさん 
      コメントありがとうございます。

      心に残る作品ですね。
      今では、もう、あの景色は見れない気がしますね。

      本作のDVDは図書館になく、宅配レンタルで見ました。
      かけがえのない映像資産は誰もが見れるように継承して欲しい。
      それに洋画ではリマスターとかブルーレイ化とかもあるのに邦画はおざなりな気がして残念です。
      2020/10/10
  • 知られざる世界の住人の悲恋物語 2006/3/29 By kyotopop盲目の旅芸人である瞽女(ごぜ)として生きたおりん(岩下志麻)は、男に抱かれるという規律を犯したため、瞽女社会から追放されはなれ瞽女として諸国を旅していた。その途上、出会った脱走兵(原田芳雄)と旅を続けるが、なぜか彼は体を求めない。彼には心を閉ざすある秘密があった・・・公開当時(1977年)、30代後半であった岩下の年齢(41年生)を感じさせない色気に圧倒される。原田芳雄(40年生)と年がほとんど変わらないとはとても思えない清廉とした印象。越後訛りや長唄が耳に心地よく響く。シベリア出兵を叫ぶ大正年間。障害者も土着の人間として、常民として生きていた。テレビもラジオもない時代。瞽女達は庶民の娯楽や儀式の一翼を確かに担っていたのである。あまり映画では描かれることがない越前越後の美しい風景に、大八車を引く原田と荷台に乗る岩下が溶け込んでいる。これほど福井を印象的に描いたのは、他には「アドルフに告ぐ」ぐらいしか思いつかない。狭い日本の広大さを感じさせてくれる、出色のロードムービーとしてもっと評価されていい。

  • 初鑑賞はいつの事だったろうと記録を追ってみると2010年の暮れまでさかのぼることに。当時Film Forumで企画されていたのは武満徹が楽曲を担当している作品に絞った映画祭、思えばそれこそが邦画熱が急速に高まったきっかけだった。

    当時は篠田正浩監督についても全くといっていいほど知識がなく、まだよちよち歩きだった頃。今回の映画祭はカメラマン宮川一夫に焦点を当てた形になっていたわけだが、この二周目に到達するまでの間に自分の邦画に対する取り組み方もずいぶんと成長した。今回は英語字幕が含まれていないフィルムが東京から持ち込まれ、Live Subtitleなる仕組みで上映されたのだが、このプリントが美しいこと。どれぐらい美しかったかというとMoMAでの上映を鑑賞した後にもう一回入場料を払ってまでJapan Societyに観に行ってしまったぐらい(笑)

    前回は全くもって岩下志麻の見目「開かなくても」麗しい美しさに完全にもっていかれてしまっていた自分であったことを記憶しているのだが、今回はやはりどちらかというと原田芳雄の方を感慨深く見遣ってしまった。ここ最近のタモリ「電車」倶楽部鑑賞熱のせいで、タモさんの呼ぶ「よしおちゃん」の声がついこだましてしまい…。

    改めて冥福を祈らずにはおられず。

    原作はここ数年「飢餓海峡」(1965)、「炎上」(1958)、「雁の寺」(1962) らの映画化作品でお世話になった水上勉と知り、これまた是非手にとってみたくなった。早期達成を目指したい。

  • 盲目のせい、時代や社会が悪いせいとかではなく、盲目で社会的弱者であるからこそ、人間の人間ゆえの哀しさや辛さ、優しさや幸せなんかをもっとも深く体感できるんだろうなぁ、と思いました。
    遠藤周作じゃないけれど、もっとも弱く哀しい存在ほどキリスト…この場合は阿弥陀に近い存在なのだと思わずにはいられません。

  • 1977年作品 篠田正浩監督

    日本海の景色
    ときおり 写る風景のきびしい 美しさ・・・ 
    いてつく 寒さ・・・・
    この風景の映像を見るだけでも 日本の美しさが
    にじみ出てくる・・・

    目が見えない 女 おりん(岩下志麻)の物語。
    こういう 物語は 日本海が あう。
    沖縄の海の風景では やはり 違った物語になってしまう。

    岩下志麻 1941年生まれ 36歳の作品。

    みていて・・・とても辛かった。
    みえない というギャップを 
    背負って生きる ということは
    大変なことだ。

    そんな大変さを 社会的なシステムとして 
    「瞽女」として生きることで
    まっとうな生活ができるのであるが・・

    おかあさん(奈良岡朋子)はいう
    『人はみな観音様のお蔭でこの世に生まれてくるんじゃろ
    盲には地獄が見えねえように 
    阿弥陀様がまなこつぶして下さったんじゃ』

    見えないということを 受け入れることで 道が切り開かれる。

    お母さん(奈良岡朋子)が 常に口にする・・・
    「ゴゼは男と寝てはなんねえ」
    奈良岡朋子は すごいなぁ。うまいよ・・・演技が。

    この 掟 を破ってしまった 
    おりんは ひとり はなれ瞽女 として旅をする。

    大正7年のこと ひょいと 原田芳雄 とであう・・・
    そして 二人の道中が はじまるが・・・
    原田芳雄は 禁欲的な 姿勢で おりんと 接する。

    おりんは 何故抱いてくれないのか?
    質問するが・・・
    原田芳雄は おらの観音様だ といって 身体も触れない。

    原田芳雄がどんな人物であるのか?
    徐々に 素性が明らかになるが・・・
    おりんは 原田芳雄と いっしょに 
    旅をして歩くのが 幸福だった。

    目が見えなくとも ヒトを愛することのセツなさ。
    岩下志麻が 熱演する。

    おりんを 陵辱する 薬屋
    カッとする 原田芳雄・・・・

    それで 二人が迎える結末は・・・・

    うつくしく せつなく かぎりなく 哀しい。
    そういう 映画が あってもいいなぁ。
    日本人の 演歌 の世界 が 伏流としてある。

  • 瞽女の話というより、女性全員に言える不条理さのようなものが、おりんに凝縮されていたのではないかと思った。
    独り立ちしたくとも、結局は男に頼ってしまわねばならなかった。精神的にも、生活の面でも。
    しかし、頼ってしまった(体を任せてしまった)がゆえに、さらなる底へと下って行かねばならない彼女達は、本当に阿弥陀様に導かれていたと言えるのだろうか。

  • 盲目の三味線弾き=瞽女(ごぜ)の人生語り。嫌われ松子の一生みたいな、ただ一人の人生を追うのみの話。重くてずっと息が詰まる。なのに岩下志麻から目が離せない。キャラクターの必死さが伝わる物語。

  • 2009.12
    岩下志麻が綺麗。

  • 救いようのない暗さ。
    岩下志麻綺麗だけれど、普段は見られない薄幸さに女優魂を感じた。
    さすが。

  • 篠田監督の演出、宮川さんの映像、志麻さんの演技、武満さんの音楽。すべてがベストです。

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著者プロフィール

映画監督。1931年、岐阜県生まれ。53年早稲田大学第一文学部を卒業し、松竹撮影所入社。66年よりフリー。
主な映画作品『心中天綱島』『無頼漢』『沈黙』『札幌オリンピック』『卑弥呼』『はなれ瞽女おりん』『瀬戸内少年野球団』『鑓の権三』『舞姫』『少年時代』『写楽』『スパイゾルゲ』

「2021年 『河原者ノススメ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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