伊丹十三DVDコレクション お葬式

監督 : 伊丹十三 
出演 : 山崎努  宮本信子  菅井きん  大滝秀治  津川雅彦 
  • ジェネオン エンタテインメント
3.57
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本棚登録 : 320
感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102033231

感想・レビュー・書評

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  • 伊丹十三 第一回監督作品。

    癖などのちょっとした仕草や、
    何てことない日常の動作・言葉を
    丁寧にしっかり描ききるところに、
    あるあるの可笑しみが生まれています。

    また一般的に知られていない業界の仕組み、
    隠語などの言葉使いを緻密に再現することで、
    凄味が出ています。

    作風は、エッセイスト・ドキュメンタリー作家・CM作家・イラストレーター・商業デザイナー・食通であった伊丹十三監督のハイセンスのベールで覆われ、どこか非日常の雰囲気があります。

    この可笑しみ、凄味、非日常感が伊丹十三監督作品の魅力ではないでしょうか。

    本作品では、丸太ブランコによる比喩や、
    走る人と並走したり、近めに撮るカメラワーク、
    江戸家猫八への照明の当て方など、
    随所にオールドハリウッドの影響を感じます。
    オーソン・ウェルズ的な。

  • なんたるカメラワーク!
    棺桶を覗く画面って、
    その後、様々な映画でオマージュされているな!!

    素晴らしく笑えたのは、
    喪服姿の宮本信子が、
    切り株のブランコで左右にずっと揺れているところ。

    苛立たしく思ったのは、
    誇張されているとはいえ、
    やはりこのような哀しみに直面する葬式が、
    いかに七面倒臭い人間模様を顕在化するか、
    リアルに知っているからだ。

    そのリアリティをきわっきわのところで、
    極上のエンターテイメントにすり替える、
    伊丹十三がすごい。

  • 制作年:1984年
    監 督:伊丹十三
    主 演:山崎努、宮本信子、菅井きん、大滝秀治、財津一郎、江戸家猫八、奥村公延、友里千賀子、尾藤イサオ、岸部一徳、津村隆、横山道代、西川ひかる、海老名美どり、双葉弘子
    時 間:124分
    音 声:日:ドルビーデジタルモノラル


    ある日、俳優の井上侘助と妻で女優の雨宮千鶴子は夫婦共演のCM撮影を行っていたが、そこに突然連絡が入る。
    千鶴子の父・真吉が亡くなったのだ。
    親族代表として葬式を出さなくてはならなくなった侘助はマネージャー里見の助けを借りつつも途方に暮れる。
    千鶴子の母・きく江や千鶴子の妹・綾子夫婦、そして真吉の兄・正吉とともに遺体を伊豆の別荘に運び、お通夜の準備に取り掛かる。
    葬儀屋・海老原とともに、お通夜当日の朝を迎える侘助達。
    付人も応援に駆け付けたが、そこには喪服を着た侘助の愛人・良子もいた。

  • 伊丹十三作品を観てみたいと思い、鑑賞。
    淡々と葬式が進んでいく様子を見てる感じ。
    奇抜なものを撮ってるイメージだったから、意外と普通で地味だなと思った。
    最後の菅井きんさんの挨拶の途中で、じぶんのしゃべってることで明日から本当に1人の暮らしが始まるんだなってことに気がついて、言葉に詰まるシーンがよかった。
    人が本当に寂しいって感じる瞬間が切り取られた気がした。

  • たしかに名作だ!昔見たときはそんなに魅力わからなかったんだけどもなぁ・・・。これは「タンポポ」にも通じると思うけど、印象的なシーンがいくつもあって、作品を盛り上げてる。でもどこか上手く出来すぎていて、見ていて、どこかで冷静になってる自分もいた気もする。

  • お葬式をテーマに映画を撮るなんて当時にしてはすごく斬新だったんだろうなあ。コメディタッチだったけど個人的にはあんまり笑えなかった。突然の性描写もなんだかなあという感じ。だけどそれ以外は葬式で子どもが走り回ってたりとある意味すごく葬式をリアルに描いていると思った。最後に喪主のおばあちゃんが挨拶する場面に感動した。
    井上陽水さんが一瞬うつってたのには笑った。。
    おくりびとで納棺師役をしていた山崎努さんが主役なのも面白いなあと思った。
    カメラのアングルが面白かったことも印象的。

  • 伊丹十三初監督1984年作。宮本信子、山崎努出演。

    <あらすじ(ネタバレ)>
    死から葬式が終わるまでの不仲な息子夫婦(宮本、山崎。事実婚かな)3日間を描く。

    <コメント>
    カメラアングルが洋画の既視感いっぱいでやや不自然。伊丹監督、初めての作品で今まで見た構図を詰め込んだのかな。
    伊丹さんの映画に登場する奥さんは、イメージ悪い設定が多い。現実のトレースだったのか。
    関係ないが、高瀬春奈は好きなタイプです。伊丹さんの映画だと他に「大病人」でもキャスティングされています。

  • 伊丹作品、子どもの頃よくテレビでやってたのは『○○の女』シリーズだけど、その後思春期に観た『タンポポ』がフェイバリットムービー。
    最近ウルトラシリーズ観てて『コメットさん』のお父さん役が伊丹監督だったと知る。伊丹監督は映画だけ観るよりも、エッセイや役者としてなど、他の仕事も含めて見ていくのが面白い。

    一作目『お葬式』は死について、そして二作目『タンポポ』は生と食についてと、人生で重要なことを『○○の女』シリーズの前にやっている。

    全体的にはそこまで面白いとは思わないけど、ディテールを見ていくと面白い。
    ・最後の晩餐のアボカードと生ハム
    ・大貫妙子がBGMのCM撮影は女がデカい、あー『ボッカチオ70』のフェリーニと同じ意味だ!巨大フジ隊員→ウルトラマンに戻る
    ・伊丹監督といえばエロシーンだけど、葬式とくれば当然、ねぇ?ブランコの演出に笑う。あとケツがデカいのも良い。
    ・白黒シーンは浅井慎平がやってる。井上陽水がちらっと。浅井さん、ATG系にけっこう関わってるな。
    ・木に登る少年は利重剛。小山内美江子の息子、本名はササヒラー。→帰ってきたウルトラマンに戻る

    当時すでにこういう「お葬式のやり方」を描いた映画が必要なほど、日本人は核家族化が進んでたのと、お葬式そのものを描いた作品がなかったという点で、伊丹監督の着眼点は正しかったんだと思う。

  • やっとこさみれた。

    全編を通して感じることのできるゆるさ。
    このテーマだからこそ、映えた。

  • お葬式の一連の出来事を描いた映画
    はじめて自分が出す葬式でどうしていいのか戸惑ったり
    仕切り屋の親戚がいたり
    親族やご近所の人が集まって、しんみりしたり、にぎやかに笑ってしゃべったり
    自分にもよく覚えのあるお葬式の情景にクスっと笑ったりじーんとしたりできた

    昭和の名優たちが、ちょこちょこ出てるのが面白かった
    豪華だなー

    宮本信子さんが喪服の着物姿でブランコに乗るシーンが印象的だった
    表向きには仲良さげな夫婦の裏の心境をよく表していると思った

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著者プロフィール

1933年生まれ。映画監督、俳優、エッセイスト、テレビマン、CM作家、商業デザイナーなど、興味のおもむくままに様々な分野の職業に分け入り、多彩な才能を発揮。翻訳も多数手がけた。1997年没。

「2020年 『ちょこっと、つまみ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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