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- / ISBN・EAN: 4988066146558
感想・レビュー・書評
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NHKスペシャル『映像の世紀』。第3集は主にアメリカ合衆国を中心に描かれています。加古隆の「パリは燃えているか」のBGMと、山根基世アナウンサーのナレーションが相変わらず絶妙にマッチしています。
第一次世界大戦終結に大きな役割を果たしたアメリカ合衆国。そのアメリカへ押し寄せる大量の移民たち。移民が集中したニューヨークは摩天楼がそびえ立つ大都市となっていたが、そこでは大きな社会構造の変化が始まっていた。
ビルの建築ラッシュで大きな繁栄にわいている街とは裏腹に、それを底辺でささえる大量の貧困層たち。ラジオの普及によりマスメディアを通して急速に浸透していく大衆文化。ジャズやチャールストン、プロボクシングにベースボールといった娯楽が大衆の関心を集め、繁栄から得られた享楽を果てしなく追求していく人々。反面、労働者による暴動とそれを奇貨とし共産主義者を追放する政府。黒人の暴動とそれを逆手にとったKKK団による集団私刑。当初は移民をターゲットにしたという禁酒法の施行とそれに寄生したギャングの横行。1920年代のアメリカ合衆国の光と影、享楽と悲惨を映像としてしっかりと現代のわれわれに伝えてくれます。時折はさまれるフィッツジェラルドの的を得た同時代の評論も示唆的でなかなか良かった。
また、1920年代の世界各国の動きとしては、ベルサイユ条約とそれにより発生したドイツでのハイパーインフレ、ソ連で発生した大飢饉の惨禍、スターリン・ヒトラー・ムッソリーニといった独裁者たちの台頭、関東大震災、張作霖爆殺事件など、後の世界大戦へつながる大きなうねりが感じられます。
悲惨な暗部を抱えながらも、ビルや家電といった文明の利器を謳歌し、マスコミが作り上げる話題や「英雄」に殺到し、自己財産以上の株投資を行って金欲をつきつめていく中、1929年10月それはウォール街で始まった・・・。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やっぱり20年代は派手でいいっすね フラッパーから禁酒法やら美容師さんやらを経て、最後はウォール街の悪夢でしめ やっぱり絶望的なしめ
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ドキュメンタリーの傑作。
現在の金融危機の状況は「世界恐慌」以来だともいわれています。
1929年にマンハッタンで始まった世界恐慌って
どんなんだったのか
詳しく知りたいと思いました。
本で調べる前にまずはこの映像に当たります。
僕はこのシリーズが大好きです。