戦争と人間 第一部 運命の序曲 [DVD]

監督 : 山本薩夫 
出演 : 滝沢修  芦田伸介  浅丘ルリ子  高橋英樹  三國連太郎  中村勘九郎(五代目)  石原裕次郎 
  • 日活
3.91
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988103601262

感想・レビュー・書評

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  • 3部作の1作目。感想は3部全部観てからにする。それにしてもスゲーキャストだな。若かりし頃の地井武男の凄みを再確認した。

  •  1970年、日活。山本薩夫監督。滝沢修、芦田伸介、浅丘ルリ子、高橋英樹、三國連太郎ほか出演。
     五味川純平原作の大河小説を映画化した大作の第一部。脚本は山田信夫、時代考証は澤地久枝が担当している。水戸光子や加藤剛、石原裕次郎まで登場するオールスターキャストで、地井武男が間島を拠点とする朝鮮人パルチザンを、丹波哲郎が満洲馬賊の「大頭目」を、栗原小巻が伍代の御曹子・高橋悦史にレイプされる中国人女性役をそれぞれ熱演している。
     1928年の済南事件、張作霖爆殺事件から物語が説き起こされるので、語りの枠組みとしては「東京裁判」のそれに則っている。山本薩夫が徹底しているのは、中国人役を割り当てた俳優には中国語を、朝鮮人役には朝鮮語を話させ、曲がりなりにも中国人の目線、朝鮮人の目線を作品の中に入れ込んでいるところ。伍代産業で働く中国人通訳の山本学がじつは中国共産党のスパイだという設定もなかなか面白い。浜口雄幸暗殺や虎ノ門事件など、物語としては描写されないが、鈴木瑞穂のナレーションとして織りこんでいくことで、時代の雰囲気を醸し出す行き方もなかなかだった。
     
     これだけの登場人物を混乱させずに動かすのは至難と思うが、浅丘ルリ子と高橋英樹、栗原小巻と加藤剛・高橋悦史、高橋幸治の恨みなど、いくつか伏線もしっかり引かれていた。第一部は第一次上海事変(1932年)で幕を閉じたが、このあと伍代家にどんな運命が待ち受けているのか。確かに長い映画だけれど、しっかり楽しませてくれる作品。1970年代初めには、こういう映画を作ることができ、それなりの数の観客が映画館に見に来たという事実について、あらためて考えさせられた。

  • 戦争のはじまり。
    満州を舞台にして、五代の暗躍を
    時代経過の中で 人間ドラマを演出する。
    五代家のの人々の 人間模様。
    当主である 滝沢修の 貫禄。余裕。
    こんな風に重みがあるのは スゴイ。
    浅丘ルリ子の妖婉さ。1970年の頃であるが
    今でも通用する美しさ。
    芦田伸介の喬介。豪胆さ。
    三国連太郎の ワルとしての存在感。
    高橋英樹の柘植大佐。誠実感。
    加藤剛の青年医師。
    栗原小巻の 趙大福のむすめ。やっぱし、いいなぁ。
    ふーむ。スゴイ配役。
    石原裕次郎が ちょい役とは、豪勢な使い方。
    俳優の名前が 名簿順と言うのもいい。
    それぞれが 異色を放つほどの 個性があふれる。
    そして、満州の 風景。

    張作霖を 蒋介石が 討伐しようとするが
    関東軍にとっても、目の上のタンコブだった。
    蒋介石の本当の敵は 日本ではなく、中国共産党だった。

    地井武男。朝鮮人として 複雑な立ち場を表現する。
    目がギラギラして 体内にあるエネルギーがあふれている。

  • 小説も長編で歴史書のようなところがありますが、それを映画にしたのもすごいなぁ・・と思う。
    また、製作を許された1970年という時代も、市民は「よく考える市民」だったのだなと思いがはせます。
    いまどき(2013年)の日本映画はホントに観客にこびるようなものばかりで、ますます商業主義がはなはだしいが、やはり、映画史に残る、後世に伝えるべく製作しようという意気込みのある映画が望まれる。
    それにしても、豪華キャストを縦横に使いこなす、この監督のすごさに脱帽。

  • [○09/05/09鑑賞]名作だと思う。日本の戦争、歴史話に興味があるならば必須としたい映画。2部も楽しみ。またいろいろ考えさせられる映画に出会えた。今見たら本作品が入っている本棚が意外に少ないのに少しびっくり。凄い俳優陣を見れるので昭和映画ファンにもたまらない映画(実際に観て気づいた時のお楽しみ、30代世代の私でも知っている俳優がぞろぞろ出演しています)。山本薩夫監督の代表作。

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