装甲騎兵 ボトムズ VOL.4 [DVD]

監督 : 高橋良輔 
出演 : 郷田ほづみ  弥永和子  富田耕生  千葉繁  川浪葉子 
  • バンダイビジュアル
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569626448

感想・レビュー・書評

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  • ・第13話『脱出』
    ついにウド編最終回。
    わらわらと大量に降下してきたメルキア機甲兵団のスコープドッグ。指揮するロッチナは治安警察に降伏を促すが、イスクイ署長は「組織」の「上」から徹底抗戦を指示される。その間、ボロー司祭はフィアナを連れてウドから脱出する計画。
    キリコ、ゴウトたちは地下モノレールカーで空港へ向かい脱出しようとしていたが、はなればなれになったフィアナに未練があるキリコ。地上ではメルキア軍と治安警察が交戦中、爆撃でモノレールが塞がれ、大穴から地上に出て状況を確認。
    メルキア軍は脱出するボローのリムジンを攻撃するが、中はもぬけの殻だった。キリコたちは破壊されたスコタコの無線から、ボローたちの行き先がヂヂリウム保管庫だと推測。
    一方、ロッチナはイスクイ署長の元まで辿り着くが、ATが壁を破壊した衝撃でイスクイはあっけなく死んでしまい、「組織」への糸が途切れてしまう。
    ボローは葬儀社のフリをして包囲網をくぐり抜け、霊柩車でヂヂリウム保管庫へ潜入(毎回マカロニウエスタン)。キリコたちは手押しトロッコで保管庫へ。
    ヂヂリウム保管庫での、治安警察とメルキア軍の戦闘。脱出直前だがヂヂリウムシャワーを浴びたがるフィアナ、潜入したキリコと再会。フィアナにはヂヂリウムが必要であり、キリコと同行することを断る。
    ココナとゴウトはメルキアタコを騙し討ちし鹵獲、キリコに乗らせ、脱出の血路を開こうとする。

    保管庫屋上のヘリポートに「組織」の迎えと増援が到着。降下してくるスタンディングトータス部隊!初登場である。メルキア軍対トータス部隊の戦い。やられまくるスコタコ。
    ココナとゴウトは地下に避難、バニラは戦闘のどさくさに紛れて警察のヘリを奪取。大規模な戦闘の結果、炎に包まれて破壊されるウドの街、崩落するヂヂリウム保管庫。キリコは3人とはなればなれになり、スコープドッグの中で孤立する。「ひとりに、しないでくれ。」戦闘マシーンのようになった帰還兵のキリコが感情を取り戻していく、泣かせるセリフである。

    キリコ、ゴウト、バニラ、ココナ、フィアナたちがどうなったか全くわからないまま、ウド編完結。


    ・第14話『アッセンブルEX-10』
    ↑このネーミングセンス!ここからクメン編。ロッチナの追跡から3ヶ月逃げていたキリコ、クメン内戦に傭兵として参加。まんま『地獄の黙示録』…当時は『キリングフィールド』も『プラトーン』も『フルメタルジャケット』もまだ公開前。帰還兵ものの『ランボー』が前年の82年で影響を受けているが、2の『ランボー 怒りの脱出』は85年なのでだいぶ後である。

    傭兵満載のPBR風ボートで、クメン政府軍の基地アッセンブルEX-10へ向かうキリコ、ハエの描写!反政府側のビーラーゲリラの襲撃を受ける。基地にて身体検査、ワクチン接種。カンユー大尉登場。
    武器商人ゴウトと再会、キリコは検査の結果埋め込まれていたビーコン(発信機)が見つかりレーザー除去。スパイ容疑で捕まり、カンユーによる拷問!(お約束)。基地司令ゴンヌー将軍にPSの件を話し、疑いが晴れる。ゴンヌーの見た目はカーツっぽい。

    酒場ファンタムクラブにてバニラ、ココナとも再会。ココナの天使の羽の衣装、何回見てもダサい。ついでにキリコはずっとAT用スーツ着用で臭そうである。
    やってくるカンユー、そこにビーラーゲリラの襲撃、傭兵軍団のAT出撃。傭兵側はダイビングビートル、キリコはもうマーシィドッグ!ゲリラ側はタートル軍団。カンユーに目をつけられているキリコは孤立させられるが、ビートル隊もタートルに囲まれ襲撃される。青いスナッピングタートルと交戦するキリコ、PSが操縦していることに気づき、フィアナと思い姿を晒すが…チョップでマーシィを破壊する青タートル。

    名ゼリフ、「俺のフィアナ」w
    アニメアール回。動画の方に沖浦啓之参加。
    そういえば、書き忘れていたが第3話に原画で奥田万つ里(当時は奥田万里名義)。昔の参加作品だと、他に『天使のたまご』しか見ていない。


    ・第15話『疑惑』
    中村プロ回。作画が良い!!
    青亀との交戦中に姿を晒す奇行をカンユーに見られたキリコ、追及される。酒場ファンタムクラブではココナの歌。傭兵軍団のゴリラことキデーラ(CV郷里大輔)、イケメンことポルポタリア(CV速水奨)登場。声が2大ゴリボとイケボで笑える。アタッシュケースの爆弾テロ……のちの『アンタッチャブル』を連想。

    キリコはゴウトにコンピュータを借り、ATのミッションディスクの対PS戦用プログラムを作成する。『太陽にほえろ!』のマイコンが1984年11月に登場、PCが出てきたけどまだ珍しかった頃だと思う。数年後、パトレイバーの頃になるとOSという言葉が普通に登場するようになる。

    今回の作戦は、部隊に補充されるATの輸送部隊の護衛。荷はたぶんビートルが8機とパーツ。クエント人傭兵ルシャッコとベルゼルガ初登場。身長2m超の大男、ルシャッコ。CV政宗一成ふたたび。新キャラの3人はウド編から脇役の声をあてていた。
    クエント人という他星系の民族、民族色がある特異なAT・ベルゼルガ、この設定が素晴らしい。ロボットにエングレービングなどの装飾を施したのはベルゼルガと、MSVのマクベグフとドズルザクが最初ぐらい?ドズルザクはMSVでも後発らしいので、ベルゼルガが先の可能性ありだそう(先輩談)。その後ダンバインやエルガイムなどでエングレービングが流行した時期があった。

    民族といえばベトナム戦争時に米軍に協力したモン族で、これはイーストウッドの『グラントリノ』に繋がる。イーストウッドは『地獄の黙示録』のオファーを受けてモン族の事を知り、長年あたためていた企画だったそうだ。

    カンユー、キデーラ、ポタリア、ルシャッコ、キリコの5人で任務に従事。ボートで河を移動し輸送する途中、川底にボートが引っかかり、キリコがマーシィで岩山に登りウインチのロープを引っ掛ける←そこまでせんでも笑。ゲリラのタートルの襲撃に遭いAT戦。キリコはブルーATこと青タートルと交戦、ミッションディスクを挿入←戦闘中にせんでも!笑。ゲリラ軍団が離脱し戦闘終了。


    ・第16話『掃討』
    作画は良くないが、内容が極めてハードな回。
    ビーラーゲリラの夜襲を受ける基地。キリコたち傭兵側は白兵戦でゲリラを殲滅するが、ひとりだけ逃してしまう。女ゲリラ、モニカ(CV鵜飼るみ子)。ポタリアは元正規軍だったが、傭兵側に身を投じていた。そしてポタリアとモニカは幼なじみだった。
    今回の作戦は、ビーラーゲリラが潜伏している可能性のあるゾンム村を捜索することである。出撃するいつものメンバー。村の周辺を爆撃機で焼き払い、ゲリラではなさそうな村民たちを並べ、銃を突きつけて脅す。ゾンム村のネーミングの元は当然、虐殺のあったソンミ村。まんまベトナム戦争である。
    村を家探ししているとモニカが潜伏していた。カンユーはモニカを含めて5人の村人を選び、ロシアンルーレットで自白させようとする……とんでもない(子供向け)アニメである。そしてロシアンルーレットといえば『ディアハンター』。

    モニカと話すポタリア、久しぶりに再会しお互いを確認する。旧クメン王国のゲリラ側のモニカ、近代化を進めようとする新政府側についたポタリア。理想や思想の違いにより、異なる立場になったふたり。
    ロシアンルーレットはモニカの番になるが、マシンガンを発砲し制止するキリコ。一応子供向けアニメの主人公、正義も悪もない実際の戦争を取り入れた世界観だが、ギリギリのところで踏みとどまる。

    結局、ゲリラのタートル部隊は村の寺院(聖堂?)内に隠れており、実際にいた。さらに周囲の森林にも隠れており、傭兵軍団とゲリラのAT戦に。キリコは青タートルを探して、村の裏にある山岳地帯へ。青タートルを発見、フィアナと思い信号を送るが……。つづく。

    村長の見た目が、手塚先生の『火の鳥』の良弁僧正に似ている。高橋良輔監督も虫プロ出身、当然手塚先生の弟子筋である。高橋監督はのちに『火の鳥』のアニメを手がけることになる。

  • 13~16話。●脱出/ウド編ラスト。芽生えかけた愛も友情も見失われてしまう。キリコのキャラクター性とともに、ブレードランナーを模した(多分)頽廃と喧噪に充ちたウドの街が、本作品の方向性、個性的キャラクターとそれを生かすための舞台装置を重視する。これを決定づけたと言っても過言ではなかろう。ほとんどAT戦はなかったが、それがまたいい。ただし、ATがパラシュート降下するシーンに初見時は驚かされた。こんな描き方があるなんて、と。●アッセンブルEX-10●疑惑●掃討。第二章突入。ベトナム戦争の暗喩。

  • 2011年1月24日

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著者プロフィール

弁護士法人御堂筋法律事務所・弁護士
2010年3月京都大学法学部卒業、2012年3月京都大学法科大学院修了、2013年12月弁護士登録、2016年10月金融庁検査局総務課(金融証券検査官)、総合政策局マネロン・テロ資金供与対策企画室(室長補佐)を経て、2018年10月より弁護士法人御堂筋法律事務所東京事務所。金融レギュレーション、コンプライアンス(AML/CFT・反社会的勢力・企業不祥事)の分野を得意とし、内閣府「FATF勧告の遵守に向けた NPO 法人に関するリスク評価及び周知・広報内容等の調査」に関する有識者検討会委員なども務める。

「2022年 『マネロン・テロ資金供与対策の理論と実務』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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