リバティーン [DVD]

監督 : ローレンス・ダンモア 
出演 : ジョニー・デップ  サマンサ・モートン  ジョン・マルコヴィッチ  ロザムンド・パイク  トム・ホランダー  Paul Ritter  Francesca Annis 
  • アミューズソフトエンタテインメント
3.49
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本棚登録 : 418
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4527427635760

感想・レビュー・書評

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  • 私を好きにならないでくれ…
    という口上から映画は始まって、
    これでも私が好きか…
    という口上で最後に映画は終わる。


    すさまじい映画だ…ジョニー・デップの狂気的な演技に引き込まれる。


    ふと思えば、ジョニーデップ自身、芝居や演技に対して強烈なパッションを持っていると思う。ファインディングネバーランドでピーターパンの生みの親である戯曲家バリーを演じていたときに見せる表情と、リバティーンで戯曲家で詩人のウィルモットを演じるときに見せる表情は真逆だが、その芯の部分には共通する部分があると思う。


     バリーにしてもウィルモットにしても、つねに自由な発想を手に入れるために縛られることを嫌い、理解者を手に入れる反面、たくさんの人の愛や信頼を犠牲にしてしまう。それが正しいことではないと思っていても、自分の想像力を犠牲にしたくない一心で、それを手放したり、雑にあしらったりしてしまう。あるいはあえて反抗して、自分も相手も傷つける。
     

    そういう人に尽くしてくれるひとは少ない、だからどんなに成功を収めて、たくさんの人に囲まれていても、そういう人は孤独なのだと思う。一方で、自分が尊敬したり夢中になった人には必死に尽くそうとする。裏切られると深く傷つき、憔悴する。


    そういう陽と陰を巧みに演じ分けるジョニーの演技は素晴らしいと思った。


     でも僕が本当に感動したのは、実はジョニーの演技だけではない。この映画で一番息をのんだのは、ウィルモットの妻エリザベスのみせたすさまじい愛の表現だ。浮気を重ね、飲酒を繰り返し、性病になり、失明しかけ、宮廷を追放されて売春婦と逃げ回っていたウィルモットに対して、彼の狂気にそれを上回る愛をもって答えようとするエリザベス。酒瓶を叩き落とし、女の私だってこんなもの飲めるわといって、彼の前で残っていた酒を飲み干す、酒をくれと叫ぶウィルモットに、愛しているから渡さないと叫ぶ。


    このエリザベスの愛に動かされたウィルモットが、死の直前に口にする言葉のすべてに、この映画の究極の答えがあると僕は思う。

  • ジョニー・デップが17世紀に実在した英国の放蕩詩人、ロチェスター伯爵に扮したコスチューム劇……というのが、映画サイトの紹介。

    いちばんの見所は、中盤に出てくる愛妾リジー・バリーの演じるハムレットのオフィーリアだと思う。シェイクスピアは古典であるゆえによりいっそう演者によって最高にも凡庸にもなりうるが、リジーのオフィーリアは自分が観た中でもとびきりだった。
    ジョニー・デップのロチェスター伯爵については、別に好きにも嫌いにもならなかったので、冒頭と末尾の独白はかえって興ざめだった。
    なんというか、正妻がとにかく可哀想だったので、むしろそちらに焦点を当てた方が彼の放蕩が際立ってよかったんじゃないかとは思う……が、それでもリジーのオフィーリアはすばらしいのでおすすめ。

  • この主人公の生き様には随分触発されました。

  • 実在した人のお話だそうで。それを知らずに見たもんだから、最初の方は「この作品何なんだろう??」と思いながら見てました。見終わった後、実在した人のお話だと知って納得しました。

    冒頭の語り部分がずっと心の中で引っ掛かってて、それに惑わされて見ていた気がします。「好きにならないように」見ていた気がします。

    時代背景があまりよく分からなかったので、最初はなかなか入り込めずにいました。特にカツラが目について。いや、分かってはいるのよ。この時代にはそれが当たり前だってコトは。でもどうも気になって仕方なかったのです。入り込めないとこういうくだらないコトに思考が動いてダメだな・・・。

    ジョンが言った、「実人生に何も感じないから 芝居で心を動かされたい」って言葉はちょっと分かるなぁ・・・なんて思いました。ここまで極端ではないけれど。

    ジョンの人生を追う内容なのだけど、彼の生き方が破天荒な様で実は繊細でガムシャラに足掻いて生きてる様に映りました。それと同時にすごく愛されたかった人なのかな・・・と思いました。彼の部分部分を見ると理解できないコトが多いけど、人生を見ると切なくなりました。梅毒に侵されていく様も壮絶でした。
    そして彼の周りにいるエリザベスさんやリジーさんの心が強くてすごいな・・・と思いました。でも彼女たちの考える「愛」と彼の考える「愛」は違っていたのかなと思いました。彼は才能とか権力とか人としての何かではなく魂で愛されたかったのかなぁ・・・と思いました。「私が好きか?」と言った最後の言葉に彼の人生の全てが詰まってる気がしました。刹那的には楽しいコトもあったのだろうけど、とっても寂しさを感じていた人なのではないのかなぁ・・・とすごく思いました。

  • 癖のある役ばかりのジョニー・デップさんがジョニーを演じる物語。
    けっこう露骨な表現が多いので若くて初々しいカップルが一緒に観ると気まずくなる系。
    頭は良いけれど、本来なら成長とともに感情のメモリが細かくなるべきところを極端に粗いまま中二病に罹患し続けた貴族のお話でした。

    優秀な人がワザと馬鹿なふりをして世間の嫉妬をかわすことがあるけれど、その辞めどきを傲慢な理性が許さなかった自滅した根暗な男性のお話。
    こういう生き方をしてはいけないよってお話かも…。
    真面目な顔して「俺を好きになるな」と言っておきながら「好きになって!」と心で叫んでいる人のお話。
    お話の骨子は嫌いじゃないけど、表現での作品は好きじゃないかな…。

  • オープニングとエンディングにひたすら萌える作品。

  • ジョニーデップ若い、素敵、セクシー。
    それ以外何も残らなかった笑。

  • 梅毒の自然史

  • ビリーが気になったのだが、あんなことに。
    死臭のする男に魅かれてしまうのか!
    梅毒でよぼよぼジョニーの演説は息が詰まる。
    奥さんのエリザベスよい。愛人のエリザベスは好かん。

  • 母と劇場に見に行った作品。
    ジョニーデップだからだというのと、
    「どうか私を好きにならないでくれ」の広告と、
    リバティーン(自由)というタイトルに惹かれて。

    母は退屈だと途中で寝てしまったらしい。
    当時中3の私は、必死にこの映画を読み解こうと見ていたけど、
    公園のような所で大勢の男女が性交をしているのを
    霧ごしに見るシーンが衝撃的だった。
    時の私からしたらあのシーンでこの映画を理解するのは不可能なのだなと気付かされた気がする。

    もう一度見てみたい作品です。

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