ざ・ちぇんじ!〈前編〉―新釈とりかえばや物語 (1983年) (集英社文庫―コバルトシリーズ)

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感想・レビュー・書評

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  • 今月上旬、悲しいニュースがありました。
    2008年6月6日、小説家の氷室冴子氏の訃報です。

    私が中学くらいの時、集英社のコバルトシリーズ全盛期で、先日紹介した新井素子氏の小説とともに、氷室作品も貪り読んでいた記憶があります。

    氷室作品は少女小説としていろいろありますが、やはり私のイメージは「なんて素敵にジャパネスク」に代表される平安時代を舞台にした、ラブコメディー!
    白泉社から漫画化されているので、小説を知らなくても漫画で読んでいる人も多いのでは?

    「平安時代」といっても、難しい時代背景は無し(さりげなく説明されていたりする)、口語調・・・というより漫画チックなので、読みやすいです。
    和歌のやりとりや、生活様式、十二単、牛車などが出てきて「平安ロマン」の気分も味わえます(笑)
    私が平安時代の古典作品に興味を持つようになったのは、氷室作品の影響するところが大きいです

    「なんて素敵に・・・」は名作でこちらも面白いのですが、私が好きなのは本作の「ざ・ちぇんじ」。
    ストーリーは、男として育てられた姉「綺羅君」と、女として育てられた弟「綺羅姫」を軸に、帝を含む宮廷中をドタバタに巻き込んで、その騒動っぷりが描かれているラブコメディーです。

    今でこそありがち?な設定ですが、平安時代にはありえない・・・はずが、これは実際に平安時代後期に書かれた「とりかえばや物語」を題材にしています。

    古典が苦手な人も充分楽しめるし、20年以上前の作品ですが時代が平安時代のため、作品の古臭さを感じません。

    再読して懐かしむもよし、これから初めて読むもよし、『平安ロマン』に浸るのも良いですよ。

  • 若君と姫君は性格が正反対!りりしい姫は男として、しとやかな若は女として生活を送ってきた。「とりかえばや物語」を下敷きに描く平安コメディ。私、これを後藤さん挿絵で読んだ気がするんですけど、気のせいかな・・・。ジャパネスクとごっちゃになってるのカモしれない。。

  • これまた別に読み返したわけじゃないんだけど、今日はニナガワ演出歌舞伎「十二夜」見てきたら、ざ・ちぇんじ読み返してえ〜!と思ったもんで。<br>平安末期の古典文学「とりかえばや物語」を下敷きに氷室冴子がアレンジした少女小説。<br>何と言っても男装の麗人モノ・・・!!<br>平安時代の左大臣の双子(姉・弟)はなんやかんやで性別隠して、姉は男として弟は女として社会生活送ってて、恋愛してこれでは同性愛だわー!!って悩んだり、バレるー!!って焦ったりのどたばたコメディ。<br>小学生だった頃読んだんだけど、ものすんごいはまりっぷりだった。今までの我が人生に置いて一、ニを争うはまりっぷり。でも特に好きなキャラとかはいないんだよねー。後々読み返したりしても、新発見したりするような要素も別にない。しかしものすごいはまりようだったのだ。<br>男装の麗人設定ってどうしてこうはまるんかね・・・。なんか隠微な匂いがするというか・・・。倒錯した魅力が・・・。<br>とりあえず「読み終わってしまうのが惜しい!!」とじりじりしながら読んだ小説今までんところナンバーワン。(でも子供の頃の記録って更新するのムツカシイよな)<br>マンガの方も好き。山内さんの絵ってほんわかしててイイ。ギャグ顔もすごく好き。ジャパネスクより私は断然こっちなんだけど。(だってジャパネスク男装の麗人モノじゃないしな)

  • この本を読んで、「とりかえばや物語」を読んでみたいと思いながら、結局まだ読んでいません。

  • もともとぶっとんだ古代の小説をギャグ系作家がとばしています。
    日本人の面白さがうかがえます
    すごく騒々しいできあがりでいい感じ(笑)

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著者プロフィール

氷室冴子(ひむろ・さえこ)
1957年、北海道岩見沢市生まれ。 1977年、「さようならアルルカン」で第10回小説ジュニア青春小説新人賞佳作を受賞し、デビュー。集英社コバルト文庫で人気を博した『クララ白書』『ざ・ちぇんじ!』『なんて素敵にジャパネスク』『銀の海 金の大地』シリーズや、『レディ・アンをさがして』『いもうと物語』、1993年にスタジオジブリによってアニメ化された『海がきこえる』など多数の小説作品がある。ほか、エッセイに『冴子の東京物語』『冴子の母娘草』『ホンの幸せ』など。 2008年、逝去。

「2021年 『新版 いっぱしの女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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