黒いリボン (1983年) (角川文庫)

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著者 : 仁木悦子
  • 角川書店 (1983年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)

黒いリボン (1983年) (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 仁木兄妹シリーズ。
    今回は妹の悦子が知人宅でその家の子供の誘拐事件に遭遇する事から始まる物語。
    例によって、悦子はその事件に首を突っ込み、そこに兄の雄太郎が加わって事件の謎解きをするという筋になっています。

    悦子は音大の学生であり、以前ピアノの先輩宅に出入りしていた時に今回事件に遭った女性、国近絵美子と知り合った。
    リサイタルのチケットを買ってくれるという絵美子と偶然道で出くわし、絵美子に誘われて今は社長夫人である彼女の家を訪問する事になった悦子。
    そこには絵美子の義理の弟である高校教師と同じく義理の妹である小説家、絵美子の子供で神経質な性格の直彦ちゃん、まだ赤ちゃんのマユミちゃんがいた。
    その後帰ってきた絵美子の夫である国近氏はマユミちゃんを目の中に入れても痛くないくらい可愛がっているが、直彦ちゃんには冷ややかな態度をとる。
    しばらくして、一人で庭の池で遊んでいた直彦ちゃんの姿が見当たらないことに気づく大人たち。
    そこには犯人の声明文が残されていた。
    『子供を連れて行くから取りかえしたくば金を作れ。三百万円つくれ。警察にゆったらしょうちせぬ。警察にゆったら子供の生命はない。けいさつや他にんにゆえば、女の子もゆうかいして殺すとおもえ。    国ちか主じんへ   ブラック・リボン』
    まるで子供のイタズラのような文章の声明文。
    その後、犯人から電話がかかってきて-。

    という流れから事件が進んでいきます。
    ここまで読んで、いくらなんでも緊張感がなさすぎる・・・と思いました。
    幼子が誘拐されたという非常事態に周囲の大人たちのあまりに緊張感のない冷えた態度。
    昔の話と言っても、のどかすぎるというか、牧歌的というか・・・・。
    さらに、自然に事件に首を突っ込むことになる悦子と兄の雄太郎ですが、いくら何でもこんな時にそれほど親しくない素人をここまで内輪に入れてしまうかな?とか、身代金の準備をする際にお金の調達なんて重要な事を依頼するなんて・・・現代では考えられないことだと思いました。
    だからこそ、成立するストーリーではあるんですが・・・。

    あまりにゆるいと思われた事件ですが、その後、殺人事件が起き、仁木兄妹の活躍により、様々な人間関係や思惑の絡んでいる事が見えてきます。
    そして、私が最初に抱いた「緊張感のない」印象が計算されたものだというのが分かります。

    ネタバレになってしまうのでここには書けないけど、この話のある場面が私は大好きで、想像すると可愛くて微笑ましいと思いました。
    子供を見る作者の目線が優しく、その描写に作者の愛情を感じます。
    そして、読み終えて健康的な本だと思いました。
    殺人事件とか、誘拐事件とかが描かれた犯罪小説なのに・・・。
    それは多分、主人公の悦子や雄太郎の印象からくるものだろうと思います。
    健全な肉体と健全な精神をもった主人公。
    とても爽やかに読みきれるシリーズです。

  • さらっと読めてほっとするミステリ。

    音大生になった仁木悦子と植物学を専攻する雄太郎の兄妹。
    二人は、とあるお金持ちの子息誘拐事件に遭遇し、それはさらなる事件に発展していく。

    ほっとするミステリと書いたが、事件は『日常の謎』という訳ではなくけっこう血なまぐさい。それでも仁木兄妹のやり取りや、文章の端々から立ちのぼる生活の匂いに温かみを感じる。

    すごいトリックはなくても愛おしいミステリ。
    『仁木兄妹もの』はもっと読みたいな。

  • 仁木兄妹シリーズ

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