- Amazon.co.jp ・本
感想・レビュー・書評
-
筆者は冒頭で、「衣食住交」という言葉を出している。
現代において「交通」は、「衣食住」と同じくらい日頃の生活で重要なファクターとなっているとの主張だ。しかしながら、交通は社会の中で軽んじられており、その結果、交通問題が生じていると言う。
30年以上前に書かれた都市・交通論であるが、現在でも根底において、指摘されている問題や政策の方向性は参考になる点が多い。また、どのような考え方で現在の交通環境が生まれてきたのかについても知ることができる。
既に絶版となっているようだが、本学図書館には所蔵されているので、都市計画や交通計画に関心のある方には、一読を薦めたい。
(2013 ラーニング・アドバイザー/心理 SATO)
▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=224772&lang=ja&charset=utf8詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1981年出版の本を、2019年に読む。
時を超えて交通のエッセンスを説かれているような不思議な感覚になる。
国鉄と私鉄、電車とバスなど、組織の境界領域では今も昔も世界的に摩擦と議論が起こる場所なのだと感じさせられる。
交通は人々の生活に大きく関わるものであり、ひいては人々の暮らす場所、都市のあり方にまで影響をもたらすものであり、いつの時代でも考え続けなければならない。
「人間の心や体の動きに対する関係者の目が不確かなうちに、技術だけが花開いても、せっかくの技術が、どこまで本当に暮らしを豊かにする実として結ばれるだろうか」という記述が刺さる…。興味深い1冊。