怒りについて 他一篇(1980年) (岩波文庫)

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  • 怒りについて
    十、何処に怒りの入るる余地にやあるらむ。
    万事は、笑はられるか、泣かられるか、何れかである。
    十三、徳の全てを持ち続ける事は容易であるが、悪徳の世話は高くつく。
    二十五、本当に偉いと云ふ事の証は、殴られても気にしないと云ふ態度である。
    二十六、他人の中に非難すべき欠点を、自分自身の胸の中に発見する筈である。
    三十四、人間に与へられた会話は、自然界の不正の一つに数へられてゐる程である。
    三十五、何ぼう優美なる神経を持てども、雷の音は聞かねばならぬ。

    神慮について
    一、善き人は神の弟子であり模倣者であり、また本当の子孫である。
    六、神は次の様に云ひ給ふと思ふべし。我は他の者達の周囲に偽りの善を置けり。亦彼等の空虚なる心を、謂はば長き誤魔化しの眠りで欺けり。我は全ての善をお前達の内部に置けり。然れば、幸福の必要あらざりしが、お前達の幸福なり。

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著者プロフィール

ルキウス・アンナエウス・セネカ(Lucius Annaeus Seneca)。紀元前4年頃(紀元前1年
とも)~紀元65年。古代ローマのストア派の哲学者。父親の大セネカ(マルクス・アンナ
エウス・セネカ)と区別するため、小セネカ(Seneca minor)とも呼ばれる。ローマ帝国の
属州ヒスパニア・バエティカ属州の州都コルドバで生まれ、カリグラ帝時代に財務官とし
て活躍する。一度はコルシカ島に追放されるも、クラウディウス帝時代に復帰を果たし、
のちの皇帝ネロの幼少期の教育係および在位期の政治的補佐を務める。やがて制御を失っ
て自殺を命じられることとなるネロとの関係、また、カリグラ帝の恐怖の治世といった経
験を通じて、数々の悲劇や著作を記した。本書はそのなかでも「死」との向き合い方について説いた8つの作品がもとになっている。

「2020年 『2000年前からローマの哲人は知っていた 死ぬときに後悔しない方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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