日本人論の系譜 (1980年) (講談社現代新書)

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  • 【目次】
    まえがき(一九八〇年一〇月 南博) [003-005]
    目次 [006-009]

    第一章 日本人論の先駆者たち 011
    変革期と学問の発展/新しい日本人論の誕生/二つの日本人観/国家意識に支えられた西洋理解/福沢諭吉の先駆性/「有形」の文明と「無形」の精神/日本人変化説と日本人不変説/政体は変わっても人民は変わらず/日本人劣等説の横行/欧化政策と「内地雑居」論/封建的意識と西洋崇拝/「内外表裏の別」/内を重んじ外を見ない日本人/公共精神欠く日本人/「社会の進歩は手細工にあらず」/思いつき“論”から“学”へ/福沢諭吉が残した問題

    第二章 風土と日本人 039
    “風土と人間”論のさきがけ――『人国記』/『人国記』のその後の影響/「地は人に影響し……」――『世態人情論』/地域性より国民性へ/志賀重昂の『日本風景論』/「人類は自然の奴隷にあらず」――内村鑑三の風土論/芳賀矢一の『国民性十論』/「草木を愛し自然を喜ぶ」/「自然という楽地は別にある」/風土の中で自分をどう了解するか――和辻哲郎の『風土』/マルクス主義全盛の中で/モンスーン地域の風土/「自然との戦いの半面は、人間との戦いである」/再考の余地ある“風土の産物”論/「しめやかな激情、戦闘的な括淡」/マルクス主義からの反批判/和辻風土論の矛盾/戦後の生態学的風土論/ “照葉樹林文化”の考え方/地理学からのアンチテーゼ/農業生産の風土的発展/「風土に貴賎はない」/風土論的日本人学の課題

    第三章 美と日本人 077
    風土と日本人の美意識/“幽玄”の美意識/本居宜長の“物のあはれ”/物のあはれを知ることは人間の本性/「人情ノ本然、聖人凡人カハル事ナシ」/日本人の美意識への疑問/上方の「粋」、江戸の「いき」/北村透谷と「粋」/阿部次郎の江戸芸術分析/『江戸深川情緒の研究』/九鬼周造の発想の原点/「あか抜けして張のある色っぽさ」/“いき”と“粋”と“やぼ”/遊女の美、素人の美/“いき”と“意気地”/疑問多い“諦め”としての“いき”/国家主義への接近/「真と美の永久の静けさを求めて」

    第四章 日本人の国民性 109
    西周の「国民気風論」/福沢諭吉の“人間交際論”/可日本には政府ありて国民なし」/日本人の服従心/日本人が世界に貢献できる道――三宅雪嶺の日本人論/戦勝国民としての自信/日本人の長所と短所――「日本人の五特質」/日本人は「没我的国民なり」/日本人は「意気地なき国民」か/福沢以来の定説への反論/日本人と西洋人の公共心のちがい/改造困難な「国民の根本性」/日本国民性の長所――忠誠、潔白……/「甘え」に通じる短所/日本人とドイツ人の国民性比較/「我が同胞は西洋を有難がり過ぎる」/永井荷風の西洋崇拝批判/社会主義者による“日本国民性の研究”/日本国民性の楽観論/日本国民性の悲観論/“自惚れを一掃せよ”/『タテ社会の人間関係』における「資格」と「場」/「内」と「外」の人間関係/年功序列制と能力平等観/イギリス、アメリカはヨコ社会か/日本以外にもあるタテ社会/日本のリーダーの条件/中根理論はエリートの理論

    第五章 日本人の恥意識 159
    タテ関係を重視させる原因、甘え/子どもに甘えは必要か/対人恐怖と甘え/日本人だけにみられる視線恐怖/日本人研究の最初の労作『菊と刀』/ベネディクトの手法と『菊と刀』の背景/『菊と刀』への基本的な疑義/民俗学と歴史的分析/柳田国男の評価/可日本文化への墓碑銘」の指摘/「菊」と「刀」は何をさすか/「終わりを遂げた生命は、すべて同時にみられる」/日本の文化は “恥の文化”/封建社会と恥意識/罪の文化に生きてきた日本人/中間集団と甘えと恥/罪意識のほうが内面化が強いか/「みそぎ」と「繊悔」

    参考文献 [188-190]

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