薔薇の木―高田敏子詩集 (1980年)

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  • 花神社
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  • 日本画家の兼島聖司さんという方宛のサイン入りの本やった。
    いろんな詩の中で繰返し現れるモティーフやテーマがあって、それが、年齢や経験や境遇の違いはあるのに、今の私にとっても大事なもので、分かるな、いいな、と思いながら読みました。あと、微量のユーモアで読む声がすこし浮き上がったり。
    「日々」、「海辺で」、「冬の道」などがとくに心に残った。

  • ふとしたときに、なんでもないことから、強い感情に襲われることがある。
    誰もがいつも心の底に抱えているものが、気まぐれに顔を出したような唐突さで
    人は止まり続けることなどできないと知ってしまったときの、親しい淋しさのようなもの。
    そんな感情が文字を追うごとに、じわじわと湧きあがってくる。
    「日々」ではかかえるものが一斤のパンの軽さであるところが、そう。
    「夜の猫」では夜道に浮かぶ白猫のイメージの硬質さが孤独感を煽る。
    それだけでも良い詩集だけれど、孤独を嘆くのではなくそれを引き受ける潔さもあって
    とても快い詩集だった。今となっては手に入りにくいのが残念だ。

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著者プロフィール

1914年~89年。東京日本橋の生まれ。「お母さん詩人」「台所詩人」と呼ばれる。詩誌『野火』を主宰。室生犀星詩人賞、現代詩女流賞受賞。詩集『月曜日の詩集』、『藤』、『夢の手』他、随筆集など著書多数。

「2013年 『高田敏子 暮らしの中の詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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