悪女について (1978年)

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感想・レビュー・書評

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  •  美貌の女実業家の不審死に関し、彼女と関わりのあった二十七人の男女が様々な証言をする。語り口調なので読みやすいし、読めば読むほど謎が深まり、止まらず一気読みの面白さ。

    ・復員くずれ、旧華族(公家やら武家やら)、進駐軍、など時代背景の描写が興味深い。二〇二三年のドラマ化作品では現代ものになっているとか。同時代の話として読んでも(見ても)納得できるのか、気になる。

    ・彼女はちゃんと幸せだったのかなあ。でもやっぱり最後の証言が救いなのかなあ。

    ・光子嬢の登場で、これまた新事実が…!と動揺したが、この件の真相がわかったときにはちょっと有吉さんの茶目っ気というかユーモアというか、ペロッと舌出してるのが見えて、大笑いしたい気分になった。こういうとこ好き。

    ・果たして悪女か否か…という煽りに対しては、だいたい「悪女」ってなによと言いたくなる。だったら男の方も悪いか悪くないか言ってみなさいな、だいたい悪かったじゃないの、ねえ。当たり前みたいな顔して。「悪男」という言葉はないという事実。

    • 111108さん
      akikobbさん♪

      歌舞伎でいう「色悪」検索してみました。めちゃかっこよくて、女を平気で振る冷血さと悪事を働く狡賢さを併せ持つ主人公のラ...
      akikobbさん♪

      歌舞伎でいう「色悪」検索してみました。めちゃかっこよくて、女を平気で振る冷血さと悪事を働く狡賢さを併せ持つ主人公のライバル的存在なんですね。色悪が悪女の男版だとすると、公子は悪女とするにはあまりにも無自覚な気がします。いろんな人に憑依しちゃってるような感じ。それが逆に怖い!と思いました。
      有吉さんに遊ばれて楽しかったです♪
      2024/02/14
    • ロッキーさん
      お2人のレビュー、とっても楽しいです!!
      わたしも有吉さんに弄ばれたくなっちゃいました(笑)近いうちに再読します!
      歌舞伎の「色悪」知らなか...
      お2人のレビュー、とっても楽しいです!!
      わたしも有吉さんに弄ばれたくなっちゃいました(笑)近いうちに再読します!
      歌舞伎の「色悪」知らなかったのですが、そちらはなんだかんだかっこよいですね。111108さんのおっしゃる通り、確かに公子は意識的な手練の悪ではなさそうで、その得体の知れなさは不気味です…!
      2024/02/14
    • akikobbさん
      悪いんだけど魅力的、というところが色悪と通じるかなと思ったのですが、色悪を「魅力的」と思うのはあくまで観劇しているメタな視点での話で、作品中...
      悪いんだけど魅力的、というところが色悪と通じるかなと思ったのですが、色悪を「魅力的」と思うのはあくまで観劇しているメタな視点での話で、作品中の世界に身を置いたら怖いひどい存在でしかないかも笑。美男ではあるけれども。公子を「善い人です」と言うように、言う人はいなさそうですね。
      公子はどうだったんだろうと考えれば考えるほど、公子自身の語りがなく、答え合わせ的なことをしていないこの作品の(有吉さんの)凄みを感じます…!
      ロッキーさん、もしまた再読されたらぜひご感想を♪
      2024/02/14
  • 母が見ていたドラマにはまって家にあった小説を読んでから、早30年以上。
    今でも年に2回は最低でも読み返す、私のこの世で一番好きな本です。
    構成といい、ストーリーといい本当に惚れ惚れします。悪女か否か、それはどうでもいい。
    騙された人も、これだけの大物と関わったことで非凡でドラマチックな人生となったこと、感慨深くかみしめてもいいのかも・・・と私は思ってます。まああ・・とか愛ですわ、夢ですわ・・・は結構私は身についちゃって、よく使ってます、ははっ!でも君子には当然なれはしない・・・。

  • あなたは他人からどう見られている?

  • 小悪魔ブームなんか目じゃねぇよ、というお話。
    ここまで思う存分やりたいようにやり抜く女っていうのは逆に清清しいな。それでいて悪い印象ばっかり与えている訳ではない(むしろ好印象を受けている人が多い)っていうのは、計算だと分かっていてもすごいとしか言い様がない。
    時代が時代だし、こうでもしないと満足できる人生を送れないって本能的に察知していたのかもしれんが。本当に幸せだったのかという疑問は残るけど、最後の次男の証言だけで彼女は報われるんだろうな。
    どっちにしても、たいした女だよ。

  • 友人一押しの一冊。有吉佐和子さんすごい、に尽きる。なんで今までこの人の本を読んでこなかったのか。こんな本書ける人ってどんな人なんだろう、って公子と同じくらい有吉さんに興味を持ってしまったので、すぐ他の作品読まなきゃって思った。

  • 学生の頃、寮の隣人に薦められて読み、衝撃的だったのを覚えています。

  • テレビでみたあとだけどちゃんと読めた!
    ストーリー知ってるとあんまり読めないんだけと読めた。

    おもしろい~。
    ほんとはどういう人だったんだろう。
    計算だったのかな、純粋だったのかな。
    夢のなかで生きていたのかな。

  • 27人の人が語った主人公「富小路公子」の話ですが、本人からのことばが一切ないという手法がこの小説の魅力になっています。とにかく面白かったけど、こういう天才的な嘘つきが周りにいたら大変だろうなぁとも思いながら読みました。

  • これはすごい!エリカ様のイメージがピッタリすぎる!証言形式もおもしろい。

  • 再読。1978年の作品。
    自殺か他殺か判断がつかない状況で亡くなった女実業家、富小路公子について、27人の証言者が語るという形式の話。
    誉める人もあれぱ嫌悪する人もあり。
    非常に面白いのだが、27人は多すぎて飽きてしまう。

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