チャイナタウンの女武者 (1978年)

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  • こうの史代さんの描くやわらかな絵のなかにとけていったよう。そこはあたたかくて、いろとりどりで、やさしく幻想的でざんこくな世界。けれどふと辺りをみまわすとルルワンの撮るようなドタバタ家族の会話に笑い、テリーギリアムの創るへんてこな世界にほうりだされる。かなしい運命の思い出話に涙をこぼしながら。それから彼女たちが、その記憶と体験の生んだ濃くたちこめる暗澹たる迷路のなかに迷いこんでゆくのをみた。
    その深奥から、胡笳 にあわせるうたが聴こえる。それは底ぬけに明るく響くから、わたしは笑いながらその天幕へと続く森をわけいって見つけた綻びにそっとふれた。それは、たしかな感触だった。

    圧倒的ストーリーテリング(訳がすばらしいのかも!)。ぴかぴかの情景が目の前で踊り、耳元では彼女が物語ってくれる。
    彼女のあかさん。ああ、面白い。あぁ、いとおしい。
    中国(仮)のグロテスクな慣習も伝説もおまじないも、30年ぶりの姉妹再開場面も、とてもすき。肝っ玉かあさん、英蘭。すみません、ひとごとですけれど!

    「かつてのわたしを悩ませたものは中国人的なしかくなどではまったくなく、あの苦しまなくてもやがては消えてゆく子供の視覚であったのかもしれない。」

    「~なにがわたしの想像上のことにすぎないのか、なにがわたしの家族にかぎったことなのか、なにがその村にかぎったことなのか、なにが映画だけのことなのか、なにが生きてゆくというそのことにすぎないのか、わたしはいまだにそれをなんとか区別をつけようとしているのだ。」

    「竜の遊具である緑色と青色の真珠のような地球。」

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