私が読んだのは三笠書房の1977年発行だが、ブクログで見つからないので、翻訳が同じ鈴木力衛氏のこちらで登録する。
当時のパリ周辺の地図を片手に読んだらさらに楽しめそう。
冒頭のマルグリットの墓を開く場面は、かつての美女の死体、といわゆる日本の小町ものを連想した。
終盤のアルマンがマルグリットに手紙と500フランを送った場面で、とても腹が立った。
賛歎、枕頭、贖罪、罪障、罪業、首っ玉、ねんねえ、尾羽打ち枯らすなど、令和6年現在なかなか出会わない語句が出てきて面白い。
倫落の記載があったが、当時はさんずいの淪落よりこちらが一般的だったのかな?
語調は固いが、リズムが良いためかどんどん読み進めることができた。