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感想・レビュー・書評
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アメリカ、ソ連という二大覇権国家によって国際政治の枠組みが形作られた冷戦期が終わり、多元的秩序に基づく新しい国際政治の舞台が生まれつつあることを論じた本です。
かつては、資本主義と社会主義というイデオロギー上の対立と、核の保有によるパワー・バランスが、政治的・経済的なレヴェルでの双極状況を規定しており、このことが冷戦期の国際政治を特徴づけていました。しかし、ソ連の衰退・崩壊によって冷戦が終わりに近づくにつれ、こうした二極的な国際政治状況に変化が見られるようになってきました。本書では、そうした変化の兆しがさまざまな観点から紹介されています。
本書に特徴的なのは、冷戦期の国際秩序からポスト冷戦期の国際秩序への移行を論じるのではなく、冷戦のうちに双極化の方向への力と多極化の方向への力の均衡を見いだし、この均衡が崩れることで、冷戦以降の新しい国際政治状況が前景に押し出されてきたことを明らかにしている点です。こうした分析によって、冷戦期からポスト冷戦期に至るまでの変化を、一貫して説明しようとしています。
古い本ですが、現在の国際政治状況の淵源について学ぶことができたように思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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