遙かに祖国を語る―小野田寛郎・酒巻和男対談 (1977年)

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  • 真珠湾攻撃の特殊潜航隊の艇長酒巻氏と、終戦後もルバング島で戦いを続けた小野田氏の対談本です。

    昭和52年、既に「小野田さん帰国」から時がたち、注目する人もすくなくなった小野田さん。捕虜第一号として、その存在を消されたかのような酒巻さん。
    偶然にも、お二人とも当時、ブラジルで生活されていました。

    もともとお二人には、それぞれの人生がありました。しかし、自分では避けることのできない徴兵によって変えられてしまいました。そしてさらにその後に、見ず知らずの日本人が作った虚像でみられ、好き勝手に言われる対象となることを強いられました。

    40年前の本とは思えません。まさに、今の「メディアスクラム」でバッシングされたことがよくわかります。
    現在の誰かと誰かの対談といっても通じてしまうくらい、同じような状況です。

    その状況を、お二人は「日本のせま苦しさ」として語っています。
    当時と違い、今は世界のどこにいても、リアルタイムでやり取りができるような世の中になりました。なのに、どこに住んでもよいような状況が現実になった後の、「日本の、日本人のせま苦しさ」。

    全く変わっていないことが、まさに日本人のサガなのかな、と感じます。
    せまい部分に目を向けるのか、広い未来を描くのか、それは、今をいきる人々に任されていることと思います。

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