青春を山に賭けて (1977年) (文春文庫)

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感想・レビュー・書評

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  • 雪山に登りたいと思ったことは有りません。寒いし怖いし。でも登っている人や本は大好き。この本はまだまだ日本がこれからぐんぐん成長していく頃に、ひたすら冒険だけを見据えてまさに青春を山に賭けた青年の物語です。昔何度も読みましたが手放してしまっていました。今回再度入手して読みましたが、やはりじわじわと体に熱を帯びてくるような気がします。10年前も放浪の旅の時にも持って行って、野田知佑さんの本と共に心の拠り所にしていました。

  • 昨日の夕刊トップは「エベレスト、静かな春 日本人初登頂から50年」という記事だった。植村直己が松浦輝夫とともに登頂して、この日でちょうど半世紀になるエベレスト。今はコロナ渦で入山禁止になっているらしい。

    本棚の奥から本書を引っ張り出してみた。奥付には1977年第1刷、1981年第7刷とある。価格は260円。

    何十年かぶりで本書を再読し、改めて植村直己の類まれな人間性に強く惹かれた。若気の至りのような冒険旅行の中、次々にピンチが襲う。しかしその都度巡り合った人に恵まれ、「今日まで私は二十五、六カ国かけめぐったが、誰ひとりとして悪人はいなかった」(p249)と言い切る。まるで信じる者は救われると言うかのようだ。

    もちろんゴジュンバ・カンの明大隊に呼ばれ、日本山岳会のエベレスト遠征の一員になり、それぞれ頂上に立ったのは、並外れた実力があったからに違いない。しかし植村の真骨頂は、このような登山の力だけでなく、言葉も通じない異人種(長期滞在した欧米の人たちだけでなく、アフリカのマサイ族、ネパールのシェルパ、アマゾンのインディオなど)といとも簡単に心を通じてしまうことだと思う。

    1984年のマッキンリーの遭難時、祈るような気持ちでニュースを追っていたことをよく覚えている。こんな人が早く亡くなってしまったことがかえすがえすも残念だ。本書は植村の著書の中で最初の作品。40年以上も前に書かれたものだが、特に若い人に強くお勧めしたい。

  • 目標を決めてからのそこにむかうまでのストイックさがとにかくすごい。

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