トリストラム・シャンディ〈上〉 (1969年) (岩波文庫)

  • 1969年8月16日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 訳者まえがきに記載があったのである程度覚悟はしていたけれど、主人公が産まれるまでが長いこと長いこと。トム・ジョウンズも最初は焦れたけど、あんなの比じゃないくらいに主人公の影形がない(語り口は主人公だけど)。上巻の最後の最後に主人公がやっと産まれるだなんて前代未聞だよ。

    というかこれはどういうジャンルの文学なのか?主人公の人生を追うでもなし(なにしろ大半産まれてないので)、作者の主張を登場人物に語らせるでもなし(随筆的というにはふわふわしすぎている)、連想に連想を重ねたとりとめのない、思いつきのような軽さの思考をただつらつらと書き連ねているだけの、、、それでも決して散らからず(こんなにふわふわしてるのに!)、不快にもならない手腕は見事だと言わざるをえない。なにを伝えたいのかは全く分からないけど。

    ただ、この調子で続くのならそりゃあ終わらないでしょうね、まえがきに未完とあったのも納得できる進行の遅さです。真っ黒のページはあったけど、原作にあるように虹色のページ(これもまえがきに記載があった)とかも見たかったなあ。18世期にこんなとんでもない小説が産まれているイギリスは層が厚いなあと思いました。

  • 文字は小さいしなんか堅苦しいし、と思いつつ読んでいたら、半ばあたりに叔父トウビーとトリム伍長の暴走が出てきて、読み続ける気力が出ました。
    ダウントンアビー然り、戦争に行った上司部下が主従になるのはよくあるパターンなのでしょうか。これをお父様とベイツさんでやってるとこを想像すると笑えて、ジーヴスも思い浮かんで、この訳もよいのですが、ジーブス訳な感じや、岸本佐知子的な訳で読めたら面白いんじゃないかとか思いました。

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