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感想・レビュー・書評
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主として宗教改革期から一七世紀末までのヨーロッパにおける寛容思想を跡づける研究。もっとも、宗教戦争を経てどのように寛容が実現されたのかについても、フランスやイングランド、あるいはポーランドの事例を通じて描き出している。本書でも指摘される通り、ポーランドやフランスというカトリック国において寛容がいち早く実現されたという事実、そして名誉革命によって追放されるジェームズ二世が寛容を自らの信念としていたという事実は、寛容が必ずしも新教の占有物ではないことを示している。そのような政治的次元とは別に、良心の自由の積極的評価という神学的哲学的議論から、フランスのポリティーク派による国家利益への宗教政策の従属の議論など、寛容を理由付ける理論についても幅広く紹介されており、寛容思想の様々な現象形態を知ることができる。
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