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感想・レビュー・書評
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ロシア軍の探検隊長の筆者と自然の中でたった一人で狩りをして生活するデルスーとの出会い、友情、そして別れの話。
文明人である筆者ら探検隊が忘れてしまった、自然の中で生きるための多くの知恵と洞察力と行動力で、何度も筆者を命の危険から救うデルスー。その信仰は、万物を人とみなし、命の価値の優劣がない。食べ残しは焚き火で燃やさず、別の人(タヌキや虫や)のために置いておけと言う。
街で一緒に暮らすことに決めた2人の友情と、つらい別れのラストは読んでいてたまらないものがあった。
印象的だったのは、都市で暮らす兵隊たちのほうが他文化や他の信仰に不寛容で、デルスーはじめ、自然の中で生きる人たちのほうが他者に対して寛容である、という話。社会のシステムというのは画一的であることを求め、例外を拒絶する。一方で自然のシステムは多様性の中で成り立っている。
異質なものに出会った時どういう態度をとっているだろうかと自分を顧みる。
社会のシステムに組み込まれている我々だけど、デルスーのように、強く、賢く、他者への愛を持って生きたいと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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