沖縄決戦―高級参謀の手記 (1972年)

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感想・レビュー・書評

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  • 沖縄戦の第32軍高級参謀の八原博通が沖縄戦を振り返った本。

    まず、作戦の立案者として最初から最後まで関わった人が残している本というのが極めて珍しい。

    そして、攻勢主義の自分以外の幕僚たちとの孤立無縁な状態が哀れ。結局攻勢によって戦力を大量喪失し、最後には牛島司令官に「お前が正しかった。全部任せる」とまで言われる。

    司令官と参謀長が自決したのに生き残ったことで轟々たる非難を浴びたが、生き残っていなければこの本は生まれなかった。

    沖縄戦については、民間人の悲劇についての本が多いが、純軍事的に作戦全般の推移を書いたものは極めて少ない。よく言われるように、32軍は住民の保護に無関心だったわけではない。指示通り人口が集中する南部から、せめて沖縄北部の山岳地帯に移動していれば、これほどの悲劇は生まれなかったと思う。

    また、司令部のあった首里を捨てて摩文仁へ後退したときに民間人の犠牲が一番多く、首里で降伏すべきだったいう意見も見るが、それには結果を知る現代人の傲慢さがないだろうか。

    長参謀長にパイナップルを「あーん」してもらうところでなごんだ。

  • 日米双方での評価が180度異なる八原大佐の手記。
    米軍が絶賛する一方、旧軍関係者を中心に八原大佐の悪評が目立つ。
    持久戦の方針が消極的と言われたり、捕虜となったことが彼の評価を下げているという。

    図書館その他で探し出して読んでみたい本です。

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