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- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
感想・レビュー・書評
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フェミニズムってよく分からんけど、フェミニストにとっての教科書みたいな作品じゃあないかなって思う。
結末部の主人公ノーラの言葉を発するためには、ノーラは夫のかわいいお人形でありながら、無意識下では冷ややかに夫のことや自分の立場なんかを観察してなければなかったはずで、そういう二面性が怖いな。
ノーラがきちんと事情を話せていればこのような結末は回避できていたんだろうけど、話せなかった最大の要因は、父と夫から考えないお人形である女性像を求められていたこと、ノーラ本人も(意識下では)それに疑いを持たず、お人形の役割に徹していたことにある。
妻であり、母である前に一人の自立した人間にならねばならない、そのために男から離れなければならない、という考えはよく分かるんだけど、自分が子を持つ立場となった今では、それで子どもまで置いて出ていけるもんかね、と思う。
解説を読むと、イプセンが10代のときに10歳上の女中さんを妊娠させるも、養育費を送ることで解説(?)したエピソードが書かれていたので、作家自身、そういう親子の繋がりに疎い人なのかもしれない。もしかして当時は基本的にそんなものなのか?詳細をみるコメント0件をすべて表示
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