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感想・レビュー・書評
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(2005.10.12読了)(2005.02.18購入)
この本は、1946年に手紙として書かれ、1949年に公刊されたものということです。
ハイデガーの代表作は、「存在と時間」ですが、読み通すのは大変そうなので、簡単に読めて、ハイデガーを読んだ気分になれるかなとこの本を読んでみました。
でも、「存在と時間」を読まずに済ますと言うわけには行かないようです。
●哲学(9頁)
「哲学」は、「諸科学」に対して、自らの存在を常に正当化せねばならない。
このことは、哲学自身が一個の科学の地位に高まることによって、もっとも確実に行われるのだと、哲学は考えています。
しかしこの努力は、思考の本質の放棄です。
●マルクスにおける人間の本質(15頁)
マルクスは、「人間らしい人間」が、認識され承認されることを要求しています。彼はこれを「社会」の中に発見します。「社会的」な人間が、彼にとって「自然的な」人間なのです。「社会」に中に、人間の「自然」すなわち「自然的欲求」の全部が等しく確保されます。
●ヒューマニズム(17頁)
ヒューマニズムをば、一般に、人間が人間の本性に対して開放され、そこに人間の尊厳を見出そうとする努力だと解すれば、この人間の「自由」と「自然」をどう捉えるかによって、いろいろ異なった立場のヒューマニズムがあらわれてきます。同様にその実現の方法も、それぞれ違ってきます。
●人間の本質(18頁)
ローマ時代におけるヒューマニズム、及びその後現代にいたるまでのすべてのヒューマニズムは、人間のもっとも普遍的な「本質」を、自明なものとして前提しています。つまり人間は、理性的動物であるということです。
とどのつまりは、人間が動物性の本質領域内に追い落とされてしまうことを、はっきり知っておかなければなりません。
●人間の<実態>は明在である(28頁)
人間が、存在に対するその独自の本質において、現在存在する仕方は、存在の真理の中に脱我的に内在することである。
著者 マルチン・ハイデガー
1889年09月26日 ドイツ南西部のメスキルヒ生まれ
1909年 フライブルク大学神学部に入学。
1917年 エルフリーデ・ペトリと結婚。
1927年 主著『存在と時間』前半部を刊行。
1933年01月30日 ヒットラー政権が誕生。
1933年04月 フライブルク大学総長。
1933年05月 民族社会主義ドイツ労働者党に入党。
1934年 総長を退任。
1945年~1951年 連合軍より教職活動を禁じられる
1976年05月26日 自宅で死去。
☆関連図書(既読)
「新訳哲学入門」B.ラッセル著・中村秀吉訳、現代教養文庫、1964.02.28
「子どものための哲学対話」永井均著・内田かずひろ絵、講談社、1997.07.25詳細をみるコメント0件をすべて表示