現代世界文学全集〈第6〉マルテの手記・ロダン (1953年)

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感想・レビュー・書評

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    ── リルケ/大山 定一・他・訳《マルテの手記》
    《ロダン 1953‥‥ 新潮社》現代世界文学全集06
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B000JB4J1G
     
    ── リルケ《マルテ・ラウリス・ブリッゲの手記
    Die Aufzeichnungen des Malte Laurids Brigge 1910‥‥ 》
     
    …… ライナー・マリア・リルケの唯一の長編小説。デンマーク出身の
    青年詩人マルテが、パリで孤独な生活を送りながら街や人々、芸術、自
    身の思い出などについての断片的な随想を書き連ねていくという形式で
    書かれている。したがって、小説でありながら筋らしいものはほとんど
    ない。
     モデルとなっているのは、実際にパリで生活し、無名のまま若くして
    死んだノルウェーの詩人シグビョルン・オプストフェルダーである。
     
     Obstfelder, Sigbjørn 18661121 Norwey 19000729 33 /writer and poet.
     Rilke, Rainer Maria 18751204 Plaha 19261229 51 /~《Duineser Elegien,1923》《Auguste Rodin,1903》
     Rodin, Auguste    18401112 France 19171117 77 /
     
     リルケは、この人物についてそれほどくわしくは知らないとも語って
    おり、1902年から1910年の間、妻子と離れてパリで生活していたリルケ
    の生活や心情が、彼のプロフィールに重ね合わされる形で書かれている。
     
     作品は1904年から6年の歳月をかけて書かれた。『マルテの手記』の発
    表後のリルケは、長い間まとまった著作を発表しておらず、後期作品の
    代表詩である『ドゥイノの悲歌』と『オルフォイスのソネット』が発表
    されるのは、十数年を経てからとなった。
     
     アントン・ヴェーベルンは、本作に登場するマルテの母の妹・アベロ
    ーネの歌った歌として登場する2編の詩による『リルケの詩による2つの
    歌曲』作品8を、本作が出版された年に作曲している。(Wikipedia)
     
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%EA%A5%EB%A5%B1
     リルケ
    https://booklog.jp/users/awalibrary?keyword=%E3%83%AA%E3%83%AB%E3%82%B1&display=front
     
    (20170824)(20220730)
     

  • 所在:紀三井寺館3F書庫 請求記号:908||セ2||6
    和医大OPAC→http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=14063

    3F書庫にひっそり眠る、見た目は古びた文学全集。
    この第6巻には長編小説「マルテの手記」、評論「ロダン」ほか、「ドゥイノの悲歌」「オルフォイスへのソネット」などから選ばれた、リルケの詩作品の精華も収録されています。

    いまの学生さんは見向きもしない…かもしれませんが、「マルテの手記」は大山定一による名訳、しかも現在流通している新字新かなの新潮文庫版とは違い、旧字旧かなで読めるというのが、古い文学全集ならではと言えるでしょうか。

    「マルテ~」の有名な書き出しの一文はこうです。
    「人々は生きるためにこの都會へあつまつて來るらしい。しかし、僕はむしろ、ここではみんなが死んでゆくとしか思へないのだ」
    この書き出し部分の訳は、「マルテ~」の数ある訳のなかでも、大山定一の訳が、いちばん印象に残るのではないかと思います。

    今の学生さんは、リルケというと、どんなイメージを持っているのでしょうか。
    古めかしいような、もしくはロマンティックな詩を書いている…そんな先入観もあるかもしれません。
    かく言う私も、実はそう思い込んでいたのですが。

    実際に読んでみると、前時代的なロマン主義的なものではなくて、「マルテの手記」では現代社会にそのまま通じるようなパリの風景が描かれていますし、現代人の心の悩みに照応する詩が数多くあります。

    名作、有名な人の作品であればあるほど、すでに知っているような気になって手にとらなかったり、先入観から敬遠しがちということもあるかもしれません。
    でも、それは、もったいない!

    私は遠回りして今やっとリルケに辿り着いたところですが、若いうちに名作を読んでおくのは、かけがえのない読書体験ではないかと思います。
    (スタッフN)

    【併読のススメ】
    『リルケ全集―詩集』
    和医大OPAC http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=4911

  • バランスのよい編集内容。全体に訳がよい。フランス語で書かれたという『薔薇』の訳が格調高くて、すばらしい。薔薇の香りが実際にしてくるようだ。もしかしたら、原詩よりも上等に仕上がっているのでは? いずれにしても、薔薇からこれだけの深遠にして豊潤な世界を展開できるとは、リルケは凄い人だと改めて思った。『マルテの手記』訳もすばらしい。解説も親切で、安心してリルケの世界に浸ることができる。

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