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感想・レビュー・書評
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あとがきにあるが、著者は『白鯨』を下敷きにしてこの小説を書いたという。ただし、モビーディックは日本軍ではなく、舞台である架空の島の山だ。この山への偵察行動がクライマックスだ。強烈な意思と実行力を持つ指揮者と反発しながらも従う兵士たちと、徒労に満ちた不条理極まりない結末はまさに『白鯨』。この本は入手困難でさすがに訳に古さを感じるので新訳を求む。ただ、今どき戦争小説は需要があるのか疑問、それに軍事ものは用語に詳しくないとというハードルがある。
個人的に思うに、日本軍の戦争小説などを読んだことがあるが、軍隊、人間の性格がここまで違うことに驚く。民主主義って難しいわーと。上下巻合わせて約千百ページ。
この本は著者の処女長編だが、同じ年1948年に処女作を発表したほぼ同い年のアメリカ人作家がいる。カポーティだ。二人はライバルだったが今ではずいぶんと差がついたものだ。それでもこの作品だけはもっと読まれていいと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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