DAYS JAPAN2017年1月号

  • デイズジャパン
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  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910164970179

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  • 表紙写真は、日本を旅立つ直前に夫と撮影したポートレート(1961年)を、自宅で手にする井出多喜子さん(89歳)。朝鮮民主主義人民共和国元山(ウォンサン)市。2016年8月9日。フォトby林典子

    ぱっと見では、従軍慰安婦問題かと思うかもしれないが、そうではなく、本人の言では、北朝鮮で夫婦睦まじく一生を終えようとしている渡半島組の日本人妻を扱っている。カメラマンも推測を交えて書きたい部分もあるかもしれないが、聞いた言葉だけを淡々と書いていた。彼女の青い服の胸に違和感を放つ金日成の赤いバッジ。

    編集長後記には、「揺れる編集部便り」になったと苦笑いしている。「辛くなっちゃって、写真をまともに見ることができません」という声が多くなって編集方針を変化させようかともがいているらしい。確かに動物好きにとって、この間のウサギモルモットや、あぶれたペットショップ用の犬の姿などは、目を背けたくなっただろうし、空爆とかで惨殺された子供たちの写真も多い。それで今回はほのぼのする動物写真が多くなった。

    しかし、私が心に残ったのは、やはり「シリア、イエメン、リビアの、戦下の中東、飢餓の子供たち」の写真である。はっきり言って、飢餓の子供たちの写真は、記事さえ読めなかった。しかしこれらの記事のリード文を読んだだけでも、アラブの春からの反動、大国の介入が、いかに市民たちを謂われのない暴力に巻き込んでいるのか、如実に知ることができる。

    また、日本の在来馬の多様性を知って少しショックを受けた。古代日本の騎馬の在り方に再考を迫る写真だったと思う。在来馬が残っているのが、北海道や沖縄諸島に集中しているのも、現代のDNA分析で縄文系が北海道沖縄に分散していることと一致している。方言周圏論とも無関係とは思えない。

    2017年1月読了

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