あなたになら言える秘密のこと [DVD]

出演 : サラ・ポーリー  イザベル・コイシェ  ティム・ロビンズ  ジュリー・クリスティ  スティーヴン・マッキントッシュ  ハビエル・カマラ 
  • 松竹
3.66
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感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105053861

感想・レビュー・書評

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  • 前知識まったくなしで観ました。ロケーションとしては派手さがなく、全体的に静かに展開していくのに、引き込まれて目が離せなくなる映画でした。
    主人公の補聴器、淡々と過ごす日々、おそらく3食同じメニューの食事、何もない部屋、それらがクライマックスであろう彼女の過去を語るところで全て辻褄が合いました。その後の女性カウンセラーがジョゼフに言う言葉も重みがあり、なんとも言えない気分になりました
    こういった方が実在するのでしょう 他人事としてみるか、どうとらえるか…深く考えさせられるものでした。
     自分なりの解釈としては、最後のふたりの子は、本当にハンナの子だったのかな、というところ。あっさりとした幕引きの中にも、なにか余韻を思わせるものがあったので、にわかに信じ難かったのです
    伴侶を得て子ももうけ、ハンナは幸せを手に入れたといえるけれど、過去は過去のまま一生残るしなかったことにして幸せに突き進めるかと言えばそうではないよな、と…

  • 2023/01/18

  • とても良かったです。
    わりと万人におすすめ。

    途中までは、「何これ、イングリッシュ・ペイシェントそのまんま!」と、まったく同じ設定であることに驚いていたのだが、まあこれはこれでおもしろいからいいか、などと思っていた。
    でも、ラストは全く違う話になった。
    途中まで本当にまったく同じ設定だったのに。
    二度ビックリした。

    この映画、主人公二人(看護師と患者)をとりまく周囲の人たちの、ものすごく「普通な感じ」がすごく良かった。

    舞台は海に浮かぶオイル掘削所。事故があり、操業停止中。
    ありがちな映画だと、固く閉ざされた主人公の心を溶かすのは、そこで暮らす普通からはみ出した個性的な人たち、となりがちなんだけど、この映画はそういう「変な人図鑑」みたいなことにはなっていなくて、登場するのは本当にごくごく普通の人たちばかり。
    普通すぎて逆になんだかすごく新鮮。
    ぐいぐい距離をつめてくるような人や奇行に走るような人は皆無で、穏やかでほっとする空気。
    見ている私までが、静かな環境で、疲れた心をゆっくりとリハビリしているような気がした。

    みんなで暇を持て余して、口ぱくコンサートで盛り上がるシーンは特に印象的だった。
    なんだか不思議に心打たれた・・・
    これも特になんてことない場面なんだけれど。

    しかし、ティム・ロビンスがあんまり年老いていないことに驚いた。いったい何歳!?と思った。
    奥さんの方が、すっかりおばあさんになっていた印象があったから余計に驚いたんだけど、そうか、ティム・ロビンスの方がけっこう年下だったな、と思い出す。
    あと、主人公の女性は、「アボンリーへの道」のセーラなんですね。これはあとで知ったどうでもいいプチ情報。

    そうそう、もう一つのどうでもいいプチ情報。
    最後のクレジットにアルモドバルの名前が一瞬垣間見えて(プロデューサー?)、私はてっきりペドロ・アドモバル監督かと思って「あれ?珍しくヘンタイちっくじゃなくて良い映画だった!」なんて思っていたけど、ご本人じゃなくて弟さんでした。

  • 無口な女性看護師と、油田で重傷を負った男。中盤まではこの2人の会話劇が中心で、やや退屈に感じていたところで、ようやく心を許した彼女が告白した「秘密」はあまりに衝撃的なものでした。

    そして、これは現代の出来事であり、ロシアによるウクライナ侵攻を引き合いに出すまでもなく、ヨーロッパにおいては「戦争」は空間的にも時間的にも「地続き」だということわかります。極東の島国である日本では実感しづらいところです。

    かように過酷な体験をした人の側で寄り添うことは容易でもありませんが、最後にティム・ロビンスが見せた勇気ある行動が素晴らしく、この悲惨な物語に光明をもたらしてくれました。

    BS松竹東急「よる8銀座シネマ」にて。

  • ほぼ海底油田堀削所の群像劇。
    群像というか、大やけどを負った寝たきりのジュゼフ(ティム・ロビンズ)とその世話(看護)をするハンナ(サラ・ポーリー)の会話劇かな。
    最初、看護師って言ったのは嘘だと思ったけど、今の工場勤務の前はほんとに看護師だったのね。
    ハンナのなんとも言えないかたくなで孤高な感じは壮絶な過去によるものだったんね。
    ハンナっていうの拷問死した親友の名前だっていったけど、自分のこと?
    だから体中に傷があったの?
    カウンセラーを受けてたみたいだけど、ジュゼフが一番のカウンセラーだったね。
    ジョゼフ、なんかティム・ロビンズに似てる思ったらやっぱ本人だった。キャッスル・ロック2の時とだいぶ違い若い、
    15年も経っているだもの、そーだよね。

    でも、あのリュックだけで目も見えてなかったはずなのに、よく探し出せたよ。
    終始、暗く重い雰囲気が(いつも曇天で)あったけど、ラストは一緒に歩いていこうとする兆しがみえてほっとしたぁ。
    原題の意は”言葉に秘められしもの”

    The Secret Life of Words 2005年 115分 スペイン
    監督 脚本:イザベラ・コイシェ
    出演 : サラ・ポーリー イザベル・コイシェ ティム・ロビンズ ジュリー・クリスティ スティーヴン・マッキントッシュ ハビエル・カマラ

  • 再鑑賞。タイトルとポスターのgirlyさで甘い勝手な偏見と抜け落ちた記憶と、再鑑すれば想像以上に恐怖の「秘密」を持った主人公ハンナの告白に、ボスニア内戦の民族浄化への憎悪を激しく抱く。下手な戦争ドンパチものよりも、もっともっともっと。
    現代人を戦争に肉迫させるのは難しいのに、イザベルコイシェの技量が光る。

    「君のにおい 君の声 君の手」
    ある海底事故で視力を失った男を、ハンナが看護する。男は見えない君を想像する。
    「髪は何色?なんて名前?」

    ベッドに縛り付けられた目の見えない男の想像力が生む話しが、暖かい。
    「ショーンコネリーがスコットランドのスカートを履いてて、そのスカートの中に隠れるんだ」
    「僕と君は何も身に着ずに南の島で身体を寄せ合い寝る、お互いの汗が混ざり合うんだ」

    誰かを助けることは、自分を救うことになる。それは相反しない。

    心も身体も裸になり打ち明けられる相手など、そうそう居ない。一生逢えないかもしれない。
    彼女が何故、彼には秘密を話せたのか考える。理由が言えない。
    好きなものほど、その理由が上手く言えなくなる現象と同じ。

    海に浮かぶ油田製作所が幻想的で静謐でかっこよくて、ずっと観ていたくなる。

  • イザベル・コイシェ監督の人生のトラウマと向き合い生きていくことをひとつのテーマにしたヒューマン系の映画です。ドライに構えている主人公とスペイン映画独特の情熱的な人々との関わり方や心の開き方にもまた魅せられるものがあります。

  • ラブストーリーの要素もあるが、
    ヒューマンドラマだと思う。

    自分を語らない主人公に何があるのか?
    謎というより、暗い感じ。

    最後の最後まで
    ハッピーなのかわからない。。。

  • ガーリーな雰囲気のパッケージから想像したよりもずっと深く思いテーマを、淡々としたタッチで描く作品。深い傷を抱えて心を閉ざすハンナを演じるSarah Polley、自身も悲しみの只中にいながら彼女の心を開くジョセフを演じるTim Robbins、二人の演技が圧巻。抑え目の演出が却ってテーマの重さ、抱える悲しみを語る難しさを実感させる。思いテーマを軽々しく解決せずに救いを感じさせるラストも好印象。

  • どちらが「患者」だったのか、傷ついていたのは誰だったのか。
    舞台は事故が起こって稼働をストップした北海油田の基地で、陸地から遠く離れて時間がゆっくり流れていく。主人公の最後の告白もショッキングだけど、同僚と同性愛の関係に陥る男が何も知らない主人公に向けて「俺にもあいつにも家族がいるんだ、人生は不思議だよな」って言う場面は、すごくいい秘密の明かし方だと思って観てた。
    一度傷ついてしまったら、人間は元には戻らない。

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