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- / ISBN・EAN: 4988126205423
感想・レビュー・書評
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地下鉄の開通式のさなか 化猫が現れるエピソード 三話構成 本作の中で唯一近代化された日本を舞台としている この時代にあっても余り変わらぬ薬売りの風体は チンドン屋や旅芸人に間違えられた
地下鉄の新路線開通式。ホームは大勢の人で賑わっていた。地下鉄開通の立役者である福田市長に市民が盛大な拍手を送る中、市長や招待客たちを乗せた第1号列車が発車した。しかし、ほどなくして異変が起きる。運行中の列車からは突然ほとんどの乗客が消失し、残されたのは市長を含めた七人の乗客のみ。しかも、外の様子を伺おうとした福田市長は地下鉄から転落。闇の中に姿を消して消息不明になってしまう。恐慌に陥る乗客たちの前にふらりと現れた薬売りの男は、この事態はモノノ怪の仕業であることを告げる。モノノ怪の生まれた原因を探るうち、地下鉄の開通を巡る汚職事件とそれを追いかけた一人の女性記者の因縁が明らかになっていく………
モノノ怪を斬ることができる退魔の剣を携えて諸国を巡る薬売りの男がいる。彼が呼ぶのか 剣が呼ぶのか 薬売りの前には次々と妖異が現れる。モノノ怪を成すのは人の因果と縁(えにし)人の情念や怨念があやかしに取りついたとき モノノ怪となる。薬売りはモノノ怪の形と真と理を明らかにし退魔の剣でモノノ怪を斬っていく………
「モノノ怪の形を為すのは 人の因果と縁 よって皆々様の ″真“と″理″ お聞かせ願いたく候」
この″化猫″は、″悲しさ″ではなく″悔しさ″で出来ています。女性の社会進出など夢のまた夢だった時代に現在でさえ男の仕事的イメージのある新聞記者などという職業に就いていた節子さん。きつい物言いで上司に食って掛かったり、他の女性を見下したりして、男性からも女性からも共感は得られなさそうな人物。でも。自分に記事を全て任せてもらえることになると、思わず泣き出してしまう………きついだけの女性ではないのです。彼女は必死だっただけだと思うのです。女は新聞記者という道を選びその道で生きて行く為に相当気を張っていたのだと思うのです。必要以上に強い態度をとらなくては馬鹿にされる、男の人の何倍もの努力をしなければ一人前として扱ってもらえない………そういう想いが彼女にあのような言動をとらせていたのだと思うのです。
決して賢いやり方ではないです。頑張り過ぎるあまり、余裕を失い、大事なことを見失っているその姿は、愚かで醜いです。でも彼女の気持ちは僕には良く理解できます。あの陸橋で抵抗をせず諦めてしまえば命を落とすことはなかったでしょう。でも彼女にはそれが出来なかったのです。悔しくて。悔しくて、悔しくて、抵抗してしまったのです。迫って来る列車の音を聞きながら、彼女が流したのは悔し涙だったはずです。
節子さんは徹底して新聞記者でした。時々自分自身の感情が原稿用紙に描き込まれる表現が出てきます。あれは節子さんが新聞記者だから自分の見聞きしたことを原稿用紙に書き込むという行為が染み付いてしまっているのです。化猫・節子さんの「真」は市長の汚職を暴こうとした節子さんが殺され真実が闇に葬られてしまったこと。それだけではなくそうなるに至った要因を全部ひっくるめて、化猫・節子さんの″真″なのでしょう。
人に心がある限り 憎しみ 悲しみ 恨み 怒り…そういった情念も生まれ続ける。情念とあやかしは結びつき、モノノ怪は生みだされる。しかし、この世に在ってはならないモノノ怪は斬らねばならない。故に、退魔の剣とそれを振るう腕もまた、在り続ける。薬売りさんの仕事は、いつまでたっても終わらないのです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もうこれは1つの芸術。
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薬売りさんのかっこよさ…!!
櫻井さんの声もほんと素敵です。胸を張って海外に誇れるアニメだと思います。 -
「座敷童子」 前編・後編
「海坊主」 序の幕・ニの幕・大詰め
「のっぺらぼう」 前編・後編
「鵺」 前編・後編
「化猫」 序の幕・ニの幕・大詰め -
またアニメが放送されることを期待しています(*´∇`)
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最後の薬売りの笑顔にすべて持ってかれた。
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ラストの薬売りの可愛さが…///
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現代版化猫。
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いらっしゃいませー!
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海坊主も捨てがたい…。漫画買いたい