秋日和 [DVD]

監督 : 小津安二郎 
出演 : 原節子  司葉子  岡田茉莉子  佐田啓二  佐分利信  沢村貞子  桑野みゆき  笠智衆 
  • 松竹ホームビデオ
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105055377

感想・レビュー・書評

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  • 以前に観たことがあったためか、今回じっくりと細部まで目をやることができた。
    「娘を嫁にやるまでの未亡人の物語」で、父親版はいくつも撮られているが、母親版はこれだけなのではないか。
    主役はもちろん原節子と司葉子の母娘なのだが、彼女達を結婚させようといろいろ手を焼く亡き夫の友人達(佐分利信、中村伸郎、北竜二)のかけあいが面白い。粋でおしゃれな男達を実に楽しそうに演じている。小津の映画は脇役がイキイキとしているのが特色だが、この作品はそれが特に成功している。
    同じく司葉子の友人役の岡田茉莉子も同様で、東京下町のアプレゲール風娘の役柄をうまく演じている。
    司葉子は生真面目で潔癖な娘役にぴったりで、結婚前の女性の清楚な美しさにあふれている。立ち姿がすらりとして、半袖から出ているほっそりとした腕から指先がなんとも言えずしなやかで、時分の花という感じである。
    もちろん原節子はなくてはならない存在感だ。この作品では終始着物姿で登場する。
    原節子といえば、和装より洋装が似合う印象だが、立ち居振る舞いといい、所作といい、着物のさばきもさすがに完璧で、まさに人生の秋を迎えている女性の、成熟した美しさを表現している。
    昔はこうして、なかなか結婚しない娘や息子をなんとか嫁がせようと、周りの大人達がやっきになってまとめようとしてくれたものだ。そうして人はいやおうなく大人の世界に仲間入りしていった。今、こういったおせっかいな人たちがいたらな…などと思いながら観たりもした。

  • 姉妹みたいで仲のいい母娘の話。会話の節々に深みを感じる。

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著者プロフィール

1903年東京深川に生まれる。1923年、松竹キネマ蒲田撮影所に撮影部助手として入社。大久保忠素組の助監督を経て1927年、時代劇『懺悔の刃』で監督デビュー。以来1962年公開の『秋刀魚の味』まで、全54作品でメガホンをとり、サイレント、トーキー、モノクロ、カラーそれぞれのフィルムに匠の技を焼き付けた。1963年腮源性癌腫により死去。1958年紫綬褒章受章、1959年芸術院賞受賞、1962年芸術院会員。作品『生れてはみたけれど』(1931)、『出来ごころ』(1933。以上、松竹蒲田)、『戸田家の兄妹』(1941)、『晩春』(1949、芸術祭文部大臣賞)、『麦秋』(1951、芸術祭文部大臣賞)、『東京物語』(1953、芸術祭文部大臣賞、ロンドン映画祭サザランド賞、アドルフ・ズーカー賞)、『早春』(1956)、『東京暮色』(1957)、『彼岸花』(1958、芸術祭文部大臣賞)、『秋日和』(1960、芸術選奨文部大臣賞。以上、松竹大船)、『宗方姉妹』(新東宝、1950)、『浮草』(大映、1959)、『小早川家の秋』(宝塚作品、1961)ほか。

「2020年 『小津安二郎「東京物語」ほか【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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