真・女立喰師列伝 スタンダード・エディション [DVD]

監督 : 押井守 
出演 : ひし美 ゆり子  安藤麻吹  小倉優子  水野美紀  藤田 陽子  佐伯日菜子 
  • ジェネオン エンタテインメント
3.50
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102489632

感想・レビュー・書評

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  • 「オシメーション」はやめて、普通の実写でまずは安心。
    だが各短編ごとに出来不出来が大きすぎてびっくり。
    しかも完全に自由! というわけではなく、それぞれが押井守の縮小再生産を行っているような。
    収穫は「草間のささやき 氷苺の玖実」だけかな。

    ■オープニング 0分00秒~
    兵藤まこ(ケツネコロッケのお銀)と押井守登場のメイキング風。AV感……安っぽ。
    でも兵藤まこが映るだけで嬉しくなるとは、よく飼い慣らされてしまったものだ。

    ■金魚姫 鼈甲飴の有理(べっこうあめのゆり) (ひし美ゆり子、吉祥寺怪人、声=鈴木敏夫)(監督・脚本:押井守) 02分00秒~
    フリーカメラマン坂崎一は、縁日の飴細工の店ばかりを狙ったという伝説の女立喰師「鼈甲飴(ベッコウアメ)の有理」を探しあてる。
    彼女の背中には金魚の入れ墨があると聞いており、是非その入れ墨を写真に写したいと申し出る。

    鈴木敏夫が出演する関係か、スタジオジブリ事務所(「ポニョ」制作中!)も登場。
    入れ墨撮影を口実にして、思春期に憧れたひし美ゆり子のヌードを撮りたかっただけなんじゃないか……いやそうに違いない。
    「週刊お宝TV ウルトラセブン」でひし美ゆり子のコメントにデレデレしていた押井守の、ラブコールに違いない。
    内容はなんとも……。

    ■荒野の弐挺拳銃 バーボンのミキ (水野美紀)(監督・脚本・撮影・編集:辻本貴則) 17分00秒~
    暴力が支配するアリゾナ州ジャップシティにふらりと現れた「バーボンのミキ」立ち飲み師。
    酒場に眠っている「幻のバーボン」を所望するが、その町は署長のフランコと配下の保安官のヒロによって牛耳られていた。
    この町は自動拳銃が禁止とミキに難癖を付けてくる二人に対し、ミキの取った行動とは。

    水野美紀、顔はいいし、好感を抱いているけど、こと本作においては棒。あえてかもしれないけれど。
    文化祭で西部劇をやってみたらこうなったという水準……。
    橙色が全篇通じて保たれるが、そのカラーコーディネートも安っぽさ如何ともしがたい。

    ■Dandelion 学食のマブ (安藤麻吹)(監督・脚本:神山健治) 41分30秒~
    かつて伝説の立喰師達との死闘で身も心も疲れ切った神山店長(神山健治)は、その心の傷も癒え、今はファミリーレストランの店長に収まっていた。
    そんな彼の前に現れたのは、大学時代神山を始めとするクラスメイト達から手練手管で昼食をおごらせた「学食のマブ」だった。

    「立喰師列伝」の中の一篇からの続編。
    タルコフスキー「ストーカー」ばりの高速……と思いきや「ビッグ・ボーイ」!
    夜っぴてコーヒー一杯のおかわりで粘った挙句に、煮詰まっていたと難癖をつける女。
    視点人物は店長へ……あえて言えば恥ずかしげもなく神山健治の再登場だが、語りは声優に任せる良判断。
    大学のころの関係。意味なき川辺を歩きつつ、監督になりたい男と、女優になりたい女と。
    売人とヤクの取引?……話に乗りづらい。

    ■中CM (監督・脚本:押井守)(ポスターの女性:愛未)

    あ! 「トーキング・ヘッド」のコーヒーのCMと同じ趣向だ!

    ■草間のささやき 氷苺の玖実 (藤田陽子)(監督・脚本・撮影・編集:湯浅弘章) 66分30秒~
    今より30年以上も昔。
    広大な唐黍畑の中に玖実はいた。
    唐黍畑の中心にあるお堂で男の世話をしつつ、そこを通りかかる菓子屋を畑の中に誘い込み、商品を奪っていくという。
    そんな唐黍畑に迷い込んでしまった氷菓子売りの青年由起夫…

    果てしなく広がるサトウキビ畑で、男と女と、嫉妬と……。
    いわば密室のような息苦しさと、常に空が見える解放感と。緑。赤。虫。すごい。
    クミの活劇ではなく、クミにからめとられた青年の煩悶……。
    この映画内で、一番美しい、クミの横顔を、ちらっとしか見せてくれない、湯浅監督の手腕よ。
    翌日に二度目鑑賞してもまたよい。

    ■歌謡の天使 クレープのマミ (小倉優子)(監督・脚本・撮影・VFX:神谷誠) 87分30秒~
    1985年の東京原宿。
    竹下通りにある売れないクレープ屋の前に一人の少女が立った。
    マミと名乗る少女は自分がアイドルの卵で、この店の宣伝をしてあげると称する。

    台本を読むだけの戦後。
    でもいいんだ。媚びのみ。
    とはいえ、政治意識→テレビ番組・アイドルへ意識を逸らす「3s政策」……プロパガンダ・マインドコントロール。
    をゆうこりんがたどたどしく本を読む。そのミスマッチがいい。
    この「3s政策」……いまカルチャーに耽溺している自分もどっぷりなので、いずれ調べたい。

    ■ASSAULT GIRL ケンタッキーの日菜子 (佐伯日菜子)(監督・脚本:押井守) 110分50秒~
    AD 2052。
    成層圏から巨大降下猟兵「FsJ87"Temjin"(天人)」で地球に降り立つ女大佐がいた。
    彼女はかつて「ケンタッキーの日菜子」と呼ばれた凄腕の女立喰師だったが、彼女が何故地上に降り立ったのか。
    そして彼女の見たものとは?

    KFC! 「アヴァロン」か「ガルム・ウォーズ」っぽいCG! で対決するのは「FF7」のミドガルズオルムみたいなエイリアン。
    佐伯日菜子、顔が素晴らしい。
    ここまで描かないと「その後立喰師たちの姿を見かける者はない」式の幕引きができないのか。

    ■エンドクレジット 118分40秒~

    メイキング的な。いいなー楽しそうだなー!

    なんでも「ASSAULT GIRL ケンタッキーの日菜子」と「アヴァロン」が融合して「ASSAULT GIRLS」へと……仕方ない見るか。
    ……あれ? もはや「立喰師」ほとんど関係なくね?

  • 押井守さんの立喰師シリーズの中でも異彩を放つ名作。6編の短編からなる女立喰師ストーリー。女優業から足を洗い30年以上経つ、ウルトラセブンのアンヌ隊員ことひし美ゆり子さんが「鼈甲飴の有理」役で主演してるだけで奇跡。どれも好きだけど小倉優子の「クレープのマミ」は良くできています。

  • ぴっちりスーツの「ケンタッキーのひなこ」さんとか、陰謀論をときマレビトとしてクレープ屋さんへ祝福をもたらすゆうこりんとか、良いのだが、
    線条性として「あした」を認めつつ終る『あしたのジョー』のラストのぱろでえを前作で二回やった人が、出てくて美女とからむ。彼は立喰師対応のプロと言ふ設定らしい。
    押井守御大と言ったら出崎統御大へオマージュ捧げる藝風があったが、これは「ちばてつや表現」に呑まれたといひはれさう。

  • 立って食べるヒトの 話しかと思ったら・・・
    無銭飲食を なりわい とする人たちの 物語。
    押井守が 『立喰師列伝』の 女子バージョン。
    オムニバス形式で 描かれる。

    兵藤まこ が あやしく・・・・撮影される。
    その怪しさが・・・

    『金魚姫 鼈甲飴の有理』押井守
    鼈甲飴 が 映像に映し出されるのがきれいである。
    江戸時代から 続いた伝統的な 仕事。
    今もあるのだろうか・・・・。

    ひし美ゆり子の・・・
    背中の金魚の刺青が 泳いでいるようだった。
    乳房のソバの金魚は 乳首をエサのように ついばむ。
    映像 でどこまで 表現できるかにこだわったのか。

    なぜ 鈴木敏夫 かわからぬが・・・でてくる。

    『バーボンのミキ』辻本貴則
    幻のバーボンを さがして・・・無法な街に
    2丁拳銃 使いの マキ(水野美紀)が登場する。
    CG をうまく 使えば もっとおもしろくなると思うが・・・
    ちょっと 経費節減型 映画。

    『学食のマブ』
    7840円が ポイント。
    お釣りがない・・・というのが シグナル。

    『氷イチゴのマミ』
    とうもろし畑 と 氷イチゴ・・・・・
    あつくるしいなかでの エロス。
    針は いろっぽい。

    『クレープのマキ』神谷誠
    時代風景が映し出される。
    原宿が 人気だったときがあった。
    そのときに クレープを 食べ歩きが ファッションだった。
    オニャン子クラブ・・・をモデルに
    小倉優子が マンガあられちゃんのような扮装で出てくる。
    これは アメリカの占領政策批判と今の時代のパロディか。
    ストーリー的に・・・そんな風かな

    『無銭飲食』する理由が お金がないことから
    始まるのであるが・・・ナンクセをつけて たべる・・・
    たかり的 要素。
    ふーむ。
    なぜ 押井守は このことにこだわるのであろうか。

  •  押井守作品で一番好きな「立喰師列伝」のスピンアウト作品。色んな映画監督さんたちが描く短編集。小倉優子とか出てる。えろい。

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著者プロフィール

映画監督、作家。1951年、東京都大田区生まれ。
竜の子プロダクション、スタジオぴえろを経てフリーに。主な監督作品に『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(84)『天使のたまご』(85)『機動警察パトレイバー the Movie』(89)『機動警察パトレイバー2 the Movie』(93)『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(95)。『イノセンス』(04)がカンヌ国際映画祭、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(08)がヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品。実写映画も多数監督し、著書多数。2016年、ウィンザー・マッケイ賞を受賞。

「2024年 『鈴木敏夫×押井守 対談集 されどわれらが日々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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