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- / ISBN・EAN: 4988111285256
感想・レビュー・書評
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色彩の使い方がシーンを印象強くしている。
血の色が実際より異常に鮮やかで朱色に近い(そして水のようにさらさら)。この作品はかなり血をたくさん使っており、ばしゃばしゃ飛び散る。こういう表現がいいかはわからないが、気持ちいいくらい飛び散る。バシャッ。
黒澤監督は特撮技術は好まなかったらしいが、この映画では使っている。三の城が燃えるシーンはミニチュアなんだとか。全然気付かなかった。赤々と燃える城と顔面蒼白の大殿の対比はかなり印象的。でも、毛利元就の「三本の矢」の逸話なんかを(安易に?)入れてしまう感じが嫌だった。
衝撃的だったのはやっぱり最後の首を切られるシーン。その他色鮮やかな衣装など、モノクロを上手く撮れる監督は色彩感覚がかなり豊かだという実証になっている。
今回は、ショットとアングルを気にして見てみたけど非常に勉強になる。まだまだ何故そのショットでアングルだったのかなどわからないことがたくさんあるが。
黒澤明の作品の中ではかなり好きな方。
<あらすじ>
国時代を生き抜き、3つの城を抱える領土を維持した一文字秀虎。ある日突然、秀虎は家督を嫡男に譲り、自身は隠遁する決意を客人たちの前で告げた。彼は3本の矢を手に取り、「1本の矢は折れるが、3本束ねると折れぬ」と言いながら、息子たちにお互い助け合いながら一文字家を繁栄させるよう説いた。しかし、父親思いの三男・三郎は、70歳になる父親に対峙し、「父上は馬鹿だ。耄碌したのか。息子達が助け合うなどとは考え難く、血で血を洗う事態になるだろう。」と父親の甘さを戒め、3本の矢を力ずくでへし折ってみせた。
客人たちの前で愚弄されたと感じた秀虎は、三郎とその重臣である平山丹後をその場で追放した。客人の一人である別の国の主・藤巻は三郎を気に入り、三郎を婿として迎え入れることを思案した。一方、秀虎の残る2人の息子にかける期待は、思いのほか早く裏切られる。
太郎の正室である楓の方は、親兄弟を舅・秀虎に殺された恨みを抱いており、太郎を巧みに動かして秀虎を亡き者にしようと画策する。隠居した身とはいえ忠実な家来を抱え、城の中で未だに影響力を持つ父親に対し、太郎は、今後は自分が領主なのだから、一切の事は自分に従うようにと迫る。太郎の強硬な姿勢に立腹した秀虎は、家来を連れて次郎の元に赴くが、次郎は「家来抜きであれば秀虎を迎え入れる」とそっけなく告げる。家来を見捨てることなど出来ない秀虎は、家来達と野をさまよう事態に陥ってしまう。
<概要>
架空の戦国武将・一文字秀虎を主人公にその晩年と3人の息子との確執、兄弟同士の擾乱を描く。物語の骨格はウィリアム・シェイクスピアの悲劇『リア王』であり、毛利元就の「三本の矢」の逸話なども取り入れられている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
個人的に
黒澤映画の中では
これが一番好きです
城落のシーンの迫力は
あらゆる映画の迫力を凌駕している★
燃える火の中で
仲代達矢演じる大殿様の
顔面蒼白な顔が
あまりにも
印象に残っている
そしてこの世の無常さを
こんなにも美しく演出するその才能に
脱帽
できれば影武者を見てから見て欲しい★
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黒澤映画は大学に入ってから観たんですが、これはすごかった。
日本が世界に誇れる映画。