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- / ISBN・EAN: 0801670029021
感想・レビュー・書評
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★★★☆☆
2ndをレビューしたので1stも。メンバーは2ndと同じMartin Siewert(efzeg、Trapist)、Tony Back(The Necks)、フェネスとの活動経験があるZeitblom、Steven Heather(efzeg)の4人組。1stと同じドイツstaubgoldからのリリース。#2#5ではアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのAlexander Hackeがヴォーカルとして参加している。
どの曲も作曲された部分とフリーの部分が混在していると思われる。そしてニュージャズ界隈の人脈でフリー演奏もあるにもかかわらず、抑制されて大人しく聴こえる。この感覚は、SiewertのTrapistや関連プロジェクトRadianとよく似ている。この2バンドは基本的にフリーな演奏であっても、ひどく抑制されたもので、且つポストプロダクションが加えられ異形の電子音響ジャズと化している怪盤をリリースしている。ということで、このプロジェクトもSiewertが主導的役割を担っているのではないかと思われる。
#1は導入部を思わせるドラムスにシンセ?ドローン/パッドと大人しいギターが乗る。#2が件のヴォーカル曲で、ドロドロに融け合いモゴモゴしたサウンドからトライバルなドラムスに変化するバッキングに、独唱のようなヴォーカルが乗る。一応ラブソングなんだろうか?タイトル通り女性のことを歌っている。#3はやはりトライバルなドラムスに、呪術的に聴こえるギターの長弾きソロが乗る。比較的派手な曲。#4は作曲された短い曲。#5もヴォーカル曲。今度はある程度バッキングも声に合わせて演奏する。序盤のマーチングドラムのような演奏、そして次第にメタリックになり悲鳴を上げるギターが印象的。#6は恐らく骨格だけ決めてある、二本のギターとベース・ドラムスによる大人しめなインプロヴィゼーション。#7も#6とよく似た雰囲気。マレット系?の音がゆっくり連打され、それに合わせて抑制的な演奏が行われるが、後半はだんだん激しくなっていく。#8も似た雰囲気だが作曲された部分が多い。ブルージーなギターと徐々に空間を支配してゆく電子ノイズが印象的。#9もブルージーな短い曲。
やや気になるのはエンジニアリングで、なんというかステレオ感に薄くローファイに聴こえる。そして2ndに比べて比較的派手な印象がある。ただ自由度は2ndのほうが上か。Radian/Trapist周辺は興味深いサウンドで、もっと探ってみたい。Siewertもソロやコラボレーション作を発表している。詳細をみるコメント0件をすべて表示