第12作 男はつらいよ 私の寅さん HDリマスター版 [DVD]

監督 : 山田洋次 
出演 : 渥美清  倍賞千恵子  前田吟  村松達雄  三崎千恵子  岸恵子  前田武彦  津川雅彦 
  • 松竹 (2011年10月17日発売)
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105058446

感想・レビュー・書評

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  • "男はつらいよ"第12作。おいちゃんおばちゃん・さくら一家の九州旅行から始まる本作、せっかく帰ってきたのに留守番ですねると同時に家族のありがたさを知る寅さん。あなたが他人を責められる立場じゃないでしょといいたいが(笑)後半は幼馴染の妹で絵描きの女性を相手にしたいつもの恋愛騒動。マイナス印象から入るちょっと変わった展開で、ラストもちょっと変わった感じ。彼女を見つめるさくらの表情が意味深。

  • お留守番寅さん。
    とらやのみんなが帰宅して、出迎えるのではなく下を向いたまま風呂のお湯をかき回し続ける姿が印象に残った。

    最後の絵が良い。

  • 寅さんが理不尽なキレ方で家族に迷惑をかけるとき、その度にこの大人げなく自分中心に感情を浮沈させる自由人をまるでとらやの家族のように時には突き放したくもなる。今回はそうしたおなじみのシーンがいつもより多めに含まれていたからだろうかいつもより上映時間が長く感じた。寅さんの言い草にイライラする側に回ってきたということはそれはそれで感情移入できるまでに登場人物達に近く慣れてきたということだろうか。そうポジティブに受け止めてまだまだ続く道のりに歩を進めてゆこう。

    今回のマドンナ岸恵子の出演作品一覧の中から自分が今までに鑑賞済みであるものを追ってみると、「早春」(1956) 、「細雪」(1983) が印象強いのであるが、「白痴」(1951)、「怪談」(1964) ははて?といったところであった。このDVDを借りた先には代表作とも呼べる「君の名は」全三部作がそろっていた。また彼女を拝みたくなった頃に手を出そう。

    ちなみに彼女の兄役を演じる前田武彦が3年も前に亡くなっていたことを知り、今さらながら頭を垂れた次第。

    それにしても光雄の台詞、増えたなぁ。

  •  寅さんが同窓生の妹の画家に恋をする。

     ここ数作は寅さんがフラれるのではなく身を引くパターンだったのが、この作品では寅さんがフラれるのだけれど、マドンナ側が寅さんを好きだけど恋愛を望まないというパターンが初めて出てくるのだが、これが良い。
     最後の手紙が寅さんからではなく外国に行ったマドンナからで、手紙の中に「私の寅さんはどこでしょう?」という言葉が出てくるのもたまらなく良い。

  • 実に素晴らしかった。前作は甘々の☆五つだったけれど、今作は文句なし。特に、前半と後半どちらの物語も面白いのが良かった。九州旅行に出かけた「とらや」の面々と留守を任される寅次郎といういつもとは逆の展開をする前半は、「居残りで待つ身のつらさを考えたことがあるかい」と電話口で怒り心頭する寅次郎が見所。「お前がそれ言うのかよ」というミエミエの笑いなのだけれど、分かっていてもしっかり笑える。というかミエミエだからこそおかしい。後半は一転、貧乏画家・りつ子に恋をするいつもの展開。最終盤でショパンの曲が流れてて、「ああ、これは今に別れの曲が流れるぞ」と思っていると果たして別れの曲が流れてきて、おまけに「あの音楽はなんて曲なんだろね?」「あれはね、別れの曲よ」とご丁寧に台詞まで付いているからたまらない。そうしたミエミエの笑いで存分に笑わせてもらった直後に、寅次郎の恋心がりつ子にしっかりと届いていたことが判明する。そして、面と向かってお断りの言葉を受け取り、寅次郎はきっぱりと失恋して旅の空でエンディングを迎える。本作の魅力は「言葉が届く」ことにあるように思う。いつもは言葉が届かないばかりに寅次郎は失恋をするのだけれど、本作は言葉が届いてもうまくいかない。そして断りを入れる理由が、寅次郎の容姿や人柄を指摘するようなものではなく、芸術家だから余計な心配事を持ち込みたくないという点が、いかにも「男はつらいよ」シリーズらしい。この理由に納得して物語は終わるわけだけれど、いくら単純な寅次郎とは言え、恋愛に関してはそれなりに経験がある男だけに、カメラが回っていない場所できっとこのりつ子の言葉が持つ「嘘」に思いを巡らせたのではないか。あんたなんか鼻から気に掛けてなかったわよと本心では思っていて、それを隠して体よく俺を追い払うために自分が芸術家であることを持ち出したりしたんだという疑念に苦しんだのではないか。そして本当につらいのは、振られたことよりも、嘘をつかれたことであり、嘘をつかれたのは自分への気遣いからだと分かっていることであり、気遣いだと分かっているのになぜだか腹が立ってくることであり、そもそも嘘をつかれたかもとすぐに他人を疑ってしまうことなのではないか。そんな身勝手な想像を観る者に許す、余韻の残るラストだった。

    りつ子を演じた岸恵子のセーターがブラ透けしてて、たいへん気になった。どうにかならんかったのか。

  • エピソードが重なるにつれ、寅さんが段々猟奇的になっていくのが怖い。

    前半は良かったが、幕切れはシックリこない。

  • 12作目は岸惠子。すごく痩せてるが上品で美しくてやっぱり魅力的。冒頭のくるまや一家の熊本旅行(熊本城!)はあるものの寅さんはほとんど留守番。仲見世でたたき売りをするだけ。旅先からわざわざかけてくれてるおいちゃんにぶち切れるところとか、前田武彦の妹のアトリエで絵をめちゃめちゃにしながらあやまらないところ、くるまやで画商(津川雅彦、若くて男前!)と仕事の話をしてるだけなのに妬いてしまって旅に出ようとするところとかほんとに子供っぽい。相変わらず最低で大変不愉快だった。なのにみんなに愛されてることが羨ましい。なんで? にしても寅さんのダメダメっぷりが逆にマドンナを際立たせている気もする。みつおが幼稚園に通い出した。

  • オーソドックスでありました。

  • シリーズ12作目。マドンナは岸恵子。

    家族が旅に行って寅さんが留守番するという、いつもと逆の設定になった前半の部分がよいです。寅さんが温かく一家の帰りを迎える場面では、珍しくなごやかなシーンが展開されます(ふだんは必ずケンカが始まり、寅さんが出て行くのですが・・・)

    ここ数作では寅さんの失恋シーンも複雑な様相を呈していましたが、今回はマドンナに「友だちのままでいたい」とスパッとふられておしまい(しかも恋人がいたわけでもない)。本作はよい意味で「軽い」です。

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著者プロフィール

1931年大阪府生まれ。54年、東京大学法学部卒。同年、助監督として松竹入社。61年『二階の他人』で監督デビュー。69年『男はつらいよ』シリーズ開始。他に代表作として『家族』(70)、『幸福の黄色いハンカチ』(77)、『たそがれ清兵衛』(02)、『家族はつらいよ』(16)など。2012年に文化勲章を受章。

「2019年 『男はつらいよ お帰り 寅さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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