山桜(通常版) [DVD]

監督 : 篠原哲雄 
出演 : 田中麗奈  篠田三郎  檀ふみ  北条隆博  南沢奈央  樋浦勉 
  • バンダイビジュアル
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569632692

感想・レビュー・書評

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  • 藤沢作品はあまり知らないのですが、これはその典型でしょうか。美しい日本の四季。激しい感情があっても、内に秘めて慎ましく生きる。口にせずとも心は通じている。田中麗奈と生け花の凛とした美しさが心に沁みました。ただ、現実では藩と一蓮托生の譜代家老がただ私欲享楽に走るでしょうか?日毎に切迫する藩の財政、無策の家臣たちを見るにつけ、新田開発こそが活路と孤高の覚悟したのだと思えました。

  • 嫁いだ後に以前の求婚者との縁が・・しかし一度嫁いだ女は容易には実家に戻れない。「幸せか?」と聞かれればだまってうなずくしかない女。彼女の本当の幸せは近くにあった。邦画らしい凛とした作品です。
    一瞬で場面の雰囲気を変える富司純子の存在感が半端ない。ラストに流れる主題歌は一青窈の作詞で本人が歌う「栞」。篠原哲雄監督は「地下鉄(メトロ)に乗って(2006年)」も撮っています。

    『山桜』は、藤沢周平の短編小説。また、これを原作とする2008年公開の日本映画。
    海坂藩の下級武士の娘・野江は、前の夫に病気で先立たれ、磯村庄左衛門と再婚していた。叔母の墓参りの帰りに、磯村との縁談がある以前に縁談の申込があった、剣術の名手、手塚弥一郎と偶然出会う。山桜が満開のころであった。野江が手塚からの縁談を断ったのは、剣術の名手は怖い人、という先入観を持っていたからであった。しかし、実際に話をしてみると手塚は、野江が思っていたのとはまるで正反対の心の優しい男であると分かり、その時から野江は手塚のことを意識するようになった。婚家の日夜は幸せではない。
    そのころ、凶作が続き藩の財政があやういときに乗じて、重臣諏訪平右衛門は私腹を肥やしていた。磯村はこの諏訪に取り入って儲ける算段であった。藩内の不満や百姓の申し立ても諏訪は握りつぶし、これを知った手塚は、城中で諏訪を襲い殺傷する。お咎めは、しかし長期の投獄にとどまる。野江は磯村と離縁し、殿が江戸から帰り、奸を打った手塚が許される日を祈りながら、手塚の母・志津とともに待ち続けるのであった。山桜が満開のころである。(Wikipedia)

  •  一貫して田中麗奈演じる野江の清楚な姿が印象的な映画。『花のあと』の北川景子と相通じるものがある。これも原作者の藤沢周平が描く女像なのだろう。
     話の内容も淡々としていて,ゆったりと時間が流れる。床の間に飾られた山桜が個性を発揮している。山桜は花と同時に葉も出てくるので…最後の場面で,田中麗奈が桜の花びら模様の着物を着ていた。なんでかな~。
     最後,手塚に下されたお裁きの結果は…。

    《NHKプレミアムシネマ》の解説を転載
     田中麗奈、東山紀之共演、藤沢周平の短編小説を映画化した時代劇。不幸な結婚生活を送っていた野江は、ある日、手塚という武士に出会う。手塚は以前、縁談を申し込んだが、野江は会う前に断った相手だった。初めて会った手塚からの優しい言葉を支えに、つらく苦しい生活を何とか耐える野江。その後手塚は、不合理な年貢に苦しむ農民を救うため自らを犠牲にして国を動かす事件を起こし、野江の運命も大きく変わっていく…。

  • 「あなたはほんの少しまわり道をしているだけなんですよ」、こんな温かい言葉をかけてあげられるお母さん素敵だなぁ。

  • 藤沢周平さんの原作の映画化は数本見ています。この作品、好きです。キャスティングが、すごく良いです。田中麗奈さん、耐える女性、素敵です。東山紀之さん、静かで立ち振る舞いが美しいです。憎たらしい役をされている方、見事に憎たらしいです。優しい役をされている方、見事に優しく慈愛に満ちています。景色が素敵です。こういう景色が残っている限り大丈夫だと思いました。

  • 原作は短編だが、映画はそれ程過度な脚色無く淡々と描かれていて、最後の部分はとても心地よい。田中麗奈も適役。

  • 先日、NHK BSプレミアムで放映していた『山桜 /2008』を観ました。

    -----story-------------
    「藤沢周平」の同名短編を『はつ恋』の「篠原哲雄監督」、「田中麗奈」主演コンビで映画化した感動時代劇。
    嫁ぎ先に恵まれず辛い結婚生活を堪え忍ぶ女性が、かつて縁談を断った実直な侍との偶然の出会いを機に本当の愛を見つけるまでの道のりを、庄内の美しい風景をバックに繊細に描き出す。
    共演は『MAKOTO』の「東山紀之」。

    江戸後期、北の小国、海坂藩。
    最初の夫に先立たれた後、「磯村家」へと嫁いだ「野江」。
    しかし、武士でありながら蓄財に執着する夫に「野江」への愛情はみじんも感じられず、“出戻りの嫁”と蔑む姑も「野江」に辛く当たるばかり。
    そんなある日、久々に叔母の墓参りをすませた「野江」はその帰り道、美しく咲き誇る一本の山桜の下で一人の武士と出会う。
    「手塚弥一郎」と名乗ったその侍は、彼女が「磯村」に嫁ぐ前に縁談を申し込まれた相手だった。
    その時は、母一人子一人の家では苦労が多かろうと、会うこともなく断ってしまったのだった。
    ところが、そんな「弥一郎」から、「野江」は思いがけず優しい言葉をかけられる。
    束の間の邂逅にもかかわらず、沈みがちだった「野江」の心は励まされ、辛い結婚生活にも再び健気に向き合い始める「野江」だったが…。
    -----------------------

    最近、時代モノを面白く感じるようになったんですよねー 歳を取った影響もあるのかな、、、

    エンターテイメント性の高い「池波正太郎」作品も好きなのですが… 人間の内面に踏み込んだ深みのあるヒューマンドラマ系の「藤沢周平」作品も心をうつものがあり、大好きなんですよね。


    「海坂藩」の下級武士の娘「野江」は、前の夫に病気で先立たれ、「磯村庄左衛門」と再婚していた… 叔母の墓参りの帰りに、「磯村」との縁談がある以前に縁談の申込があった、剣術の名手「手塚弥一郎」と偶然出会う、、、

    山桜が満開のころであった… 「野江」が「手塚」からの縁談を断ったのは、剣術の名手は怖い人、という先入観を持っていたからであった。

    しかし、実際に話をしてみると「手塚」は、「野江」が思っていたのとはまるで正反対の心の優しい男であると分かり、その時から「野江」は「手塚」のことを意識するようになった… 婚家の日夜は幸せではない、、、

    そのころ、凶作が続き藩の財政があやういときに乗じて、重臣「諏訪平右衛門」は私腹を肥やしていた… 「磯村」はこの「諏訪」に取り入って儲ける算段であった。

    藩内の不満や百姓の申し立ても「諏訪」は握りつぶし、これを知った「手塚」は、城中で「諏訪」を襲い殺傷する… お咎めは、しかし長期の投獄にとどまる、、、

    「野江」は「磯村」と離縁し、殿が江戸から帰り、奸を打った「手塚」が許される日を祈りながら、「手塚」の母「志津」とともに待ち続けるのであった… 山桜が満開のころである。

    「手塚弥一郎」の生き方、正義を貫き、多くを語らない人柄… 憧れますねー

    嫁ぎ先の「磯村家」で蔑まれながらも、懸命に耐え、そして、武士でありながら蓄財に執着する生き方に迎合しない「野江」の生き方にも共感しましたね、、、

    こんな時代劇… もっともっと世に出てくるといいな。


    -----staff/cast-------------
    監督:篠原哲雄
    製作:川城和実
       遠谷信幸
       遠藤義明
       亀山慶二
    企画:小滝祥平
       梅澤道彦
       河野聡
       鈴木尚
    原作:藤沢周平
        『山桜』(新潮文庫刊『時雨みち』所収)
    脚本:飯田健三郎
       長谷川康夫
    撮影:喜久村徳章
    視覚効果:松本肇
    美術:金田克美
    編集:奥原好幸
    音楽:四家卯大
    主題歌:一青窈
         『栞』
    照明:長田達也
    録音:武進
    装飾:大坂和美
    助監督:山田敏久
    出演:
     田中麗奈 磯村野江
     篠田三郎 浦井七左衛門
     檀ふみ 浦井瑞江
     北条隆博 浦井新之助
     南沢奈央 浦井勢津
     樋浦勉
     千葉哲也
     安藤一夫
     綱島郷太郎
     江藤漢斉
     富司純子 手塚志津
     高橋長英 磯村左次衛門
     永島暎子 磯村富代
     村井国夫 諏訪平右衛門
     東山紀之 手塚弥一郎

  • 終わり方がとても気になる所ですが(でひとつ★が-)

    途中、美しい景色と可愛い田中麗奈ちゃんの顔
    抑えた演技の中、涙を流したり笑顔を見せたり
    ゆっくりとしたストーリーと音楽と共に
    優しい時間が流れて行った
    東山紀之も抑えた演技が良かった
    姿からするとどうもいわゆる「仕事」をしそうな雰囲気で
    まさかそのような事をするとは(笑)
    でもその前後から最後まで武士道的な態度は
    切なくもカッコいい

  • いかにも藤沢周平原作。ちょっといまいちだったかなあ。

    登録もれ。田中麗奈、東山紀行、富士純子はよく覚えているのだが、篠田三郎と壇ふみが思い出せない。

    2008日本
    2020.10.5TVで

  • 「プレミアム・シネマ」にて。最初の15分くらいでどんな話か大体見当がついてしまったなぁ。最後まで描ききらない結末以外は藤沢周平作品のテンプレ通りの話でした。

    「蝉しぐれ」も「たそがれ清兵衛」も見ていなければ問題はなかったのですが、田中麗奈演じる女性も、東山紀之演じる男性も既視感が強すぎ。

    主役2人以外のキャストもパッとしない。敵役の老中や若手藩士などにもっと存在感のあるキャストだったらまた印象が違ったかもしれません。

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