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- / ISBN・EAN: 4988105060180
感想・レビュー・書評
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社会派の様相を呈する一部・二部とはがらっと異なり一気に日本の軍国主義としての嫌な側面をどっぷりとみせられる。日露戦争の頃のそれとは異なりその後国家を転覆させるに至る過程を復習させられているようで途中吐き気さえももよおす。
そんな中に梶の人道的振る舞いに基づく人間関係のつながりや妻への一途な愛情表現といったものがひとつふたつの希望の光となって明滅するその様を眺めていると、やはりこの話はどこか分かりやすいひとつのゴールには向かっていないのではないかという予感もよぎる。
個人的に称賛を与えたい脇役陣はやはり田中邦衛。この人に人間本来の弱いところ、哀しいところ演じさせたらやはり右に出る人はそうはいない。よくよく眺めてみると仲代達矢氏とひと月も離れない同い年。どうも自分は40歳年上のこの世代の俳優にハマってしまう傾向があるようだ(苦笑)
印象的な第三部と四部の幕切れでであう岩崎加根子という女優さんは奇しくも同週にJapan Societyで上映された「血は乾いている」(1960) にて再会でき感激至極だったのだが、同作内での悪女ぶりが本作での白衣の天使ぶりをちょいと汚してしまった感は否めず。後の小雪を彷彿とさせるその笑顔にはまたどこかでお会いしたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第3部は過酷な軍隊生活が描かれるわけだけど、佐藤慶演じる新城や内藤武敏演じる丹下などの登場によって、思想に関しての話なども描かれて、言葉の上では大きな物語も描かれていて面白かった。そして、この作品が持つ批判精神をメジャーな邦画でもやってほしい。
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