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- / ISBN・EAN: 4988111286215
感想・レビュー・書評
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好きです。カオスっぷりが良いです。ちゃんとした(?)ストーリー部分も、背景の東京の街の様子も好き。凌雲閣は勿論、ビヤーホールも、人々の服装も和装洋装入り乱れて眼福でした。
帝都物語=魔人・加藤保憲というイメージでしたが、原作未読な為、初っ端から「加藤だ!!」「倒せ!!!!」みたいになってるの不思議でした…前にも何かやらかしてるのかなこの人…。土御門家とやり合ってるので陰陽道の強い人??
東京を破壊する為に平将門を起こしたかったみたいだけど頑なに起こされない将門。最終的に将門鎮めに1番貢献したの學天則くんでは?ってなったのも面白かったです。學天則作った西村真琴博士に扮してた、実の息子さんの西村晃さん良かったです。學天則自爆させたけど、戻って首抱えてるのなんか切なかった。。
加藤保憲役の嶋田久作さんが圧倒的存在感でした。東京グランギニョルの時に加藤役されてたとはいえ、映画デビューらしいのに凄い。ビジュアルも良きです、何処にいても加藤すぐ目に付く。
原田美枝子さんの凛々しさと、勝新太郎さんの渋さと。渋沢栄一て。平幹二朗さんも画面が強い。
思いの外良かったのは桂文枝さん。風水師も冷静に強かったです。二宮金次郎像をレーダー的に使うとか、風水ってこういう事するんだっけ?とはなった。
素敵だったのは泉鏡花。タロットカードで辻占してる謎キャラだったけど隠し切れない美しさと艶はさすが坂東玉三郎さんでした。憎悪と愛情は紙一重みたいな、加藤保憲と恵子の恋愛的なのに一人だけ気付いてた。
でも結局、重要っぽかった辰宮家はよく分からなかった。。岩に吸い込まれたのでは?ってなったけどその後普通に外いたし。。
加藤は退けたし、地下鉄は引けたし万々歳みたいな感じなんかな魔都東京。破壊と創造?再建?を繰り返し…的なこと渋沢翁は言ってたけど。
続編は違う世界観みたいだけど観ます。 -
別途
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原作未読。
最初こそストップモーションの式神や嶋田久作の怪演が魅力的に見えるが、それらと戦う一般人にしか見えない主人公らに具体的にどういう能力があるんだかわからない。全く魅力を感じない。
そうなると、導入部で面白く感じられたものが急速に色褪せてしまった。 -
私が子供の頃の映画『帝都物語』。大河ドラマ『いだてん』と、来年の渋沢栄一の『青天を衝け』のお供に良い感じ。
当時TVスポットCMが流れていた記憶があり(大戦の方かも)、ずっと観たかった作品。だいぶ後になるまで実相寺監督だと知らなかった。
DVD時代になりレンタル店で探すも見当たらず……今年になってから、先輩と実相寺監督の話題になり「『帝都物語』の中古DVDを探してるんだけど市場になくてプレ値に…」とのことで、だからレンタル店にもあまり置いてないのか?と。
しかしプライムビデオにあることを発見してラッキー!先輩は配信サービスを利用しない方なので、時代の移り変わりの話に。プライムには他に『海底軍艦』『妖星ゴラス』やら、岸田森サマの吸血鬼3部作なんかもあって嬉しいやら悲しいやら。
ということで念願叶って鑑賞。これはニヤニヤ映画だわ。ずっとニヤニヤしっぱなし。キャストが私の好きな人ばかりが出ている。
原田美枝子を最初に好きになったのは『青春の殺人者』で、最近なるべく追いかけている。
西村晃さん、黄門様以前の単純ではなく深みのある悪役、怪優時代の作品を観てから大好きになりました。學天則を開発した実の父親・西村真琴役。日活の今村昌平作品には常連だけど、他に特攻隊の映画なんかにも出ていて、西村晃さん自身が特攻隊の生き残りなので壮絶です。あまり関係ないけど、のちに黄門様になった佐野浅夫さんの戦争体験も知ると「そうだったのか…」となる。
勝新太郎が渋沢栄一役、『新座頭市』をいま観ているのでタイムリー!因みに『新座頭市』は毎回ゲストが豪華で岸田森サマも西村晃も原田美枝子も出ている。
ムスカこと寺田農、実相寺組と岡本喜八組はけっこうカブっている。寺田さんはのちのウルトラマンマックス『狙われない街』にも出演。
平幹二朗さんはこの後の大河ドラマ『信長』で似たような役をしていたので、この作品の影響なのか?と。
そして宍戸錠!
言わずもがなの嶋田久作と佐野史郎。このふたりはかつてクトゥルフのTRPGを一緒にやってたそうでシャレにならんわと思ってたけど、東京グランギニョルの時にラブクラフト嶋田か夢野久作からとった嶋田久作の二択を飴屋法水から提示されたとか…いや似てるよね。
他に、嶋田久作さんものちに喜八組になるけど、伊藤雄之助のポジションとして必要とされたのでは?と、勝手に思ってます。
東京グランギニョル、私は演劇に明るくないので古屋兎丸の『ライチ光クラブ』が連載開始されたときに知りました。
佐野さんは状況劇場で六平直政さんらと一緒にやってた…と佐野さんか六平さんどちらかがテレビでも語っていました。
それで一応主役格の石田純一だけトレンディな感じで浮いている…と先輩も言ってたけど、最後まで観たら結局ヤリチンなので合っている!そこ含めて面白いし好きです。
映画としては歪というか、あんまりまとまりがない感じだし、アラマッター先生の原作ありきなので、ウルトラ〜ATGの頃に比べると実相寺節は弱め…と思うけど、やっぱりちゃんと実相寺監督の映画になっていて驚く。
移動するカメラワークはそこまでなく、ローアングルの実相寺アングルが多いな、ぐらい。映画というより演劇的。ただ二宮金次郎像や仏像、そして終盤の「人の造りしもの」學天則の顔を見つめる西村晃さんのシーン…ウルトラから怪奇大作戦、ATGの『無情』などとつながっている。
虹の演出は新劇ヱヴァに影響を与えているのではとか、渋沢栄一の帝都の模型のシーン、終盤の爆破シーンの光などなど。絵コンテは若き日の樋口真嗣監督、ナディアの2年前。木村威夫さん、原口智生さん、斯波重治さんなどなどスタッフが濃い。
『帝都物語』はそのまま、帝都東京の都市そのものが主役の物語。平将門の話だけど天海の江戸の都市計画などから連なる、オカルトな東京の裏歴史の話。郷土出身の彫刻家、渡辺長男が作った日本橋の麒麟像も出てきて良い。渡辺さんと言えば万世橋の廣瀬中佐像などは歴史の番組なんかでよく見る。
魔人・加藤は陰陽師という以外は何者かよくわからんけど、軍服だし軍部を裏で操ったり軍部そのものの象徴なのかなと。『帝都大戦』はその後の世界大戦の話だけど、事前情報でかなり酷い改悪がなされているそうで…。
先輩情報で「バブルがはじける前だからすごくお金をかけて製作された」とのこと。
30年前の製作費で10億円!最近の映画で言うとシンゴジラで13億?だったか、日本映画は資金が少ないからいまだに10億オーバーで大作映画扱いだそうで、当時どれだけお金をかけた作品だったかがよくわかる。ヱビスのビアホール?などは実物をどうにかしたものかと思ってたらオープンセットだそうで、すごいです。路面電車は北九かどっかから持ってきたとか。
あと、終盤の加藤が使うラスボス的キャラのデザインがギーガー。無駄にギーガー。BSで『エイリアン』が久々に放映されるので楽しみ。というところに続きます。
『帝都物語』、当時をうっすらと知っている私などからすると、どメジャーの超大作映画という感じだけど、DVDレンタルで見かけないことなどから、かなり歳下の若い世代からすればカルト化しているのでは?と思う。だいたい実相寺監督だしね。プライムで観られるようになったのは、一周回って大変に良いことです。ただ、若い世代がこれだけポンと観ても良さがわからんのじゃなかろうか……。 -
1988年公開の映画。原作は荒俣宏の同名小説。敢えて説明描写を極力無くし、徹底して「映像美」だけで構成している。よって誰が何者で、何が起きているのか、原作未読者には難解だろうが、そもそも原作小説が蘊蓄の限りを尽くした複雑怪奇な作品で、どうやっても尺に収まるはずもないので、この方法は正しい(それでもきちんと観れば必要最低限の情報は入っている)。特撮のクリーチャーがCGに馴れた現在では安っぽく見えるかもしれないが、アナログの当時としてはむしろよくできている。巨大オープンセット(昭和の森に3億円で建設した)も現在では却って「箱庭」に感じてしまうが、これも当時は破格であった。キャストも豪華だが、並み居る大御所を差し置いて、当時新人の嶋田久作の「怪演」が完全に食ってしまっている。一世一代の当たり役で、ある意味この映画は彼のために存在すると言っても過言ではないだろう。
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1988年(昭和63年)1月30日公開。製作費は10億
配給収入は10億5000万円で、その年の日本映画の8位 -
大分以前に観てはあったのだが、最近原作を読み始めてこの映画の範囲まで読了した為再視聴。
関東大震災による十二階の倒壊と戦う學天則の記憶しか無かったのだが、今回改めて観てみて、これは原作読んでなかった時点ではストーリーはさっぱりわからなかったワケだな、と。とにかく冒頭から緊迫感はあるのだが、物語の背景というか基本になる部分について一切説明がないので、勢いで最後まで見られるのだが詳細はほとんどわからない。
可能ならば原作を読んでから観た方がより理解が深まり映画を楽しめると思います。
ラストの鏡花のシーンが案外記憶に残っていた事に個人的に驚いた。 -
原作は未読。歴史上の実在の人物が絡む堂々たる伝奇ドラマ。なにせ幸田露伴や寺田寅彦が悪霊(?)と戦うのだからたまらない。荒俣宏が山田風太郎のファンなのは知ってましたが、これは山風オマージュに思えてならない。俳優もひたすら豪華ですが、嶋田久作の怪演、若き原田三枝子の美しさが印象に残ります。
実相時昭雄監督の独特の映像センスと作品世界もマッチしています。陰陽師ブームを先取りしたようなオカルト設定は興味深いですが、ストーリーや設定の説明不足感は否めません(そもそも加藤って何者?)。特撮もかなりチープで、クリーチャーの動きはハリーハウゼンをほうふつとさせる(笑) -
多分原作読んでないと意味不明な所が多数あったように思う。それでも、加藤が恐るべき怪人である事は十二分に伝わっているのが凄い。
加藤と言えば、嶋田久作。決まりですよね。