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- / ISBN・EAN: 4988111286253
感想・レビュー・書評
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数々の政治家を輩出した名門ブッシュ家に生まれたジョージ・W・ブッシュ(ジョシュ・ブローリン)は、W(テキサス訛りで“ダブヤ”)と呼ばれている。
Wは66年、パパ・ブッシュ(ジェームズ・クロムウェル)も卒業した名門エール大に入学し、アメフトの応援で羽目をはずして逮捕されるが、パパの力で釈放される。
卒業後はパパの力で仕事を得るが長続きせず、女性を妊娠させてパパにもみ消してもらうこともあった。
優秀な弟に目をかけているパパにとって、Wは不肖の息子だった。
Wは、本当は野球の仕事をしたいと言ってパパを失望させる。
72年、Wは酒に溺れるようになっていた。
ある日、酔ったWはパパと口論になる。するとパパは、ハーバード大ビジネススクールの合格も自分のコネだったと告げる。
77年、家業を継ぐ決意をしたWは、地元テキサスの下院議員選で共和党候補を目指す。
ある日、Wはパーティーで、図書館司書のローラ(エリザベス・バンクス)と出会う。当選したら教育アドバイザーになってほしいと口説くが、選挙戦は失敗に終わる。
86年、Wの40歳の誕生パーティーの日、パパから電話が入る。パパは大統領選に向けて、選挙を手伝うようWに告げる。
88年、Wの策略のお陰でパパは大統領に就任する。
4年後、パパの任期は1期で終わり、ビル・クリントンが次期大統領になる。
Wは、湾岸戦争でフセインにとどめを刺していたらパパは負けなかったと考える。
そしてパパを勇気づけ、弟より自分を認めさせるために、フロリダ州知事に立候補した弟に対抗するように、テキサス州知事選に立候補する。
落選した弟に対し、Wは当選する。
しかしパパは、弟の敗北を残念がるばかりだった。
そんなある日、Wは大統領になれという神の預言を聞く。
Wはその啓示の通り、第43代大統領に就任する。
しかし9.11同時多発テロが、Wとパパの関係を永遠に変えてしまう。
アメリカ最低の人気だったブッシュ大統領の恥ずかしい人間性に迫った骨太な人間ドラマ映画。
偉大な父親がいなければ職にもつけず、お坊っちゃん根性が抜けず生涯父親の愛を求め続けた超ファザコンなブッシュの人間性、イラク戦争に突き進んだ裏側を丁寧に描いています。
度重なる飲酒による事故、フットボール観戦中にプレッツェルを喉に詰まらせて死にかける、父親と宗教上との対立、大量破壊兵器があったか確証がないのにイラク戦争に突入したなどの隠された新たな事実も、興味深いです。
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あくまで一映画として。
自分が生きてきた中で一番記憶に残っている大統領。メディアがぶっ叩いていたイメージしかなく、やはり悪い意味で記憶に残っている。(私自身もよく分からないまま歴代Worst Presidentとして思い込んでいた)
鑑賞後、彼のイメージが180度変わることはなかった。
ただ人懐っこく(羨ましいくらい)人から好かれやすい性質でありながら、持って生まれた運命と非常に相性が悪い印象を受けた。
特に大きく取り扱われた親子・兄弟の関係。
決して嫌いなわけではないのにどうもそりが合わないパパブッシュ。そのパパからいつも引合に出される優秀な弟くん。その軋轢に最後までさいなまれており、大きな悩みの種であったことが窺える。
パパブッシュ役のJames Cromwell氏が高身長なせいか彼を見上げるように話す子ブッシュのJosh Brolinがお子様にしか見えなかった笑
勿論、引退に追い込まれ失意に落ちる父親を見て「俺はああならない」と強い意志を見せるあたりなど感心しちゃうところも多々あった。
自宅でスナックを喉に詰まらせるエピソードから実際のニュース映像の引用まで、Bushさんにまつわる出来事が上手く再現・編集されていた。それを有名なカントリー音楽や讃美歌に合わせて流していたものだから軽く近代アメリカ史を勉強している気分になった。
大統領補佐官Riceさん、副大統領Cheneyさん、First LadyのLauraさんといった大統領を取り巻く人たちもよく特徴を捉えられていたと思う。パパブッシュ・子ブッシュも一瞬本人と見誤る時があった。
基本的にコメディ調で見やすいが、今まで信じていたものが急に目の前から消えたことを思わせるあのラストは不意に後ろから突き落とされる感じがして主人公含め誰もが戸惑うことになると思う。 -
他のことをしながら見ていたのでのめりこめなかったが、ブッシュの知性を問題にするのではなく家族関係をクローズアップしていた。ゴアとの対決はなしで、もっばらイラク戦争の話。政治について知りたいと思って見ると肩透かしを食うだろう。C
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観終わって絶望的になる、ということは監督のオリバー・ストーンの狙い通りか。映画的には評価したいが、どんな映画よりも絶望的になるという意味では評価したくない。
まあよくこんな映画が登場人物が殆ど存命中に作れて公開されるなあという感じ。その姿勢には敬意を表したい。ローラ・ブッシュ役のエリザベス・バンクスやチェイニー副大統領役のリチャード・ドレイファスなんて本人以上に本人っぽいし。ラムズフェルドのクソぶりがすごいね。
まあ後味が悪い映画ですが、これが現実なんでしょう。トランプ大統領もやってもらいたいもんです。 -
やはりアメリカのエンタメは懐が深い。政治家みんな生きてるのに、こんな際どいテーマの政治ドラマを作っちゃうんだもんなぁ。豪華な役者たちのなりきり演技をみるだけでも十分おもしろい。ジョシュ・ブローリン、似てる!
ただ「華氏911」で描かれたような、幼稚で低脳なブッシュを揶揄するような内容を期待するとやや肩透かし。映画のトーンはわりとシリアスで、イラク戦争に突入していく経過におけるやりとりはなかなか緊張感がある。攻撃を主張したのはラムズフェルドで、最後まで反対したのが湾岸戦争の司令官だったパウエルだったというのがよくわかる。
(時系列はバラバラながら)ブッシュが政治家を目指すところからイラク戦争までを描きながら、9.11そのものを描いていないの自主規制なのだろうか (「華氏911」でヤギの絵本を読んでいたエピソードが好きなんですけどね)
ファザコンのブッシュが父を乗り越えるために大統領を目指すというストーリーもとても安っぽいのですが、こういうわかりやすさが映画には必要なんだろうなぁ。 -
思ったより毒がなかった。
映画ではここまでなのかな。あとは町山さんの本でも読むか。 -
( ^_^) Oliver Stone監督、“JFK”“ニクソン”に次ぐ大統領3部作のラスト。
カバーに表現されているように、ややコミカルにジョージ・ブッシュの半生を描いているが、政策(911後のイラク侵攻)を側近と話し合うシーンなどを除いてストーリーは退屈。人々が知らない人間的魅力を伝えたり、スゴいエピソードなどがあるわけではなく、テレビ・ドラマのように淡々とすすむ。
まだブッシュが現役時代に撮られたが、批判の意図があったのか?こんな人に世界史が振り回されたのか?
ちょっと中途半端でスッキリしない。個人的には、退任後 もう少し総括してから製作してほしかった題材。 -
★★☆☆☆
映画を政治に利用するな
【内容】
ジョージ・W・ブッシュ大統領を描いた伝記作品。
【感想】
ブッシュ大統領が退任直前の2008年に公開された。
オリバー・ストーン監督は
「あくまでブッシュの品格を落としたり、傷つけようとしているのではない。彼の言葉を喋らせること、イラク戦争に対する彼の判断は、彼という人物やその個人史と相関関係にある。それを示そうとした。」と語っている。
だが、すごい偏っている。
例えば、「バナナを踏みつける」シーンがその象徴で、バナナを踏むことは物語としてまったく関係が無い。単にブッシュを落とそうとしているようにしか見えない。他にもあまりに悪いシーンだけ描いているように感じてしまう。
結果として、伝記としては信用ならない作品に仕上がってしまった。
直近の出来事をものがたりで批判するくらいなら、ハリセンボン似の監督のように、ドキュメンタリーで表現すべきだろう。
なにより、本編が長すぎる。
原題は『W.』。無論、ミドルネームを取ったもの。2人のブッシュ。2回の戦争も表現しているかな。 -
プリッツのどに詰まらせて死にかけた。結局、あの「戦争」では見つからなかった大量破壊兵器。ブッシュW.ブッシュ大統領といえば、そんなイメージだ。
そんな彼を一人の悩める人間として描き出すドラマ作品。優秀で厳格な父親との葛藤、コンプレックス、宗教への依存など彼の内面が細かく描かれている。
そんな彼を取り巻くブレーンたちも見事。
揺れ動く彼の心と、ある方向に向かって強い意志を持った周囲の人々。これがつながって、あのイラク「戦争」に至ったのだというのがよく分かった。
映画なので全てはうのみにできないが、ざっくりと背景や主要登場人物のキャラクターが理解できてよかった。
それにしても・・・ジョシュ・ブローリンのなりきりっぷりは、素晴らしい。MIB3も恐ろしいくらいなりきっていましたし。そこもこの映画の見所。役者さんに違和感なくストーリーに入って行ける。 -
史上最悪の大統領と言われていますが、この映画を観て彼を嫌う人はいないのではないでしょうか。大統領でも人は人。そのことを強く感じました。