EMOTION the Best 機動警察パトレイバー 劇場版 [DVD]

監督 : 押井守 
出演 : 冨永みーな  古川登志夫  池水通洋  二又一成  大林隆介  榊原良子  郷里大輔  井上瑤  千葉繁  阪脩  西村知道  辻谷耕史  辻村真人  小島敏彦 
  • バンダイナムコアーツ (2011年12月23日発売)
3.97
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569637000

感想・レビュー・書評

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  • 「その時は俺たちが犯罪者さ。ただし、何もせずに手をこまねいていて被害が現実の物となってしまったら、やっぱり俺たちは犯罪者だ。どっちがいい」

    うーん、かっこいい…。
    特に二人の刑事が、再開発から漏れた古いアパートを手がかり求めて巡るあたりがかっこ良すぎて、しびれる。
    音楽もいい。テレビも同じ川井憲次さん作曲だけど映画のほうが何倍もかっこよくないですか。何故かしらん。
    あとこの話は進士さんがかっこいいと思うんですよ。テレビだとかっこいいところぜんぜん無いんですけど…。


    パトレイバー全般に言えるけど、レイバーという非現実が日常に溶け込んだ世界を違和感なく丁寧に描いているところが、面白いところだなと思います。SFの面白さというものでもある。
    拳銃弾を撃ち尽くしたあとパイロットがコクピットから降りて、自分の手で弾を詰め直すような描写も好きだな〜。

    映画一作目はテレビの後に作ったのかとずっと思ってましたが、テレビよりも前の公開だったんですね。その段階から次世代機ゼロが出てたのか。

  • 【邦画たちよ・・・これが最高のエンターテイメント映画だ!!】

    さあ、前回、最近の邦画を散々貶してちょいと気が引けたので・・・邦画も捨てたもんじゃないぞっていうレビューです・・・って、言っても実写では無くアニメ作品だけどね(笑)

    だって仕方ないでしょっ!!

    天邪鬼な私がホントに評価できる作品って邦画の実写ではめったにないんだもん!!

    正直に言うと彼女が高評価とする邦画って他にもたくさんあるし、評価が厳しい私でも『ハゲタカ』『臨場』『踊る大捜査線』や『海猿』など最高に面白いので、みんなに自信をもっておススメできるのだけど・・・でもそれらと同等レベルの作品って邦画ではなかなか見つからないし、すでにレビューしちゃってるし・・・的な(笑)

    でもアニメ作品ならまだまだたくさんあるぞって、感じで今回のレビューに??

    実は作品の選定に当たってどうしてもレビューしたかったので本作をごり押ししてたら・・・”押井監督作品が大好きなだけなんじゃないの?”って、言われちゃって・・・いえいえ、決してそれだけではありません・・・って、それもあったりするけど・・・でも、そうなのかもね、って(笑)

    あはは・・・そんなわけで今回は映画の本分である、気軽に視聴できる最高のエンターテイメント作品として本作をレビューしちゃうぞっ!!

    ”型通りの展開しか見せない詰まらない邦画作品達よ・・・これがエンターテイメント映画だっ!!”

    って、何だか今回も口が滑っちゃいそうな雰囲気がプンプンと??

    いやいやいや、大丈夫でしょ・・・こだわり屋の私が何十回と視聴しても、本作品に困惑する設定やシーンなどが一切、存在してないしねっ!!

    と、言う事で・・・最近の決まりきった型通りの脚本と設定に飽き飽きしてる天邪鬼予備軍の皆さん、用意は良いですかぁ~??

    では、行きますよぉ~!!

    【本文】
    今回ご紹介する『機動警察パトレイバー劇場版』は、1989年、本作OVAの他に『攻殻機動隊』『うる星やつら』や『天使のたまご』などの独創性に満ちた作品を繰り出す押井守監督が、『マクロスフロンティア』や『宇宙戦艦ヤマト』最新作の出渕裕さん、『機動警察パトレイバー』を企画し『究極超人あーる』の著者でもある漫画家&企画家のゆうきまさみさん、『機動警察パトレイバー2』『アヴァロン』や『めぞん一刻』などの脚本を手がけ、押井監督と共に無くてはならない伊藤和典さん、そして『めぞん一刻』『うる星やつら』『きまぐれオレンジロード』などの可愛い女の子を書かせたら日本一とも称される高田明美さんらが結成した”ヘッドギア”にて制作された傑作アニメで・・・とんでもない傑作作品なので絶対におススメなのです!!

    内容としてなんだけど・・・こんな傑作だから沢山の皆さんが素晴らしいレビューをしてるので詳しい内容はそちらを読んでね!!

    あはは・・・例によってだけど、これだけじゃ寂しいので予告編をどうぞ!!

    【Youtube ”予告編”】
    https://www.youtube.com/watch?v=JIco81J9BBo

    さあ、レビューとしての役目は終えたので、ここからは思いっきり暴走するぞっ・・・って、皆さんに押し付けただけかな??(笑)

    それでね、この作品、最初に記載したように公開は1989年で・・・思い起こせば昭和天皇が崩御された年で現代に続く平成の始まりであり、あの忌まわしき消費税が導入された年なのです!!

    えっ、これでもピンと来ない??

    じゃあ、『インディアナ・ジョーンズ 最後の聖戦』や『ダイ・ハード』が公開され、プリンセス・プリンセスの『DIAMOND』や『世界で一番暑い夏』、WINKの『寂しい熱帯魚』やTMネットワークの『GET WILD』、任天堂の『ゲームボーイ』が発表された年って聞けばおぼろげにイメージできるでしょ??

    PCなんか、MS-DOSで電話線を利用したアナログモデムがようやく広まってきた時代で・・・HDは20MBが標準でCPUが10MHz、当然、オプティカルメディアなんか存在せずにフロッピー標準で・・・35万程もするのに現代の携帯に完璧に負けてる仕様・・・って、ホントに当時から大きく進化してるよね~!!

    こんな時代に制作された本作は皆さんのレビューにもあったように『コンピューターウイルス』が題材として扱われてて・・・

    アナログ電話回線が主流だった時代、コンピューター同士のネットワークなんてほんの一握りの人しかできない時代なのに、コンピューターウイルスが次々と伝播していく危険性をテーマにしちゃうなんて・・・そんな的確な先見性と未来予測・・・彼ってさ、”地動説”を主張した”ガリレオ、ガリレイ”並に頭が良いんじゃないのって心から思っちゃうほど!!

    そんな頭の良い押井監督が制作した本作品に瑕疵なんて見つかるわけがないでしょ!!ホントに素晴らしい!!

    本作ってアニメ作品を見下してる人こそ、絶対に観るべき傑作だと思うよ!!

    そんな最高傑作のオープニングがこれまた秀逸で・・・

    HOSを開発したプログラマーの帆場英一が方舟と呼ばれる洋上工場から飛び降りる静かで不気味なシーンから一転、躍動感あふれる暴走レイバーとの攻防へと続く流れが凄すぎる!!

    こういう緩急シーンがしっかりと全編に渡って採用されているから100分という時間がスッゴク短く感じちゃうんだね!!

    【Youtube ”オープニングシーン”】
    https://www.youtube.com/watch?v=sOrbHOueDn4

    OPを見ればみんなも気付いたと思うけど、そんな本作には最高に格好いい名曲を提供してくれる川井憲治さんも当然参加してて・・・この曲をクライマックスで聴くと体中の毛が逆立ってもう大変だぞっ(笑)

    【Youtube 川井憲治LIVE ”朝陽の中へ”】
    https://www.youtube.com/watch?v=GZGghR6ESXQ
    (ちょいとずれてるのはご愛嬌で・・・笑)

    いつもはEDロールが流れるとトイレに行っちゃう彼女が画面にくぎ付け状態で聴き入ってて・・・しかも顔中、涙でボロボロになりながら”これってスッゴイよぉ~”って何度も何度も(笑)

    特に気に入ったシーンが帆場英一がE・HOBAでありエホバって下りで・・・刑事が帆場の足跡を追っていく、いかにも押井監督らしい場面で”お肌がゾワッてきちゃった”って(笑)

    更にHOSを解析する流れや、方舟での戦闘シーンなど・・・終始”うわぁぁぁぁ~”って画面にくぎ付け状態で・・・EDロールが終わった後に”夢中で観てたらお尻の感覚が無いよぉ~♡”、って・・・確かに身じろぎせずに見入ってたもんねっ(笑)

    未だにアニメ作品に抵抗がある彼女でものめり込んでしまう本作、ホントにおススメでしょ??

    なのでそんな彼女を見たら、いつものレビューのようにウダウダ言えないっていうか・・・なので今回は彼女の反応をメインにレビューしてみたかも??

    実はアニメのパトレイバー劇場版作品って本作の他に次作の『劇場版2』と、最新作の『WXIII』があるんだけど・・・最初に本作を観て貰って良かったなぁ~って!!

    そんな彼女のパトレイバーシリーズの評価は・・・
    ①パトレイバー劇場版 2・・・5点/満点
    ②パトレイバー劇場版(本作)・・・同じく5点/満点
    ③パトレイバー劇場版 WXIII・・・4点

    これって同じ点数だけどちょっとだけ評価に差があって・・・
    『劇場版2』は最高傑作だけどシリアスで疲れるので、気軽に見たい場合には『劇場版1(本作)』で・・・だけど、話的には重厚感がある『劇場版2』が最高って、かなり迷ってて・・・結局、彼女は究極の選択で気軽さを取って『劇場版(本作)』が最高って事らしいよ(笑)

    でもね・・・私的にはパトレイバーらしい面白さは本作が一番なんだけど、話の重厚さと展開で『劇場版2』が一押しかな??

    まあ、評価なんて人それぞれなんで、後は皆さんが視聴してどちらが最高なのかを評価してね!!

    エンターテイメント性で最高傑作と思っている・・・むう達でした!!

  • 個人的に押井御大の「客をビビらすための飛ぶもの」は、ここの(飛んでないけど)夥しい鳥を見た泉巡査が
    「人間なんて一人もいないよ!」
     て言ふシーンが好きである。
     気象庁のナニは「ミリバール」から「ヘクトパスカル」に代ったし あぁトロイの木馬は普通になったし、アレなのだが、最初に方舟作ってる系のヘリコプターの人が状況を説明して、「なんか知らんけど最近忙しい」があって、じつは、てのがあって、キャラ的にいろいろ頑張らないといけない人が頑張って、アクションと言ふのがかっこいい。

  • 小学校だか中学の時に友だちが
    マンガ持ってたなぁ...
    えらい推してたのが印象に残ってるなぁ
    あいつ今頃どうしてるんだろう...

    「機動警察パトレイバー」です。
    ノア...当時は人名としては変わった
    印象的な名前でしたね。

    さて、劇場版です。

    超高層ビルで謎の男が飛び降りる。
    場面が変わり、無人の軍事用ロボットが暴走。
    タイトル「PATLABOR」が映り、
    暗転するとある国家プロジェクト
    「バビロン計画」のニュースが流れる

    緊迫した矢継ぎ早の展開で、冒頭から
    一気に作品世界に惹き込まれました

    恐らく「ガンダム」に端を発する縦社会的な
    淀みなく歯切れのよい断定型の物言いが
    物語にテンポと勢いを与えますね。

    昭和生まれとしては古川登志夫の声は
    お馴染みの安心感があります。

    犯人の足跡を追って刑事が下町を歩き回ります
    トタン屋根の錆び具合や銭湯の残骸など
    過ぎ去った生活感の名残が寂しいですね
    都市再開発で廃墟寸前となった下町
    その奥に見える新しい高層ビル郡
    何かを得るためには替わりの何かを
    失わなければならないということか、
    公開当時のパブルに浮かれる日本人への
    アンチテーゼか?

    まぁ結局犯人の目的はコンピューター
    ウイルスでレイバー暴走させて
    首都をぶっ壊すことでしたので
    犯行動機は描かれませんでしたが
    恐らく一種の抗議犯罪だったのですかね

    しかし、犯人が飼っていたあの大量の
    烏たちにはなんの意味があったのだろう
    「夢の島」の象徴かしら

    零式を試乗する南雲しのぶと無線で
    会話中のメカニックに電話が掛かって
    くるタイミングが現実的で見事でした

    空想の世界と空想の機械「レイバー」が
    物語の中では本当に存在しているように
    信じさせられるのは
    丁寧に描かれた日常シーンの賜物ですね
    原チャリとかパンツ一丁とか
    パトレイバーの弾を手作業で充填とか

    どこだったか最初の方のシーンで
    見上げた飛行機の背景の雲が回転している
    のはあり得ない見え方なので気になりました

    ラストシーンは
    めでたしめでたし、ちゃんちゃん!
    みたいな感じで後日談などの
    余韻がなくて意外でした。

    あの押井守監督作品なので映画の作り方
    とか気にしながら見ちゃいましたが
    作品は終始一定の緊張感を保ちながら
    使命感に燃え懸命に働く人物たちに
    興奮させられたり、徐々に明かされる
    真相に釘付けになりながら、
    あっという間に楽しく鑑賞しました

  • 押井守かぶれの一環として2004年にVHSビデオで鑑賞した。
    そのときは押井守成分しか見ていなかったが、今回漫画を文庫で一冊読んだり、メディアミックスや成立の経緯を予習してから鑑賞してみたら、随分設定やキャラクターがわかりやすく、押井成分の滲みがさらに感じられた。

    メディアミックスについてメモ。

    (最初の5~6年)
    ・1988-1994 漫画 22巻 (ゆうきまさみいわく自分は原作者じゃないと)●
    ・1988-1989 初期OVA 7巻(アーリーデイズ) ●
    ・1989    映画1作目 ★
    ・1989    テレビアニメ 47話
    ・1990-1992 NEW OVAシリーズ 16話(実質テレビアニメの続き)
    ・1993    映画2作目 (一応のシリーズ完結編にして、押井守の頂点) ★
    (約10年ブランク。この間に小説やゲームや)
    ・2002    映画3作目 (押井守はノータッチ。結構別物) ●
    ・2002    映画ミニパト
    (約10年ブランク)
    ・2014-2015 実写版 THE NEXT GENERATION (数話ぶん)
    ・2016    REBOOT 8分(「日本アニメー(ター)見本市」)

    ★……鑑賞済みで復習するつもり
    ●……この勢いで鑑賞するつもり

    以下箇条書きで。

    ・89年に見ていた99年という未来像を、さらに二十数年後に見る、という面白さ。ねじれ。
    ・バブリーな雰囲気を引きずって、レイバーの急速な普及。これが設定や雰囲気に留まらず、筋の核心に食い込んでくるので必然性がある。
    ・おそらくレイバーのOS書き換えとかウィルスとかは、2004年当時もよくわからないまま見ていた、ということは1989年にはさらに先進的だっんだろうな。
    ・篠原遊馬、後藤喜一ら第2小隊が調査するくだりはうっすら憶えていたが、より感触や手触りのようにして記憶していたのが、後藤が調査を依頼した本庁の松井らふたりがまるで探偵のように、帆場暎一の足跡を辿るくだり(松本清張原作「砂の器」!)。(清、清、といい加減自分でもいやになるが、黒沢清「キュア」で役所広司が萩原聖人の部屋を訪れる場面を思い出す。)

    ・ここで、下町という近景と、超高層建築群という遠景が、対比される。この新旧の対比構造自体が鮮やか。はっきりと都市論そのもので、近未来ロボットSFという枠を越えて、発表時点の80年代後半の社会への批評でもある。シブカッコイイ。たぶん押井守はロボアニメという口実を設けて、ここをやりたかったのではないか。なんでも1995年に第2次関東大震災があった反動で急激な都市化が進んでいるという設定なんだとか。多方面に示唆的だ。
    ・また遊馬がある仕掛けに気づくのが、ヤカンで湯を沸かす⇒お相撲人形のガラスケースがビリビリ震える、というシーン、いかにも押井守っぽくてよい。衒学や理論だけでなく「生活臭」も押井の大切な作家性だと改めて思う。
    ・伊藤計劃が「世界精神型の悪役」という概念を出しているんだとか。帆場、「2」の柘植、「キュア」の間宮、「虐殺器官」のジョン・ポール、「ダークナイト」のジョーカー。強く賛同するし、この種の悪役を作れるクリエイターを敬う。
    ・南雲が後藤に「ねえ、気がついてる。あなた帆場の話をするとき何でかとても嬉しそうな顔してるわよ」というが、このとき嬉しそうな顔をしていたのは守であり、宮崎駿であり、観客自身であり。資本主義社会ぶっこわれればいいと内心願う者の鏡なのだ。自分は消えても、どこかの誰かの破壊願望を活性化させるという以上の悪意があろうか。「シン・ゴジラ」を連想することもできる。
    ・帆場の持つ、キリスト教的要素、鳥籠、廃墟というモチーフは、すべて「天使のたまご」と通じる。はっきりと帆場は押井守の分身だし、失われた過去への愛惜と現状への批判という帆場のメッセージを経ることで、「天使のたまご」の茫漠とした表現の裏側も見えてくる……まあ変換式は「キリスト教シンボル事典」にあるんだろうけれど。
    ・帆場という存在が、「serial experiments lain」の1話冒頭の四方田千砂飛び降り自殺と、死してなお影響力を持つ英利政美とに影響しているのではないか。

    ・もちろん活劇たくさん、というか終盤のカチコミは少し「イノセンス」を思い出させるし、ラストのレイバー同士のバトルは「エイリアン2」に負けないケレン。朝日と音楽が素晴らしい雰囲気を出している。(見たのはサウンドリニューアル版)
    ・「2」が際立っているが、「1」でも十分に自分味を乗せつつ娯楽作にする、守すごい。このバランス感覚は、「三つの誓い」を明文化したり折々守の手綱を操ったヘッドギアのメンバーの成果なんだろうな。
    ・「御先祖様万々歳!」と同時進行だったんだとか。ますますすごい。

    以下伊藤計劃のブログより引用。
    「世界、とは我々の世界でもあり、また映画の説話全体でもある。そして映画を監督が支配する(ということにしておいてください)以上、世界精神型の悪役という言葉は、監督が創造した世界の代弁者もしくは映画そのものの演出家という審級を与えられることになる。映画そのものを演出する映画内キャラクター。つまりは映画内における監督のキャラクター化だ。」
    「世界に認識の変革を迫るヴィジョンを演出することで、ある事物の本質を抉り出すことそのものを目的とし、どんな現世利益的な欲も動機や目的にはしない、そんな悪役。世界を支配するのでもなく、政治的な目標を達成するのでもなく、金をもうけるのでもなく、ただある世界観を「われわれ」の世界観に暴力的に上書きする時間を演出する、それだけを目的とした悪役たち。それが「世界精神(ヴェルト・ガイスト)型」の悪役(というか、敵役、と言ったほうがいいのかもね)だ。」

  • 現実世界に立脚した緻密勝つリアルな世界観と、あくまで「特務二課」を主役にしたストーリー構築で、リアルロボットアニメを極限まで進化させたSFアクション映画。

  • hulu視聴。
    ウィルスが何をしでかすのか明らかになったあたりからの盛り上がりは何度見てもたまらん。たまらん。
    一般受けする話じゃないかもしれないけど、バックグラウンドを少しでもかじればそこそこ観られる話だと思うし、この興奮をいつでも誰かに語りたいのだ。

  • 描かれている東京がリアルで、グンと心にしみてくるところがたくさんあった。少し懐かしい東京の町並みに、妙なロボットを組み込ませている感じが、逆にリアルで東京っぽい。町並みだけではなく、主人公たちの仕事ぶりなどが、自分が今そこで働いているような錯覚を覚えるようで、たとえば職場に貼ってある壁紙とかが、いちいち気持ちがよい。

    物語そのものは、それほど奇をてらったところがあるわけではなく、「こうなるだろうな」という予想どおりに話が進んでいく。もちろん、すっきりするロボット対決アニメを期待するときちんと裏切られるけど、そういう要素もちょこっとだけ入れ込んでくれるサービスに、ちょっとクスッとしてしまった。

    なんというか、普通にドラマとしておもしろいのである。こういう感覚は初めてで、ずいぶん古い映画なのだから、もっと早く見ておけばよかったと後悔してしまった。

  • パトレイバー劇場版1作目。
    OVA アーリーデイズを見た後、TV版を見る前にみた。
    知らなくても見られる作品になっているし面白い。

    産業用ロボットであるレイバーが暴走する事件が起きる話。

    劇場版は絵が変わってリアルタッチになる。
    背景とか綺麗だし、キャラもリアルに描かれるのは面白い。

    警察の地味な調査の様子が淡々と描かれ、これが描きたかったんだろうなーと熱を感じる。
    その分構成が凄く良くてとても良かった。

  • 劇場版パトレイバー3作を観たので記録。
    3作の中では初回のこれが「パトレイバーとしては」一番良かった。
    ストーリーの骨子は割と思想的な背景も込められた重厚で、特車二課でなくとも成り立つ物語でありながら、やはりレイバーが戦う姿を観れるのは嬉しい。
    しかも、作画のクオリティが素晴らしく、ラストバトルの決着シーンの変態的な書き込みは思わずスロー再生で観てしまうほどでした。
    あの時代は、変態的に天才的なクリエイターの熱量を作品として作り上げることができる、そんな今から見ると本当に幸せな時代だったのだと令和だと感じますね。

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著者プロフィール

映画監督、作家。1951年、東京都大田区生まれ。
竜の子プロダクション、スタジオぴえろを経てフリーに。主な監督作品に『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(84)『天使のたまご』(85)『機動警察パトレイバー the Movie』(89)『機動警察パトレイバー2 the Movie』(93)『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(95)。『イノセンス』(04)がカンヌ国際映画祭、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(08)がヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品。実写映画も多数監督し、著書多数。2016年、ウィンザー・マッケイ賞を受賞。

「2024年 『鈴木敏夫×押井守 対談集 されどわれらが日々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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