ゼロの焦点(2枚組) [DVD]

監督 : 犬童一心 
出演 : 広末涼子  中谷美紀  木村多江  西島秀俊  鹿賀丈史 
  • 東宝
3.13
  • (29)
  • (94)
  • (190)
  • (71)
  • (15)
本棚登録 : 743
感想 : 177
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104060358

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 有名な社会派ミステリー。観始めたら止まりませんでした。ある地方で起きた殺人事件が実は、戦後という社会混乱の結果生まれた悲劇だったとしたら…。
    * *
    タイトルは果たしてどういう意味だったんでしょうか?原作を読んでないのでわかりませんが映画版を観た限り、戦後から立ち上がろうとする日本と地位が低かった女性がマイナスからようやくゼロになるところに焦点を当てた物語、と感じました。焦点には虫眼鏡で太陽光を集めると燃え広がる発散という意味もあるそうです。
      ↘️          ↗️
      ➡️・焦点ゼロから発散へ➡️
      ↗️          ↘️
    もしかしたら全然違うかも知れませんが…。

    * *
    社会混乱から起きた悲劇…
    我々が気付かないだけで同じようなことは現代でも起きているのかも知れません。
    それにしても中谷さんの狂気、怖かった…

    2009年制作

  • 時を経て幾度も映像化が繰り返されている松本清張さんの著名な作品『ゼロの焦点』の2009年版広末涼子主演の映画作品。

    戦後の混乱のなかで人々が生きながらえる為に選んだ選択に関して、その後忘れ去っていいものか、それともないことにして先に進むか。『砂の器』しかり松本清張さんの作品では過去とどう向き合うのかについて、私たちは一瞬時を止めて思いを馳せるきっかけを受け取る気がする。

    中谷美紀さんの鬼気迫る演技が印象的。対して、2009年当時薄幸を演じ多用されてきた木村多江さんの脆さや弱さを体現した演技も際立っていたと思う。

    有吉佐和子さんの『非色』でも読んだが、敗戦後の貧困と混乱のなかで、泥水を啜るように米軍兵士に春をひさぎ、生き延びた女性たち。彼女らは「パンパン」と言われ侮蔑の対象だった。女性が技能や知識経験を持たず、自分の心と身体を切り売りすることでしか生きていけない時代。

    そうであった自分を辱めの対象として、自分の過去や記憶から消し去り誇り高く生きる自分でいたかった中谷美紀さん演じる室田佐知子。
    とにかく自分に優しくしてくれる誰かの人肌や存在が欲しかった木村多江演じる田沼久子。この対比がお互いを引き立たせると思う。
    強さと弱さ。しかし双方脆さを抱えている。

    とにもかくにも残念だったのが主演の広末涼子さんとナレーション。稚拙な印象で甘ったるく、役ではなく「広末涼子」を超えていないように受け止めた。職業婦人で当時英語を操れる知的な職業婦人であれば彼女ではなくもっと他にも適任がいたように思えた。

    以前は街角でよく見かけた「救世軍」が途中シーンに入っていて気になり調べてみると、日本では「廃娼運動」で一役をになったとのこと。なるほど。

    残念ながら松本清張さんの作品は未読のままなので、機会があればぜひ読んでみたいところ。松本清張狂の夫曰く、限られた時間で映像化するのはそもそも難しいとのこと笑。

  • 原作もこの映画もずいぶん前に読んだしみたなぁと途中くらいで思った。
    戦争は不幸にならなくてもいい人たちが不幸になる。
    世界はそんなに簡単には変わらない。

  • 『ゼロの焦点』は、幼少から「土曜ワイド劇場」で育ったわたしとしては(どんな子供よ?!苦笑)、なんともいえない懐かしいテイストつつも、時代に翻弄させられた女性の生き方なんかもしっかり背景として描かれていて、どらさんじゃないけど、中谷美紀がとにかく圧倒的な存在感で参りました。ここだけの話、とても同い年とは思えない。木村多恵が、あんなにかすむなんて・・・。

  •  『ゼロの焦点』は,金沢や能登半島が舞台になっているので知っていたのだが,実は,読んだことも見たこともなかったのである。今回,NHKプレミアムシネマで放映してくれたので,じっくり観た。面白いじゃないの。
     見るまでは,むかーし昔の映画だろうと思っていたら,なんと残された妻のヒロイン役は広末涼子だよ。あらま,新しいなあ。
     昔の作品もみてみたいなあ,もっともっと暗く描かれているんだろうなあ。
     戦争の傷跡が人生を左右しているという設定は,そろそろ古くなるんだろうな。それに反比例して,防衛費は増額か…。

    《NHKプレミアムシネマの解説を転載》
     社会派ミステリーの巨匠松本清張の名作を広末涼子・中谷美紀・西島秀俊はじめ豪華キャストで映画化したサスペンス。昭和32年、禎子はお見合いで鵜原憲一と結婚するが、式のあとまもなく、憲一は仕事の引き継ぎで,金沢に向かい行方不明となって
    しまう。夫を捜して旅立った禎子は、憲一のかつての得意先で、社長夫人の室田佐知子と受付の田沼久子という2人の女性に出会う。 時を同じくして不可解な連続殺人事件が発生する…。

  • 原作の雰囲気をうまく現わせている。

  • TVにて
    戦後の混乱期、悲しい事件だ.

  • Amazonプライム視聴

    松本清張原作を読んでみたくなる。

    戦後の混沌とした時代背景が生んだ事件。それがとても悲しい。

  • 戦後から7年目。傷跡を残す男女が、時を経て邂逅する。その結末は…。

    高度成長前の戦後の暗闇がそのまま残っていた時代模様を、再現困難な中で、懸命に画面に出そうとしていた点は良かったと思う。また、中谷美紀の心象風景にマッチする冬の北陸の寒々とした情景も同様だ。
    ただ、禎子の古風な女性像が、広末涼子では…。頑張って演技していたとは思うが、物足りない。夢を奪ったという台詞も違和感が残る。2人で生きる安心を叩き壊したのではないのか?。西島秀俊も爽やかすぎて…。
     それに比して、パンパン上がりの中谷・木村のお芝居は流石にいいなぁと。

  • 映像がよかった。広末、中谷美紀、木村多江の演技もよかったね。西島秀俊は、まさに油がのったかんじ。サスペンスとしてのストーリもよかった。

  • 日本のサスペンスドラマ(土ワイ)好きの私にはとても良かった。
    ストーリーを知らずに観たので途中ハッとしました。

    主役が広末さんっていう部分に違和感を感じましたが
    中谷さんが好演していたので大丈夫です。
    木村多江も優しい雰囲気が出ていて○。

    「新しい時代」に向かう狭間の人々の話。
    おもしろかった。

  • テレビ放映見ただけなので、カットされてるシーンがあるかもしれないし、CM変なとこで入ってたりしたから、レビュー書くべきじゃないのかもしれないけど…。
    久しぶりに役者さんの演技にイライラさせられた映画でした。広末涼子さん、割と好きなんだけど、この役には合ってないと思う。
    中谷さんの芝居がうまいのかはよくわかんないけど(たまに面白くなっちゃう)華があってひきこまれました。木村多江さんは可愛い。可哀想で、なおかつ可愛い。
    中谷さんの最後の面白衣装を代表として、突然面白い演出にもびっくりだし。いちいちみんな説明過剰だし。この監督さんに、こーゆー映画は向いてない(んだか、まだ早いんだか知らないけど)のでは?と思った。
    木村さんと中谷さんのシーンは素敵でした☆役者さんってすごい!




    ☆以下ネタバレ☆
    なんで西島さん、そーまでヒロスエのほうにひかれたのか…。木村多江さんのキャラクターが大変可愛く見えてしまったので、広末涼子だなぁ、くらいにしか思わなかった広末涼子さんのキャラクターがどうしてそれほど西島さんをひきつけたのか、その理由に想像力をかきたてられもしなかった。あの新婚夫婦がひきさかれてしまったことを可哀想だといまいち思えなかったんだよなー。
    やっぱ、後ろ暗い過去のない、きれいな(いろんな意味で)若い女が好きってこと?とひねくれたことを考えてしまった映画でした。

  • 松本清張の有名作品であり、リメイク版ですが、これはこれで良かったと個人的には思いました。
    ずっと舞台劇を見せられているような映像の作りは、この作品には合ってる気がします。中谷美紀、木村多江の演技がばっちりハマっていたと感じます。ヒロインの広末涼子は、その二人とは違う方向からこの焦点(ゼロ)に向かうキャラとして、敢えての演技だと思えばなかなかいいのではと思いました。
    ただ、現代の作品なので、戦争の暗部を描いた松本作品としての重さが薄まっているように感じられたかな。

  • 戦後から占領期を経て高度成長期へと新しい時代へと向かう日本
    主人公が何度も乗る金沢行きの夜行列車
    冬の日本海の荒波と雪降る断崖絶壁

    クライマックスの
    真っ白な洋服を見に纏った中谷美紀の美しさ
    忘れたはずの名前を耳にした瞬間に、劇的に変わっていく表情
    圧巻だった

  • 新婚の夫の失踪の謎を追って金沢にやってきた妻がたどり着いた真実。
    戦争と戦後の占領で、真っ当に生きていく術や尊厳を奪われた人たちのなかには、こういう犯罪に至ってしまう人もいると考えると、本当に、戦争は戦後社会にもいろんな傷を残すんだなあ、と。

  • 新旧観較べて思ったのは、やはりこの原作は映像化が困難ということだった。原作にほぼ忠実な旧作も、ミステリーというより戦中戦後の女性の悲哀を前面に出した新作もそれぞれ映像化に向けての解釈はよいと思うし、映画そのものとしては新作の方が完成度は高いと思った。ただ、謎解きの案内人不在のこの作品で広末涼子にその任を負わせるのは可哀そう。演技は悪くないが、化粧で誤魔化してもとても戦後すぐの顔ではないし、あの甘い声では説得力ゼロ。それを木村多江と中谷美紀がカバーしている。二人とも本当にパンパンに見える表情もよかったし、車中のシーンは旧作のタカラジェンヌ対決よりも迫力あり良かった。室田儀作役に金沢出身の鹿賀丈史をもってくるあたりも心憎い。

  • 珍しくこちらでも雪が降っているので寒いところの映画を観ます。ちゃんと観たことはなかったこの作品を。
    圧倒的中谷美紀さんでした。広末さんはストーリーテラー的な。。

    禎子が失踪した夫・憲一を探しに金沢へ行き、そこで知る夫の過去と二重生活。
    憲一の失踪を探る中で起きる殺人事件…て義兄も本多さんも死に様熱演されててエグい。室田さんも。
    3人とも殺したのが佐知子というのは、佐知子と久子の過去出てきた辺りで気付きます。

    佐知子が憲一を殺した動機は時代性だなぁと思います。「砂の器」と似た印象。
    自分が消したい過去を知る人物が現れたら、その人物が例え公表しようとしたりそれで強請ろうと思ってなくても脅威なので、消し去りたくなる…それがパンパンだったり、父親がハンセン病というのは、今では考えられない程重い事なんだろう。。人を殺す理由にするくらい。

    マリーとエミーが親友だったってところは良かったし、女の子がこんな仕事しないでいいような時代…ってマリーは思ってたから選挙を応援してたのかなと思うと全て繫がってるな。女性の地位も今より低かったんだろうし。
    ここの中谷美紀さんと木村多江さんのシーンとても良かったので久子の最期に佐知子が壊れたのが心にずっしりきます。

    中谷美紀さん美しくて、木村多江さんも可愛くて。おふたりに惹きつけられました。悲しみ。
    広末涼子さんはこのふたりに比べたらどうしても弱くなってしまって。。
    本多さんの野間口徹さんは頼れる感がありました。声と話すトーンが好き。

    松本清張作品、こちらは原作読んでないと思うので読みます。


    思い返してみると、久子が使ってた英語がパンパンしか使わない英語だからこの人もしかして…ってわかる禎子もなんかちょっとひっかかりました。
    それともこの知識はこの当時の常識なんだろか?

  • なかなか面白かった。でもそれは映画の出来ではなくて、松本清張の小説を褒めるべきだろう。
    広末涼子がなかなかいい。うまい女優だと決して思わないが
    いい監督といい話に出会うと化ける気がする。

  • 綺麗どころ3人の演技に注目していたが、やはり広末さんはやや劣っていたかな…。
    中谷さんの迫力は良しだね!

  • 広末涼子がひどい.

全177件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1960年、東京生まれ。映画監督、CMディレクター、脚本家。監督作品に「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」「黄色い涙」「眉山」「のぼうの城」など。脚本作品に「大阪物語」「黄泉がえり」など。

「2016年 『我が名は、カモン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×