シリーズ最高傑作との触れ込みだが、残念ながら1作目を超えることはできなかった。
もちろん並の映画よりは面白かったものの、これだけの役者を揃えて、ソダーバーグ監督ならもっと面白くできたはず。
そして、2008年8月9日に、フランク役のバーニー・マックが死去。監督のソダーバーグは、「続編は考えられない」とコメントした。マックは2008年7月24日にサルコイドーシスによる肺炎のため入院し、8月9日に死去した。50歳。映画「ソウル・メン」の撮影中の突然の死であり、50歳という若い死は大きなショックを持って迎えられ、CNNの「ラリー・キング・ライブ」など多くの番組で追悼番組が組まれた。
『オーシャンズ13』(Ocean's Thirteen)は、2007年のアメリカ映画。主人公ダニー・オーシャン率いる犯罪スペシャリスト集団の活躍を描いたシリーズ3作目。裏切られた仲間の報復のために、ラスベガスのホテル王を破滅させるべく活動するケイパー映画。監督はスティーヴン・ソダーバーグ。主演は引き続きジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットほか、マット・デイモンやアンディ・ガルシアが登場し、新規キャストとしてアル・パチーノ、エレン・バーキンが登場する。前作の主要キャストであったヴァンサン・カッセルも登場するが、ジュリア・ロバーツやキャサリン・ゼタ=ジョーンズは登場しない。
本作のチームは前作の12人からテスが抜け、前作脇役のローマン・ネーゲルと仇敵テリー・ベネディクトを加えた13人である。
アメリカでは2007年6月5日にプレミア上映されたのち、6月8日に3565館で公開され、週末興行成績で初登場1位になり、トップ10内に6週間いた。日本では同年8月4日に先行上映された後、8月10日金曜日に丸の内ピカデリー1系列ほかで公開された。
ストーリー:
ルーベン・ティシュコフは、ホテル王ウィリー・バンクと共同経営の約束をしてラスベガスの新しいホテルへ投資する。ダニー・オーシャンら友人たちは、ビジネスでの裏切りで悪名高いバンクと手を切るよう忠告するが、ルーベンは「シナトラと握手した」として逆にバンクを擁護する。しかし、ダニーらの予想通り、バンクはルーベンを裏切り、土壇場で脅迫して彼をホテルの経営から追い出す。このショックでルーベンが心筋梗塞を起こして寝たきりになってしまったと知ったダニーは、ラスベガスに急行する。既に裏稼業からは足を洗っていたダニーはバンクに説得を試みるが、彼はまったくとり合わず、むしろ新しいホテルの名に自身の名を冠した「ザ・バンク」と名付ける。ダニーは報復のために再び仲間たちを結集させ、ホテルのプレオープン日に、彼を破滅させる計画を立てる。
集まった仲間たちを前にダニーは、今回の目標は2つであることを伝える。1つ目は権威あるホテル格付け「5ダイヤモンド」の受賞を阻むこと。そのために、客として訪れたソール・ブルームをホテル側に格付けの極秘調査員と誤認させる一方で、本物の調査員を悲惨な目に合わせる。2つ目はカジノの運営権を失わせるために、プレオープン日でカジノに大量の払い出しを起こさせること。少なくともホテル側は初日に5億ドル稼げないと、ラスベガスの賭博委員会に運営権を譲渡しなければならない取り決めがあった。このため、イカサマやトリックが仕込まれたカジノ器具をホテルに送り込むべくダニーらは暗躍し、また、ギャンブラーの生体情報を監視してイカサマなどの不正を探知する超高度セキュリティ・システム「グレコ」対策を練る。
しかし、計画はトラブルが続出し、いつもなら資金をサポートしてくれたルーベンが不在ということもあって資金不足に悩まされてしまう。そこでダニーは起死回生の策として仇敵テリー・ベネディクトに協力を求める。ベネディクトもまたバンクを忌々しく思っている1人であり、ダニーを憎みながらも、手を貸すことを決める。ただし、ベネディクトが一方的に有利な契約条件の上に、さらに彼はバンクが「5ダイヤモンド」受賞の度に記念に購入し、2億5,000万ドル以上の価値があるとされるダイヤモンド・コレクションの強奪も要求し、ダニーはこれを飲む。その上でベネディクトは「ナイト・フォックス」ことフランソワ・トゥルアーとも極秘に連絡を取り合っており、ダニーへの復讐としてダイアモンドの横取りを企んでいた。引き続き細かいトラブルは続出するものの、ダニーらは準備をすすめ、ついにプレオープンの日を迎える。
計画当夜。何かが水面下で動いていると察知していたバンクの側近アビゲイル・スポンダーが呼んだFBI捜査官たちがホテルに到着し、カードシャッフル機の細工を発見して機械は交換されてしまう。さらには捜査官のリーダーであるロバートはスポンダーの籠絡を担当していたライナス・コールドウェルの正体も見破り、彼を逮捕してしまう。しかし、このFBI捜査官たちは偽者で、これもダニーらの仲間たちであり、シャッフル機はむしろ本当に細工したものにすり替えられ、またロバート捜査官こそ、ライナスの父で伝説の泥棒「ボビー・コールドウェル」本人であった。ライナス達は盗んだダイアモンド・コレクションを持って逃げようとしていたところに、トゥルアーが現れ、横取りされてしまう。しかし、これもダニーが前もって予測しており、トゥルアーが横取りしたのは既に偽物にすり替えられたダイアモンドであった。
引き続き計画は進行し、バンクの携帯電話に仕掛けられた強力な磁気発生装置で「グレコ」は麻痺させられ、その瞬間にスロット、ルーレット、バカラとほぼすべてのギャンブルでイカサマが発生して次々と客側が大勝を収めていく。トドメとしてホテルの地下に密かに掘られたトンネルから爆弾で擬似的な地震が起こると、客たちは勝ち分を確定させてそのままホテルから逃げ出し、バンクは大損する。事態に呆然とするバンクにダニーが近づき、ルーベンに対する報復であったことを明らかにした上で、ルーベンに行った行為自体が違法行為であるために警察を頼ることができないこと、また非合法手段で報復しようにも、裏社会は裏切り者のバンクよりルーベンに味方することを自覚させる。
後日、ダニーと仲間たちは今回得た多額の報酬を、快復したルーベンへの餞別として新しいホテルの建設費用の原資とする。また、ベネディクトへの報酬7200万ドルは、直接渡さずに慈善事業団体に対して彼名義の寄付として払ってしまい、怒るベネディクトに対し、篤志家として名が売れるとダニーは嘯く。結局、ベネディクトはダニーの提案を飲み、世論から称賛を受けながら大々的な記者会見を開く。その会見の映像を、空港のロビーにてダニー、ラスティー、ライナスが眺めている。そこに、今回の計画のために不当に酷い目に合わされた本物の格付け審査員が現れ、ラスティが操作したスロットで1100万ドルを獲得し、彼の被害は補償される。(ウィキペディア)