- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4547462074676
感想・レビュー・書評
-
【ストーリー】 (Amazonより)
タクシードライバーとして働く帰還兵のトラビス。
戦争で心に深い傷を負った彼は次第に孤独な人間へと変貌していく。
汚れきった都会,ひとりの女への叶わぬ想いー
そんな日々のフラストレーションが14歳の売春婦との出逢いをきっかけに,トラビスを過激な行動へと駆り立てる! !
映画史上,最も力強く心に深く染入るクライマックス。
そしてデ・ニーロの演技とスコセッシの演出が本作を比類ない作品に仕上げている。
観終わってみて とてもモヤモヤした感じが残る作品でした。
このような作品を観ると 人間の二面性みたいなものは多少は誰にでもあるのだろうと思っていて それでも行動を起こしてしまう人と起こさない人とは何が違うのだろうか?といつも考えてしまいます。
自分がこんな思いをするのは 世の中のせいだと心が荒んでいくトラビスの異常性と売春をする少女を助けたいと思う気持ち。極端に対極な思いを持っているトラビスのラストの展開に驚きました。
悪と正義は紙一重ということなのか...
ロバート・デ・ニーロとジョディ・フォスターが若い!
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
鑑賞している間中、わだかまりと不安、そして、少なからず湧いてくる共感を否定できないまま、薄ら寒く見終えた映画。
タクシードライバーとなった一人の男の、平凡な日常の中で鬱屈と孤独を募らせながらもがき、凄惨な事件を起こす過程を、その過激さに反して単調なほどに淡々と追った作品。
ひどい不眠症と孤独に悩まされる元海兵隊員のトラヴィスは、タクシードライバーとなり、夜の街を走る。貧民街や売春街と思われる所ですら、淡々と躊躇いもなく車を走らせる彼。
彼はある日、大統領候補の選挙事務所で働く女性ベツィを街で見かけ、恋をする。しかし、立場も環境も違う彼らは、やはりうまく行かず、ベツィを怒らせ、避けられる結果になる。
恋に破れ、さらなる鬱屈を募らせていくトラヴィスの頭の中は、やがて、恐ろしい計画で占められていく。計画のため、銃を手に入れ、黙々と身体を鍛える日々。
そんな中、彼は、娼婦をしている12歳のアイリスと出会う。彼は、決して下心ではなく、彼女の持つ孤独と閉塞感に共鳴して、まだ子供の彼女を純粋に救いたいと手を差し伸べるけど、それもうまく行かない。
そして、彼のある計画が実行されるべき日に、事態は思わぬ展開を迎えて…。
カメラワークも、何処と無く影のある暗めの色彩も印象的なのだけど、何よりすごいのは、基本的に無口で表情がほとんどないはずなのに、ただ社会の片隅で細々と生きて日々を消化する一般的な気弱な青年ではなく、「この人ちょっと危うい感じがする」という初めの印象から、徐々に、しかし、確実に、身体的にも内面的にも「こいつヤバい」と思わせる狂気じみた変化を段階的に遂げていくトラヴィスを演じたロバート・デ・ニーロの演技が、やけにリアルで本当に怖いこと。
ラストは予想外に、凄惨な事件を起こしたはずの彼はある種の「正義漢」として社会復帰をするのだけど、彼が抱える孤独と、そして、身に住まわせて膨らんでしまった狂気と凶暴性が全く消えてないことがわかる、細かい演技が、これまたすごい。
これ、トラヴィス、また何かのきっかけで事件起こすんじゃ…と、恐怖を感じずにはいられないのです。
でも、トラヴィスの抱える孤独や、単調な日々の繰り返しって、特別なものではなく、きっと多くの人が持っているものだな、という身に迫るリアリティというか、妙な共感心もあり、本当に、薄ら寒い気持ちで身終えた作品でした。-
hotaruさん、こんばんは(^^♪
コメント欄ではちょっぴりお久しぶりです。
いつも丁寧なレビューで、感心しながら読ませていただいてま...hotaruさん、こんばんは(^^♪
コメント欄ではちょっぴりお久しぶりです。
いつも丁寧なレビューで、感心しながら読ませていただいてます。
心がざわざわしてくる映画ですが、好きなんですよね。
正常と異常のボーダーを生きる主人公をここまで描いたものって、あまりありませんし。
スコセッシ監督の視点の斬新さと、それをリアリティを与えたデ・ニーロの演技のすごさ。
特に鏡に向かってひとり研究する場面なんて寒気がします。
そしてこの映画を鑑賞する時点で、自分がかろうじてこちら側の人間だと確認できるわけです。
ただ、繰り返し見たくはないですね・笑
スコセッシ監督の作品に凝ったことがありまして、懐かしく思い出してコメントしました。
2018/02/25 -
nejidonさん、こんばんは。お久しぶりです。と言ってもいつも素敵なレビューをこっそり拝見しています。相変わらず、映画にもお詳しくてすごい...nejidonさん、こんばんは。お久しぶりです。と言ってもいつも素敵なレビューをこっそり拝見しています。相変わらず、映画にもお詳しくてすごいです!2018/02/25
-
(コメント送信の調子が悪くて長文を打つとフリーズするので細切れでごめんなさい)
そう、この作品はまさにボーダーを描いた作品ですね。私はこの...(コメント送信の調子が悪くて長文を打つとフリーズするので細切れでごめんなさい)
そう、この作品はまさにボーダーを描いた作品ですね。私はこの作品を観て、「私はまだ大丈夫…」と思ってしまいました。確かに背筋が寒くなるので、繰り返しは観たくないけど、すごく良く出来た作品ですよね!コメントありがとうございました☆2018/02/25
-
-
私刑と英雄
日本で久々に流行したR指定映画「ジョーカー」のオマージュ元としても有名になった今作。
共通するのは個による反乱。
勿論それ以外にも挙げればキリがないが、自分が追いやられている状況を打破しようと起こした行動は同じに思える。
色々な職業の中でタクシードライバーは孤独を感じやすい部類だと思う。街を走り回り、情勢を知り尽くしているのにその誰とも親しくない。
この街で自分は一人ぼっちだ、そしてそれはこのクソったれな街のせいだ、そんなような考えに至るのもうなずける。
悪が蔓延る町の中で、自分は染まっていないというのを署名するために自分なりの善をはたらく。
それは誰かのためでなく完全なる自分を正当化するための行為。それによって感謝される事があっても、その裏には誰かの生活を壊している。幸せは誰かの不幸の上に成り立っているというのは不幸な側になって初めて気づくものなんだと思った。
この映画を総括すると、ジョディフォスターが美しい。
-
『タクシードライバー』がBSで放映されてたので久々に観た。タクドラも節目節目で観てる映画です。
「好きな映画は『タクシードライバー』です!」ってのも、「好きな音楽はセックスピストルズです!」「好きな本は太宰治です!」って言うようなもんで、けっこう恥ずかしいよね。
こういうのは若いうちに触れたかどうかで、その後の物の見方や考え方、趣味嗜好が決まるんじゃないかと。
久しぶりに観たら、なんか不可解な映画。普通の見方だとトラヴィス(デニーロ)ってベトナム戦争の帰還兵なんだけど、これ、ベトナム戦争に行ってねえんじゃねえかなあ?って今回観て思わされた。
ていうのは、タンカースジャケットもM65もおかしいし、ワッペンつけてるのもおかしいし、銃もおかしいから。
確実に殺るなら、普通はガバメントとかじゃないのか?って。非常に素人くさい。
トラヴィスの銃って、
スリーブガン→ワイルドワイルドウエスト
マグナム→ダーティハリー
M36とコルトディテクティブ→フレンチコネクション
ワルサーPPK→007
っていう、アクション映画オタクがコスプレしてるような。まあ、そういうとこ雑な映画なんていっぱいあるんだけど。
あと、スコセッシも脚本のポールシュレイダーも、トラヴィスのモデルになったアーサーブレマーも、誰もベトナム戦争に行ってないんですよ。
DVD特典だと、監督も脚本家も誰もベトナム帰還兵だって明言してないそうです。
ベトナム帰りってのは後付けというか、当時の世相を反映したもので、そのせいで名作にもなってるんだけど。
トラヴィスがベトナム戦争に行ってないって見た方が闇が深いかもしれない。
どちらかというとシュレイダーやスコセッシの「孤独」を投影した部分の方が大きく出てるんじゃないかな。シュレイダーは当時どん底の生活してたみたいだし、スコセッシも映画オタクのコミュ障というか。
だからこれを観て、「これは俺のことだ!!」って思う人が多かったんだと思う。童貞映画ですね。
人種の問題もあって、選挙事務所のユダヤ人だったり、黒人が力をつけてきたりだとかで、社会に居場所がないと。
あとこの映画は「名作」扱いだけど、一旦それを外して見ないとダメだと思う。
スコセッシはロジャーコーマンやカサヴェテスの流れなのと、ヌーヴェルヴァーグの影響も同じ。
要は若者向けのB級インディーズ映画。
この後にも似たような傾向の映画はたまにある。アレックスコックスの『レポマン』とか、最近だとマッドマックスオタクの『ベルフラワー』とかはヌーヴェルヴァーグの影響受けてるんじゃないかと。
だからタクドラはカンヌでパルムドール獲ったのかなあという気もしている。
撮影監督のマイケルチャップマンがこの後やったのが『SF/ボディスナッチャー』っていうSFホラーだけど、この映画も撮り方がめちゃくちゃかっこいい。タクドラと違って今はあんまり見向きもされないけど、そのスジでは有名な映画。
タクドラの原点は『ミーンストリート』で、その原点はフェリーニの『青春群像』。
『ミーンストリート』の中で『捜索者』を観るシーンがあるんだけど、タクドラのストーリーは『捜索者』とだいたい同じ。スターウォーズも『捜索者』と同じ。
要は、囚われた女の子を助け出す話。
「イタリア系が囚われた女の子を助け出す話」って、僕ら世代だとスーパーマリオか!ってなるけど笑。
他、一緒に観ると面白い映画は『ローリングサンダー』『ロッキー』『がんばれベアーズ』、イーストウッドの『アウトロー』とかかなあ。
『たまこマーケット』でも良いけど、あれあんまり面白くはない。
あと『時計じかけのオレンジ』もか。ラストも。
タクドラは「最後のアメリカンニューシネマ」って言われてるけど、ラストどうなるかを考えると、それまでのアメリカンニューシネマから転換した感じになってますね。 -
この映画の見どころはデ・ニーロのモヒカン~☆
じゃなくて、
「ミラー」に映るモノすべてじゃないかと思った。
ミラー越しに「俺にしゃべってんのか?」って
自分に問う不気味さ。
ラストのミラーに映る怪しぃ~目が・・・恐いよぉ~!
デ・ニーロのあの目と狂気はトラウマもんですゎ。
文句なしのすばらしい作品! -
ベトナム帰りの青年トラビス・ビックル(ロバート・デ・ニーロ)は夜の街をタクシーで流しながら、世界の不浄さに苛立ちを感じていた。
大統領候補の選挙事務所に勤めるベッツィと親しくなるトラビスだったが、彼女をポルノ映画館に誘ったことで絶交されてしまう。
やがて、闇ルートから銃を手に入れたトラビスは自己鍛錬を始めるが、そんな彼の胸中にひとつの計画が沸き上がる……。
ニューヨークの夜を走るひとりのタクシードライバーを主人公に、現代都市に潜む狂気と混乱を描き出した傑作。
若かかりし頃のロバート・デ・ニーロが、誰よりも人に愛されたいと願っているのに自意識過剰で女性に対して過剰な思い入れを抱き、コミュニケーションが上手くないが故に孤独に苦しんで過激な行動に出てしまうタクシードライバーのトラビスを演じ、同じように孤独でコミュニケーションが上手くない若者の心を掴み、カルト映画になりました。
この映画のヒントになったのは、アラバマ州知事を狙撃したアーサー・ブレマーの日記で、大人に成りきれず孤独に苦しみ他人とのコミュニケーションを失い、自分だけを見つめる内に自我が肥大し、自分は他の愚民とは違い偉大な使命を背負っているという妄想が膨らんでいくブレマーに同じように孤独に苦しんでいた脚本家ポール・シュレーダーは共感し、脚本したそうです。
クライマックスのヒモとの銃撃戦は、ドライな感触のバイオレンスでスカッとします。この映画のジョディ・フォスターに恋をした若者がレーガン大統領を狙撃したことでも、話題になりました。 -
1976年アメリカ
ロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード、ジョディ・フォスター
名画、、と言われてますよね。
ロバート・デ・ニーロはやはり、すげぇな、、と思った。ジョディ・フォスターの映画デビュー作?(よくわかんないけど、若い、、つか子供)
ただ、よくこの映画を観て「共感できる」って聞きます。トラヴィス(デニーロ)が鏡の前でつぶやく「You taking to me?」ってシーンを真似たとか、、聞きます。
でも私は共感はできなかったなぁ
バックボーンがよく伝わってこなかったけど、都会でタクシーを転がしながら自分のアイデンティティを探し続けるものの見つからず、でかいことをやらかしてやろう!!
ってストーリーは現代社会でよく見かける「誰でもいいから人を殺したかった」という無差別殺傷事件としかつながりません。
なぜ、このトラヴィスに皆が共感するのか、わからない。
だめでした。
とはいえ、、、デニーロの演技は最高!! -
忘れられない映画。
ロバート・デ・ニーロの演技が鋭い刃物のように突き刺さってくる。キレまくってる。 -
たいした信念もない男の肥大化した、しかし空っぽの自我…うん、まさに厨二病(笑)人付き合いが下手で(デートでポルノ映画はありえなさすぎるが)派手な装備やモヒカンとか形から入るのもそれっぽい(武器をカッコ良く抜こうとシミュレーションするとことかホント恥ずかしいくらい厨二)。ただこの主人公のバックには社会復帰できない帰還兵の苦しみがあり、ヒーローを求めるアメリカという世間がある。
クズが悪足掻きして自滅して終わりかと思いきや、思いもよらずヒーローになってしまうラスト。主人公はそれで満たされたのか?いや、あのタクシー内での彼の表情はけっしてその狂気を昇華したとは思えない。